胆石による疝痛発作の症状は?対処は鎮痛剤やブスコパン?
ブスコパンなど胆石の疝痛発作の対処法について
胆石による疝痛発作の症状というのは非常に痛みを伴い相当な苦痛を感じることかと思います。
対処法として鎮痛剤を使うことやブスコパンの服用といったものが挙げられていますが、どのような対処が好ましいのでしょうか?
本記事では胆石による疝痛発作に関することを中心にお伝えしたいと思います。
胆石による疝痛発作の症状は?
胆石ができてしまった人が生じる、典型的な発作症状は「身をよじるほど痛い」と言われる腹痛と背部痛です。
背中や右肩が痛み、みぞおちから右脇腹にかけても痛みます。
また、内臓疾患が発症している場合は関連痛といったものが発生することも多く、予想外の場所に痛みといった症状が出ることもあります。
例えば、肝炎になっている方や胆石ができてしまった方は右肩甲骨の下側が相当こるようになり痛みが出ることもありますし、狭心症や心筋梗塞といった症状がある方は背中に痛みが出たり重だるさを感じることもあるでしょう。
腹部の痛みや肩甲骨の痛み以外には、異常なまでの膨満感といったものや吐き気や嘔吐症状が出ることもあります。
胆石による発作の対処について
鎮痛剤
胆石ができてしまった場合はまずは除去するための手術を行うのか、薬によって溶かすといった対応が必要なのですが、もし発作が起きてしまった場合は痛みを取り除く為に鎮痛剤や鎮痙剤(ちんけいざい)といったものを用いることがあります。
ただし、これはその場しのぎの対処療法なので、発作を完全になくすものではありません。
ブスコパン
胆石症の発作を緩和させる薬にブスコパンといったものがあります。
これは痛みを軽減させてくれる作用があるので、発作が出た時によく使用されるものとなっており、おそらく手術を選択しなかった方は医師から発作の時に飲むために渡されることになるでしょう。
ただし、発作を抑える作用があるとはいえ、胆石を消滅させる作用があるわけではないので、継続的な薬物治療は続ける必要があるようです。
人によってはこの薬があれば大丈夫と暴飲暴食を繰り返して悪化させてしまい、そのまま痛みで倒れて手術になってしまった方もいたので、頼りきらない方が良いでしょう。
胆石による発作の原因は?
なぜこのようは発作症状が出るのかというと、大きな原因は脂っこい食事を食べ過ぎることにあるでしょう。
脂っこい食事が主体になってしまうと脂肪の消化が間に合わなくなるので胆汁内のコレステロール濃度が上昇していってしまい、脂肪分が固形化して胆石になる確率が上昇し、胆嚢の収縮が食後に始まって胆石が動くようになって胆嚢の出口付近に集まり塞ぐ可能性が出てくるのです。
ここで塞がれてしまうと胆汁が正常に排出できなくなるので激しい痛みが出るようになってしまいます。
胆嚢に胆石ができる胆嚢結石症、胆嚢と十二指腸の間にあり、それらを繋いでいる総胆管に胆石ができる総胆管結石症、肝臓内に胆石が発生する肝内結石症の3種類が胆石症にはありますが、現代日本では胆嚢にできる胆石が8割以上と言われており、基本的に胆石があると言われた場合はまずは胆嚢を疑う状況になっているのです。
発作の時間は?
胆石発作が出る時間帯というのは、食後の30分から3時間の間に発生する確率が高いです。
発生する確率を高める原因は脂肪分や油分の多い食事かどうかですが、それらの食事をした後に発生する確率が高く食後直ぐに発症することもあると言われております。
食後直ぐに痛みが出る理由は食事をすることで胆嚢が収縮するようになるので、その収縮によって胆石が胆嚢の出口を塞いでしまうことが原因なのです。
痛みが生じる時間の長さや頻度といったものも個人差があるので細かい指定はできませんが、人によっては軽い方もいて横になって休憩するだけで回復する人もいます。
また、激しい痛みが発生して動けなくなってしまい救急車で搬送されることになってしまう人もいるでしょう。
根本的な治療法は?
胆石発作を根本的に防ぐためには胆石を除去しないといけません。
その方法は手術か薬を使って溶かす治療です。
この薬を使って溶かす治療はかなり楽ですが、コレステロール胆石にしか効果がなく、15mm以下の胆石でないと使われることはありません。
また、この治療も即効性があるわけではなく年単位で続ける必要性があるので、根気よく続ける必要があるのです。
手術以外では体外衝撃波結石破砕療法(ESWL)と呼ばれる衝撃を加えて破壊して、その後は薬で溶かすといった治療法もありますが、この治療も条件があって2~3cmの大きさの胆石3個までという規定を満たす必要があるのです。
ある意味、最も手っ取り早い解決法が手術なので、そちらを選択するのも有効でしょう。
昔は開腹手術が主流だったので、負担もかなり大きく手術後の入院も伸びましたが、今では腹腔鏡手術が主体なので、患者の負担もかなり小さくなり入院期間も短くなっているようです。
食事について
胆石ができてしまい、そのことから発作を起こしているような方は食事制限が必要になります。
基本的に脂肪分が多いものやコレステロールが多い食事は避けるように指示されるでしょう。
逆に、勧められるのが高タンパク質の食品やビタミンCとビタミンEが含まれている食事です。
具体的にはほうれん草・ブロッコリー・にんじん・りんご・バナナ・柿・ひじき・海藻・玄米・コーンフレーク・青魚・大豆類などが推奨されるでしょう。
胆石を予防できるかどうかは食事の内容が大きく左右しているので、加工食品やお菓子を食べる回数を減らし、揚げ物も減らして、野菜を多く食べるようにするといいとされています。
胆石症と下痢の関係
胆石症の人は下痢が多く発性する可能性があります。
まず、十二指腸に食べ物が運ばれると胆のうから胆汁が分泌されるようになり脂肪の分解と吸収を助けるようになるのですが、油っぽいものが主体の食事ではこの胆嚢の働きが追い付かなくなりオーバーワーク気味になります。
胆嚢はひたすら胆汁を分泌し続ける必要があるので疲弊してしまうのですね。
このような状態になると胆汁の分泌効率が一気に低下します。
胆汁がうまく分泌されないようになると、食事でとった脂肪分をうまく分解して吸収しきれない状態になってしまうのです。
こうなると脂肪分が吸収されないで大腸に送られるようになるので、下痢が発生する確率が飛躍的に上昇するのです。
コレステロールが多すぎる食事は胆汁の成分変化を促し、コレステロール結石ができやすくなるだけではなく、その前兆症状のように下痢を起こしやすくなるので、脂っこいものを食べて下痢が続く人は要注意と言えるでしょう。
胆石につきましては次のページやサイトも参考にしてみてください。
日本消化器病学会ガイドライン 胆石症ガイドQ&A
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では胆石における発作について色々とお伝えさせて頂きました。
胆石は今では現代病の一種となっており、多くの方が悩まされているものとなっております。
食事の内容が昔と比べて大きく変わってしまったのが原因なのですが、意識しないと今の食事内容を切り替えることはできないでしょう。
病気になってからでは遅いので、今できることから始めていきましょうね。
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