マイコプラズマ肺炎はうつる?感染力は?症状や原因・治療は?
大人・子供・妊婦のマイコプラズマ肺炎について
マイコプラズマ肺炎は最近よく話題に出てくる肺炎といえます。
そうなると、この肺炎はうつる可能性があるのか?うつるとしたら感染力は高いのか?など気にされる方もいらっしゃるでしょう。
また、症状や原因、治療法なども知りたいことでしょう。
本記事ではマイコプラズマ肺炎はうつるのか?感染力はどの程度なのか?また症状や原因・治療はどのようなものなのかを調べ、お伝えします。
マイコプラズマ肺炎はうつる?感染力は?
まずマイコプラズマ肺炎というのはマイコプラズマという菌が肺に感染しておこる病気のことであり、うつります。
感染経路は感染した人の咳やくしゃみで飛散したものを吸い込んで感染する「飛沫感染」と、感染している人と直接接触したり周囲のものを媒体に間接的に接触したことで感染する「接触感染」の二つのパターンで感染します。
インフルエンザのように空気感染しないことが救いですが、それでも感染が一気に拡大することがよくあるので油断できません。
ただし、このウイルス自体はそこまで強いものではないので石鹸で洗ったり加熱することで簡単に除菌できます。
そのため感染予防対策をしっかりしている人なら感染することは、ほぼないでしょう。
また、潜伏期間が長いことでも知られており大体の人が2~3週間で、長い人では1ヶ月ほどの潜伏期間があります。
この期間の間は発症している時と比べて感染力は弱いですが、うつす可能性自体はあるので、無意識のうちに拡散させていることもあるでしょう。
症状について
症状は発熱・咳・のどの痛み・筋肉痛・関節痛・神経痛・頭痛・倦怠感などです。
基本的に風邪の症状から始まって、症状が徐々に重くなっていきます。
特徴は何といってもしつこい咳と頑固な発熱でしょう。
人によっては熱が下がってからも咳が1ヶ月近く続いたという方もいました。
また、軽い症状で終わることもありますが、重症になって肺炎に移行したり他の心筋炎やギラン・バレー症候群などの重い合併症を引き起こすことがあります。
原因について
マイコプラズマ肺炎を引き起こす原因はマイコプラズマという病原微生物に感染することと、その病原体に対する免疫の過剰反応です。
特徴となっているのが、マイコプラズマに感染した人全てが肺炎になるわけではないことで感染した人の約3~5%の人だけが肺炎になるのです。
次に病原体に対する免疫の過剰反応について説明します。
これはマイコプラズマ病原体が気道の粘膜にくっついた時に、免疫が過剰反応を引き起こしてしまって強い炎症が発生してしまうために発症します。
これは免疫力が低下したから発症したわけではなく、逆に免疫力が強いことから発症する可能性があるので、健康的な人ほどなりやすいとされている珍しいものなのです。
検査・診断方法について
潜伏期間が長いのならその時に検査すれば良いのではと思う方はたくさんいらっしゃるでしょうが、潜伏期間中に見つけるのは非常に困難なのです。
行う場合はIgMという値の上昇を血液検査で調べたり、DNAを咽頭粘膜液から調べることとなりますが検出率が低いので潜伏期間中に気が付くのは稀と言えるでしょう。
また、発症してからの検査も基本は同じで咽頭粘膜液を専用の検査キットを用いて検査することになります。
だいたい20分~30分程でマイコプラズマ抗原か抗体の有無を調べます。
しかし、発症してすぐの数日間はマイコプラズマ抗体は量がまだまだ少ないようで検出されにくく精度がやや劣ると言われています。
もう一つが血液検査ですが、こちらはマイコプラズマ抗体値を調べることが基本となります。
方法にはPA法とCF法があり、ともにIgMとIgGを測定しますが、PA法は主にIgM、CF法はIgGを測定するため、急性期を捉えやすいPA法の方がよく検査されています。
PA法で単一血清では320倍以上、ペア血清では4倍以上の抗体価の上昇を認めたらマイコプラズマ感染症と診断されるということです。
仮に、抗体値が少なかった場合は2週間後くらいに採血をもう一度行って血液検査を行い、初めの抗体値よりも4倍以上上昇している場合はマイコプラズマ肺炎と診断されることになるようです。
しかし、抗体は発症してから作られるまで時間がかかるので発症直後だと精度が低くなり、大人の場合は抗体価の変化が乏しいのでわかりづらく、子供だと抗体価が高い状態が続いてしまうことで過去の感染なのか今の感染なのか判断つかないこともあるようです。
治療法は?
