結核の感染力と経路・キスで感染する?潜伏期間や予防法は?
結核の潜伏期間や感染力とその経路について
結核の感染力は高く経路もいくつかあり、その中にキスなども含まれていると言われていますが本当なのでしょうか?
潜伏期間や予防できるのかも気になるところかと思います。
本記事では結核の感染に関することについて調べていきます。
結核の感染力と感染経路は?
結核は感染者が咳をすることで菌が空気中を漂うようになり、空気感染するようになります。
空調換気の悪いところでは結核菌はかなり長い時間留まってしまうようになるので、途中で発症者がいなくなったとしても感染してしまうことがあるでしょう。
一説によると結核菌は太陽光などによる紫外線をあびると2~3時間ぐらいで死滅していくので、しっかりと換気を行っているところではそこまで爆発的な感染はしないと言われているのです。
感染者からの咳で空気感染していくものなのですが、紫外線で殺されていくので外での広がりはそこまで多くは無いようです。
問題は換気が良くない室内環境で発症者がいたケースです。
食器などの物を介してうつることは無いと言われておりますが、ゴホゴホと咳を頻繁にしている発症者がいたら要注意と思ってください。
キスで感染する?
主な感染経路は空気感染ですが、キスのような細菌保有者に密接に接触してしまうものは高確率でうつるでしょう。
恋人が結核を発症した場合は要注意です。
結核菌の潜伏期間および発症する確率は?
結核は感染してから発病するまでだいたい6ヶ月~2年くらいと言われているようですが、感染しても必ず発症するわけではありません。
感染した人の免疫力次第では発病を10年単位で抑え込める人もいるので、潜伏期間がものすごく長くなる人もいます。
また、感染した人が発症する確率は完全なる統計がとれているわけではなさそうで、確かなデータは見つかりませんでした。
現代日本では5~15%くらいの人が発症していると解説する人が多いので、おそらくはそのぐらいの数字に収束するのではないでしょうか。
ただし、発症する可能性のある人は2年以内に症状が出てくるようです。
過労・栄養不足・他の病気・加齢などで免疫力が低下すると発症する確率が高まっていきます。
予防方法は?
日本の場合はBCG接種を行うことが基本となっております。
結核菌の感染を受けていない人に結核菌の毒の力が弱い菌を入れることで抵抗力を身に付けるというものです。
1歳になるまでに受けることが義務付けられていますが、これを行うことで発病の確率が5分の1にまで低下すると言われているので、非常に有効な方法となっているのです。
しかし、この予防接種の効果は10~15年と考えられているので一生その力で守られるわけではなさそうです。
また、結核は空気感染で完全に防ぐのは非常に難しいです。
しかし、発病まで間があるものなので、発病する前に結核の治療薬を飲んでもらうことで結核菌を発病前に退治することができると言われております。
この治療薬による予防法は発病リスクが半分以下にまで低下するのでオススメと言えるでしょう。
検査・診断方法は?
結核の検査方法及び診断方法は、結核菌が存在しているのかどうかを調べることです。
その方法はいくつかあります。
塗抹検査・培養検査・遺伝子検査などその他にも色々とありますが、結核菌そのものが増えるスピードが遅いので培養検査をした場合は、結果が出るまで何週間もかかってしまうでしょう。
また、発病しているかどうかのチェック方法として、胸部X線撮影を行って怪しい影ができていないのかを確かめますので、上述した精密検査は胸部X線撮影の後となるようです。
ただし、人によっては胸部X線写真の撮影ができないので、皮膚が赤く反応するツベルクリン反応を試すとか、インターフェロンガンマ遊離試験という血液検査によって判明されることも多々あるようです。
このように結核を検査する方法や診断する方法はいくつもありますので、病院によって方法は異なってくるでしょう。
特に、初期の結核では症状のない人の方が多いので、周りで結核を発症した人がいた場合は、定期的に検査を受けるようにしましょう。
結核に感染したらその後は?
結核に感染してもすぐに発病するわけではなく、吸い込まれた菌は基本的に肺の中で増殖を開始し、力を蓄えるようになります。
人体はこれに対しての免疫を作って対抗するため、結核菌は高確率で抑え込まれるようになるのです。
抑え込まれた結核菌は冬眠状態になるのですが、あくまで冬眠ですので、免疫力が落ちることで増殖を再び開始して発病する確率が高まっていくのです。
ただし、発病した人がそばにいて感染した可能性があると気が付けた人は、感染しているかの確認のために病院に行くと良いでしょう。
発病前段階の方が治療がスムーズに行きますし、発病して抑え込むよりははるかに楽な治療になりますので、発病しないから感染していると解っているけど放置ということはやめた方がいいでしょう。
感染者数の推移は?
この病気にかかる確率ははるか昔と比べると格段に低下しております。
10万人に対する罹患率データがネット上に存在しているのですが、これによると日本の場合は1962年くらいには400人はいたのですが、そこから罹患率が急激に低下していき、1980年には60人くらいにまで抑え込むことに成功したのです。
しかし、ここからの下降曲線も急激に緩やかになり、20人以下からなかなか減少していないようです。
この結果は他の国と比べると高めとなっております。
アメリカやカナダは5人以下になっており、比較的高めのイギリスでも15人以下なので、日本は結核になる人が他国よりは多いようです。
結核死亡率も同じく1950年代から急激に低下しつつあるのですが、アメリカやオランダなどの国と比べると若干高めの状態が続いております。
結核の感染症法とは?
感染症法とは「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の略称で、要するに医療に関する感染者の法律となっております。
もともと、結核は結核予防法というものがあったのですが、保健所や医療機関では対応困難な状態になっていたことで、感染症法が改正されたと言われているのです。
この改定によって結核予防法を廃止して結核を感染症法に位置付けるようにして、統合的な感染症対策に組み込むこととなりました。
この法律には「人権尊重」や「最小限度の措置の原則」等が記載してあるので、人権意識の高まりによる影響も含まれているものとなっております。
潜在性結核感染症とは?
潜在性結核感染症とは結核菌が体内にあっても発症していない感染状態のことです。
つまり、発症していないけど結核に感染してしまった人と考えてください。
症状が出ていないことから調べる方法も発症者とは異なる部分があります。
例えば、クォンティフェロンTBゴールド検査やELISPOT法のT-スポット検査というものを行うことになるのです。
ここでしっかりと検査を行い発症していなくても感染していることが確認されれば、感染予防を行うことができるので発症する前に結核をある程度封殺することができるようになります。
100%抑え込めるようになるわけではなさそうですが、放置するよりははるかに安心ですので、発症者がそばにいた人は必ず感染確認を行っておきましょう。
結核につきましては次のページも参考にしてください。
結核の感染経路につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
大塚製薬 結核の感染経路と意外な感染場所
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では結核の感染力や潜伏期間など症状以外の部分に触れてきました。
結核に関するデータというのは他国と比べると何故か日本だけ高めになっており、まだまだ封じ込めができていないことが見えてきます。
それこそ、戦後すぐの日本や幕末時代と比べると発症確率も死亡率も激減しましたが、データを見ると分かるようにゼロになったわけではないのです。
そのため、あなたの周りでも発症してしまっている人がいるかもしれません。
結核はある程度症状が進めば血痰など、普通の風邪では考えられない症状をもたらすようになりますが、最初のうちは微熱や咳など軽い風邪症状と同じ状態になるので、殆どの方が気が付かないものなのです。
その間に他の人たちにうつしてしまっている可能性が大きいので、発症していないだけで実は感染しているという人は思った以上に多いのかもしれません。
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