インフルエンザウイルスの生存期間や消毒法・感染の仕組み
湿度と温度の関係などインフルエンザウイルスについて
インフルエンザウイルスは感染力が高く、毎年流行する非常に厄介なウイルスです。
そのためウイルスの生存期間や消毒方法等、対処するための情報をおおくの人が探して知識を得ています。
本記事では、これからインフルエンザの知識を得ようとしている方向けにインフルエンザウイルスの生存期間や消毒法・感染の仕組みを中心にお伝えします。
インフルエンザウイルスの生存期間
まずはインフルエンザウイルスの生存期間について説明します。
インフルエンザウイルスの生存期間は温度と湿度によって非常に左右されます。
より具体的に説明すると、湿度を高くして温度を高くすることでウイルスの生存率は激減するのです。
体外に出た後はだいたい24~48時間の間インフルエンザウイルスは感染力を持っているようです。
つまり、長い場合は2日間ほど生存されてしまうので、集団行動をしている場合はどんどん感染が拡大していくことになります。
消毒方法について
ウイルスを撃退する方法として必須なのがうがいや手洗いといったものになります。
ずばりインフルエンザにはアルコールによる拭きとり消毒が効果的なので、消毒用のアルコールが非常に有効です。
具体的にはアルコールの濃度は70%ぐらいがちょうどよいといわれているので、そのぐらいの濃度で使うようにしてください。
100%ももちろん効果があるのですが、あっという間に蒸発してしまうので持続時間が短すぎます。
また、捕捉ですがノロウイルスのようにアルコールの効果がほとんど無いものもあるので、アルコールが全ての殺菌やウイルスに効果があると思わないでください。
感染の仕組みについて
インフルエンザの感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染の3つとなっています。
空気感染は空気中に漂っているインフルエンザウイルスを吸い込んでしまうことで感染します。
次に飛沫感染はインフルエンザに感染している人が咳やくしゃみをすることでまき散らされたウイルスを吸い込むことで感染します。
最後に接触感染はインフルエンザに感染している人の手に触れたり、感染している人のウイルスが付着した手で触ったものに手で触り、その手で口や鼻に触ってしまうことで感染します。
そうすることで体内に入ると1〜5日間ほどの潜伏期間を経て、発症することになるのです。
平均的な潜伏期間は3日といわれているのですが、その期間はほとんど自覚症状が無いまま進んでいくことになります。
インフルエンザウイルスの種類
インフルエンザウイルスにはA型・B型・C型と3種類存在しています。
ではそれぞれの型のウイルスに関して説明していきましょう。
まず、インフルエンザウイルスA型は毎年流行する厄介なものなのですが、非常に種類が豊富なものとなっています。
というのも、インフルエンザウイルスには「ヘマグルチニン(HA)」と「ノイラミニダーゼ(NA)」という2つの突起がついていてその組み合わせの数だけウイルスが存在することになるのですが、A型の場合HA16種類、NA9種類で構成されているので組み合わせはなんと144種類もあるのです。
ここまで組み合わせが豊富で、さらには年々変化していっているため各ウイルスに対する免疫ができていないために毎年かかってしまう可能性が生じてしまいます。
次にB型はA型とは違いHAが1種類、NAが1種類で構成されているので、一度感染したら次にかかる確率はかなり低くなります。
ゼロではないのはB型のウイルスでも新型が発生するケースがあるためです。
ただし、基本的にA型と違いゆっくりと変化していくので、B型が再発する確率は低くなっています。
最後にC型はヘマグルチニンエステラーゼ(HE)しか存在しないタイプで、免疫を一度つけると一生継続する危険性の低いインフルエンザウイルスと言われています。
構造について
インフルエンザウイルスは説明したように、A型、B型、C型の三種類が存在し、A型とB型は「ヘマグルチニン(HA)」と「ノイラミニダーゼ(NA)」という2つの突起(スパイクタンパクと呼ばれています)がついているものとなっています。
