結核検査【t-spot・qft・pcrなど】と期間や費用
t-spotなど結核検査と期間や費用について
昔よりもはるかに発症者が減った結核ではありますが、完全に鎮圧されたわけではなく今でも発症者はいます。
そのためいろんな検査が行われるのですが、t-spot・qft・pcrなど名前を聞いただけではどのような検査か分からない方も多いかと思います。
またその検査にかかる期間や費用も見当がつかないことでしょう。
本記事では現代医療における結核の検査方法についてお伝えしたいと思います。
結核の検査の種類は?
結核の検査方法は大きく分けて2種類に別れております。
まず、最初にお伝えしたいことは結核は結核菌に感染したからといって100%発病するものではないということです。
そのため、結核を発病しているのか、発病はしていないが感染しているのか、といったことを判断する必要があります。
まず、発病しているのならすでに症状が出ているので、咳や痰が出ていることでしょう。
ですので、痰などから結核菌が出ているのかを塗抹検査や分離培養法などで確認する他、胸部エックス線検査で確認することもあります。
発病していないで感染しているのかどうかを検査する方法は、昔はツベルクリン反応検査が主体でしたが、過去にBCGを受けた人だと感染の有無にかかわらず陽性が出るため使われなくなり、今ではインターフェロンガンマ遊離試験、いわゆる血液検査が主体となっております。
結核の血液検査方法について
t-spot
結核に関する血液検査方法の一つにt-spotと呼ばれる方法があります。
これはTB検査とも呼ばれており、採血した血液から分離精製を行って体外で結核菌に感染していないかを確認する検査方法です。
血液検査のメリットはBCGワクチン接種をしている人でもしっかりと感染しているのかどうかを判別できるという部分にあります。
この検査結果を知るためにわざわざもう一度病院に行かないでも良いというのもプラス材料でしょう。
検査にかかる日数は免疫診断研究所が検体を受け取った日を含めて3~7日となっておりますが、原則的には3日で結果が出るようになっており、ここで出た検査結果は免疫診断研究所から結果を用紙に記載して郵送で送られるようになります。
qft
QFT検査とはクォンティフェロンTBゴールドのことです。
人間が結核菌に感染してしまうと体内のリンパ球であるT細胞が反応して短時間で「IFN-γ」という物質を作り出すのですが、この作用を利用した検査となります。
血液を採取した後に、結核菌に特異的な抗原を加えることでこの「IFN-γ」濃度が上昇するのかどうかを検査するのです。
ここで濃度が上昇している人は感染していると診断されます。
こちらも血液採取からそのまま検査を行い診断するので再度病院に行く必要が無い検査となっております。
ツベルクリン反応は皮膚に現れる反応を確認する必要があるので、本人がもう一度病院に行く必要があるのですが、その必要がなくなるのは大きいのではないでしょうか。
報告まではだいたい1週間ほどかかるとのことなので、症状がそこまで重くない方はしばらく待つことになると思われます。
結核のpcr検査とは?
PCR検査とは核酸増幅検査や遺伝子検査と言われております。
DNAをたくさんコピーして増やす技術で、菌の遺伝子を増殖させることで検出する技術になります。
結核菌を拾い上げられないことがあるらしいので、それがデメリットになるとのことですが、拾い上げることに成功した場合は確定診断ができるとのことです。
検査にかかる期間は?
結核の検査機関が行う検査方法によって大きく変わってきますが、血液検査となった場合は3~7日と考えた方が良いでしょう。
ただし、結核菌だけを培養させる培養検査の場合には一説には8週間もかかってしまうとのことです。
検査結果は非常に精密らしいのですが、非常に時間がかかるのがネックとなっているでしょう。
結核の疑いがあると診察や問診の後にレントゲンを行い肺に影があるかどうか確認を行いますが、この時点で確定というわけではないので、血液検査や痰を採取しての検査となってしまいます。
痰から結核菌が出ているのかを塗抹検査の場合はすぐに分かるようです。
費用について
結核の検査費用は感染症法による公費負担制度が適用されるので、かなり安くすることも可能だと言われております。
公費負担額については世帯の所得税額や外来の違いによって差が出るとのことなので、気になる方は自治体に確認するのがいいようです。
仮に3割負担で全額支払うと考えた場合は、レントゲン費用が約2000円、インターフェロンガンマ遊離試験が約6000円、喀痰核酸増幅法検査が約4000円となっており、そこからの3割なのでだいたい3000~5000円はかかると思われます。
どのような検査を行うのか、何回検査を行うのかでも費用は変わってきますので、あくまで参考程度にしていただければと思います。
気になる方は検査を行う前に病院に確認をとりましょう。
結核の検査におけるガフキーとは?
結核菌を観察する時の菌の数に応じて号数が付けられています。
1号から10号まであるのですが、この号数を判断する区分表を作ったのがドイツ人のガフキーという人物なので、結核菌の数から例えば5号と言われた人は、ガフキー5号といった言われ方をするようになるのです。
日本語的なニュアンスでの表現も記載されております。
例えば、0号の場合は検出数が0なので陰性(-)で表現されるのです。
ここで1号や2号となると少数(+)という扱いになり、3~6号にまでいくと中等数(++)という扱いになるでしょう。
これ以上の数になると多数(+++)という扱いになるようです。
結核の検査はどこで行う?病院?保健所?
まず保健所と病院の違いについて解説します。
保健所は地区の自治体で運営しているところであり具合が悪くても治療を行う場所ではありません。
病院は治療を目的とした場所なので発症したら向かう場所となっております。
保健所は社会の健康を守るために食品を扱う店舗や公衆浴場などの衛生基準のチェックもしている場所なので、そもそもの目的が異なります。
つまり、結核の検査を行う場所は病院ということになるのです。
ただし、結核予防会の病院等にかかることが基本となっているので、この予防会に入っていない病院では対処できないこともあるとのことです。
そのため、最寄りの保健所に問い合わせを行えば近くに結核診療が可能な場所を教えてくれるとのことでした。
結核の症状は?
結核の初期症状は非常に風邪に似ております。
咳・微熱・食欲不振・痰が出るなどシンプルなものなのです。
そのため、多くの方々は発症したとしても最初のうちは風邪と同じような対応を行ってしまいます。
悪化してくると、倦怠感が出始めて息切れや血の混じった痰が出るようになり、さらに悪化することで、喀血をするようになって呼吸困難状態に陥ってしまうでしょう。
ここまで来ると命の危機となります。
症状として違うところは、この風邪に似たような咳や微熱、体のだるさが2週間以上も続くところです。
長引く風邪のような症状は風邪でなく、結核の可能性があると考えましょう。
結核ではなくても、喘息も疑われますので、症状が治らない場合は診てもらうことが大切となってきます。
結核につきましては次のページも参考にしてください。
結核の検査につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
公益財団法人 結核予防会 2週間以上、咳が続くときは診察や検査を受けましょう
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では結核の検査方法について色々と説明してまいりました。
検査方法はツベルクリン反応が基本だと思っている人も多いと思いますが、時代とともに移り変わっており、古いものとなってしまっているようです。
実際に、結核でも症状が軽い人だと病院になかなかいかない人が多いと思いますので、ある程度症状が長引くか悪化するまで気が付かないものとなっております。
普通の風邪だと思って放置していたら2週間近く経過しても全く治らず、おかしいなと思って病院に行ったら結核と診断されたというパターンはよく聞く話となっております。
病院によって検査方法なども異なってくると思いますので、検査費用などが気になる人はまず病院に確認することから始めましょう。
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