マイコプラズマ肺炎は自然治癒できる病気なので、安静にして栄養補給と水分補給を行うことが基本となります。
病院では抗生剤を処方されたり、咳や鼻水といった症状に対応した薬を処方することになるでしょう。
しかし、肺炎の症状が悪化した場合は入院治療を行うこともあるようです。
具体的には抗生物質の効果が無く熱が下がらない場合や、咳の症状がひどく呼吸困難を引き起こすといった状態が出ている場合です。
その他にも、高熱や咳によっていつも通りに食事ができない場合や、髄膜炎・脳炎・心筋炎などの重い合併症を引き起こしてしまった場合は入院するケースもあります。
大人のマイコプラズマ肺炎の特徴と注意点
マイコプラズマ肺炎の患者数は14歳以下の子どもが8割となっているので、子供がかかる病気という認識が強く持たれています。
しかし、大人がかかってしまった場合、子供の症状と異なることがあるので気を付けましょう。
具体的には微熱・咳・身体のだるさが長く続くというものがありますが、一番の問題は症状が重くなりやすいといことでしょう。
特に注意が必要なのが高齢者の方々で胸に水が溜まる病気の「胸水貯留」を引き起こしたり呼吸不全になってしまったりすることがあります。
妊婦の場合
まず、妊婦が感染したとしても胎児に病原体が感染することはありません。
しかし、妊娠している時は飲んでいい薬が限定されてしまうので、どのような病気であれ感染しない方がいいでしょう。
ただし、妊娠10週目を経過している場合は胎児の器官形成がほぼ終わっているので服薬してでも治したほうが良いという意見もありますので、医師と相談するようにした方がいいと思われます。
また、どの病気にも該当しますが、妊婦の場合に注意が必要なのが高熱が出ることです。
高熱が発生すると子宮収縮が発生して切迫早産を招くリスクが高まります。
そのため、熱が出る病気にはできる限り感染しない方がいいのです。
子供の場合
子供がマイコプラズマ肺炎にかかった場合、大人よりも症状が軽くなるのが特徴と言えるでしょう。
そのため、子供がマイコプラズマ肺炎になったとしても気が付かないケースすらあります。
また、マイコプラズマ肺炎は「学校保健安全法」によって「その他の感染症」に含まれているので、感染のリスクが安全域に低下するまで登校登園を控えるようにすすめられることがあります。
ただし、強制的に出席停止となるわけではないので、発症した場合はまず学校に報告して学校から出席停止措置が出るかどうかを確認してください。
肺炎に関しましては次のページも参考にしてください。
会社への出勤や登校の停止期間は?
マイコプラズマ肺炎は大人でもうつる可能性がある細菌性の肺炎で、非常にやっかいなものと言えるでしょう。
これは肺炎なので基本的に会社は休むのが普通なのですが、明確な出勤停止期間が提示されているわけではありませんので、医師に判断をゆだねるしかないでしょう。
医師にOKと言われたら出勤するようにしてください。
感染力はそこまで強いものではありませんが、人によっては1ヶ月程度咳に苦しめられてしまいますので、人事部や総務部、上司とも相談されると良いでしょう。
学校でも同じで学校保健法でもマイコプラズマ肺炎に対する扱いは決まっておりません。
集団生活をする学校では流行する恐れもありますので、休むのが基本ではありますが、学校の先生や学校にいる医師に話を聞いて判断するしかないでしょう。
ロタウイルスに大人が感染したら会社への出勤は!完治までの期間
マイコプラズマ肺炎につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
病院なび 【医師監修】その症状マイコプラズマ肺炎かも…1ヶ月咳が止まらない!?
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事ではマイコプラズマ肺炎うつるのか、感染力はどの程度なのか、また症状や原因・治療はどうするのかをお伝えしました。
マイコプラズマ肺炎は子供の場合、症状が軽く済むことが多いのですが、大人が感染すると非常に症状が重くなることがあるので、大人の方々は十分に気を付ける必要があります。
特に、家庭を築いて家に子供がいる人たちは子供からマイコプラズマ肺炎をうつされる可能性があるので、気を付けてくださいね。
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