逆流性食道炎で咳が止まらない!咳の特徴や治療法は?
逆流性食道炎の咳の特徴や治療法について
逆流性食道炎と聞くと胸やけや胃酸といったものを思い浮かべるでしょう。
しかしこの逆流性食道炎は咳という症状に繋がることもあるのです。
この咳は慢性的で止まらない、治療を間違いやすいといった特徴を持った咳です。
今回は逆流性食道炎かもしれないと気になっている方向けに、咳の特徴や治療法をお伝えしたいと思います。
逆流性食道炎で咳が止まらない時の対処法は?
逆流性食道炎の特徴は胸やけやすっぱいものがこみ上げてくることですが、慢性的な咳がでることもあります。
咳がひどいときの応急的な対応は市販薬に頼ることですが、注意点はこの咳の原因は風邪ではないため風邪薬用の咳止めは効かないという点です。
もともとの原因が逆流性食道炎にあるため薬を処方する時は風邪薬ではなく胃酸の分泌を抑制する薬を飲む必要があります。
代表的な市販薬は「ガスター10」や「キャベジンコーワα」になるでしょう。
どちらも咳の薬ではなくて胃腸の薬となっております。
市販薬による応急的な対処方法で症状が良くなったら病院に行って本格的な薬物療法を行ってください。
もし症状が重い場合は手術となりますが、基本的には薬物療法となります。
咳の特徴は?
逆流性食道炎が原因の咳にはいくつかの特徴があります。
それは慢性的に咳が出ることと、睡眠時に食道内に胃から胃酸が逆流して咳が出るため夜にひどい咳が出やすいことです。
まず慢性的な咳ですが、これにはたいてい背中の痛みや止まらない胸焼けといった症状がセットとなることが多いです。
咳以外にもそういった症状があるならば逆流性食道炎を疑ってください。
次に夜にひどくなるということですが、これは睡眠時に食道内に胃酸が逆流する影響で咳が出ているため体を起こしたり枕を少し高くして寝るようにすると症状が良くなることがあります。
治療法について
逆流性食道炎の治療は基本的に薬物療法で、症状がひどい場合には手術になるようです。
前述したとおり、この時必要な薬は咳止めの薬ではなく胃酸の分泌を抑制する薬となるため咳止めの薬はほとんど効果が期待できないでしょう。
症状が軽い場合には胃酸を抑える薬が処方されることでしょう。
また、基本的に軽度の逆流性食道炎は薬物療法で改善するため手術にまで至ることは多くありませんが、逆流性食道炎が悪化してしまうとバレット食道という食道がんの原因になる可能性があるため症状が重たい場合は手術が必要となるようです。
ちなみにこの逆流性食道炎で病院に行く場合には基本的には内科を受診します。
それ以外には胃腸科や呼吸器科がいいでしょう。
確かに逆流性食道炎と呼吸器科は関係ないように思えるでしょうが、逆流性食道炎の場合、気管支の治療が必要となるケースがあるため咳がひどい人は呼吸器科も受けることが大切になるのです。
漢方薬が効果的?
逆流性食道炎の咳には漢方が効果的となることがあります。
例えば半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)で、これは咳や吐き気を抑えて気分をリラックスさせる働きがあります。
具体的にはイライラ・うつ・不眠・不安感・神経性の胃炎・動悸・咳・めまいといった症状に効果ありというものとなっているのです。
もともと半夏と厚朴にはノドのつかえ感や吐き気を抑える効果の他に、咳を抑える効果もあるため逆流性食道炎で咳が出る人にはぴったりのものと言えるでしょう。
また、漢方を処方してもらう時の注意点ですが薬局で買うことはおすすめしません。
必ず漢方を処方してくれる内科医で診断を受けてから漢方をもらうようにしてください。
なぜなら漢方は東洋医学となるため患者の体質に合わせた漢方を処方することが基本となるからです。
漢方に頼る場合には、薬局にあるものではなく漢方の専門医の診断のもとに自分に合った漢方を処方してもらうことが一番であることを覚えておいてくださいね。
その他、逆流性食道炎に関しましては次のページも参考にしてください。
逆流性食道炎の原因はストレス?食べ過ぎ・ピロリ菌・便秘?