この部分をもう少し詳しく解説すると、HAは感染しようとする細胞に結合して、細胞の中にウイルスを取り込む力があり、NAは感染した細胞とHAの結合を切ることで、複製したウイルスを細胞から放出させるようになります。
つまり、このスパイクタンパクの二つは感染を引き起こす役割があるということですね。
また、よくニュースで使われる「H3N2のウイルス」という言葉は、3型のHAと2型のNAが組み合わさってできているウイルスという意味になります。
しかも、迷惑なことに同じ型だったとしても毎年少しずつ変異していっているので、A型の感染する可能性は減らないものとなっているのです。
そして、最も危険なのが鳥や豚などのウイルスによって大幅にインフルエンザウイルスが変化した場合で、これは新型のウイルスとなってパンデミック(世界的な感染の流行)を引き起こします。
インフルエンザウイルスの働きと湿度や温度との関係
インフルエンザウイルスの働きを抑制するためには、温度と湿度の調整がカギになります。
具体的には温度が10℃で湿度が20%の場合6時間後生存率は60%を超えるのですが、21~24度で湿度を50%に保つと生存率は3~5%と激減するようです。
また、温度21~24度で湿度20%に保った時は6時間後生存率が60%もあったので、温度調整以外にも湿度調整も大切であることがよくわかってきます。
これはとある実験結果によるデータから算出されたもので、結果として温度が高く湿度が高ければインフルエンザウイルスはほとんど生存できなくなるといったものになっているのです。
しかし、湿度が高すぎるとカビの心配をする必要が出てくるので、湿度は50~60%ぐらいを維持するのがいいでしょう。
インフルエンザに関する内容につきましては次のページも参考にしてください。
インフルエンザ予防接種の効果はあるの?期間は?
インフルエンザウイルスと肺炎の関係
インフルエンザの合併症の一つに肺炎がありますが、インフルエンザによる死因として最も多いのがこの肺炎です。
インフルエンザに感染してしまうと喉や気道の表面にある細胞が傷だらけになってしまい、防衛機能が普段よりもかなり低下してしまう状態になるので、細菌感染する確率が高くなってしまうのです。
そのため、普通に生活している状態では気にならない細菌でも、インフルエンザに感染した後では細菌感染してしまうことになり、肺炎などの合併症を引き起こすことになってしまいます。
インフルエンザに関する内容につきましては次のページも参考にしてください。
インフルエンザb型の症状や完治日数は?熱が下がらない対処法は?
インフルエンザウイルスに対抗する免疫について
人体というのはとかく優秀で、どのようなウイルスに襲われてしまったとしても、免疫抗体がしっかりとできていれば病原体を駆逐できるので発症することはありません。
この人体の反応を利用したものが予防接種なのです。
これがインフルエンザの場合も、一度発症したら免疫ができるので二度と発症することはないと言えるのでしょうか?
これは半分正解で半分間違いとなります。
一度発症したインフルエンザウイルスならば発症することはなくなりますが、インフルエンザウイルスはすごい速度で進化するので、1度発症したとしても1年後には別の形になってしまったインフルエンザウイルスに襲われて発症してしまうのです。
インフルエンザウイルスの生存期間等につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
医療法人社団 松恵会 けやきトータルクリニック インフルエンザウイルスの感染力について
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事ではインフルエンザウイルスの生存期間や消毒法・感染の仕組みについてお伝えしました。
インフルエンザウイルスのA型は組み合わせが豊富で毎年進化し、さらには新型が現れることがあるので非常に危険なウイルスと言えるでしょう。
しかし、ある程度の温度と湿度があればウイルスの活動を一気に制限できるようになるので、温度以外にも湿度を保つことが大切であることが解りましたね。
手洗いやうがい、または消毒も大切なのですが部屋の温度や湿度にも気を配って、インフルエンザウイルスが活発になる冬を乗り切りましょう!
LEAVE A REPLY