逆流性食道炎の症状【喉・咳・痰・背中の痛み・吐き気など】と治療法
逆流性食道炎の食事でおすすめは?トマト・ヨーグルト・酢?
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原因について
逆流性食道炎で咳が出る原因は胃液の逆流が食道の上部にある喉頭に触れて炎症を起こしてしまうからです。
もともとこの喉頭は正常であれば胃酸に触れる部分ではないため胃酸に対する抵抗力も低いです。
そのため胃酸に触れてしまうと喉頭の粘膜は簡単に炎症を引き起こしてしまいます。
ですので逆流性食道炎は喉頭の炎症を繰り返すようになるため、慢性的な咳に繋がったり声がかすれたり、場合によっては声帯にポリープができてしまうこともあるのです。
この慢性的な咳や声のかすれといった症状は肺や気管支の病気や食道癌や喉頭癌でも見られる症状であるため、まずはこのような重い病気でないことを確認することが先決になります。
咳だけでなく胸焼けや呑酸(口の中に広がる酸っぱさが症状)といった症状があるなら逆流性食道炎の可能性が高いですが、それらの症状がなかった場合は他の病気と思ったほうがいいでしょう。
逆流性食道炎の咳は人にうつる?
咳が出るとどうしても気になるのが他の人にうつるかどうかでありますが、この逆流性食道炎による咳はウイルスや細菌による風邪からくるものではないためうつりません。
この逆流性食道炎の原因はあくまで胃酸が逆流することで気管に影響するというものであるため、うつるものではないのです。
ですが、本人はいくら他の人にうつさないものとわかっていたとしても、それが他の人から見た場合、説明されない限りうつらないものとは分からないため、ずっと咳が出ている人の印象は正直いいものではないでしょう。
そのため、いち早く治療を行って咳がでなくすることが大切ではないでしょうか。
逆流性食道炎は妊婦さんがなりやすい?
胃から胃酸が逆流して食道に炎症が発生してしまう逆流性食道炎ですが、これはどちらかというと体の機能が全体的に衰えてしまっている高齢者や肥満の人が発症しやすいものです。
しかし、妊婦さんは胎児が成長することで子宮も一気に大きくなるので、胃が圧迫されます。
具体的には胃が下から突き上げられる状態になると言えるでしょう。
こうなると食道と胃をつないでいる食道括約筋の圧力が下がってしまうので、胃酸が逆流する確率が上がるのです。
また、妊娠するとホルモンバランスが大きく崩れ胃腸の筋肉が緩みやすくなるという報告もありますので、消化活動効率も低下して逆流する確率も高まるようです。
つまり、妊婦さんは一般の人よりは逆流性食道炎になる可能性は高いと言うことです。
逆流性食道炎と咳喘息の違いは?
逆流性食道炎と喘息は似た症状があるため医師でも誤認することがあります。
例えば喘息と診断されて治療を続けていたのになかなか症状が改善されなかったが、逆流性食道炎の治療をするとすぐに良くなったというケースもあるのです。
この呼吸器疾患である喘息との関係性については、はっきりとしたことはいまだわかっていないようで、胃酸が逆流する時に気管支内に胃酸が吸収されて気管支を刺激してしまい喘息が悪化するという説もあります。
別の説は逆流した胃液が食道内で知覚刺激を刺激することで、気管や気管支の神経に伝達させて気管にけいれん性収縮の症状をおこすというものです。
非常に似た症状であり、因果関係もあるという説も多いため喘息の症状が中々収まらない方は逆流性食道炎を疑って内視鏡検査をするのもいいかもしれません。
逆流性食道炎につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
医療法人社団 めぐみ会 食道炎で咳?
最後に
以上、いかがでしたでしょうか?
今回は逆流性食道炎からくる咳についてお伝えしてまいりました。
逆流性食道炎からくる咳は慢性的なものとなり、喘息と見分けがつかないこともある、やっかいな咳であることがよくわかりましたね。
注意点は、風邪による咳を抑制するタイプの薬は効かないという点で、効くのは胃酸の逆流を抑える薬ということでした。
本記事が逆流性食道炎からくる咳に悩まされている人にとっての悩みを解決する参考になれば幸いに思います。
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