結核の初期症状は咳や喉の痛み?鼻水や胸の痛み・高熱も?
咳や喉の痛みなど結核の初期症状について
結核は昔と比べて発症例も死亡例も減少しましたが無くなったわけではありません。
そのため初期症状を理解しておくことは無駄ではないのです。
咳・鼻水・胸の痛みなど考えられるものは色々とありますが、果たして他にもどのようなものなのでしょうか?
本記事ではこの結核の初期症状および進行した場合の症状などについてまとめていきたいと思います。
結核の初期症状は咳や喉の痛み?
結核の初期症状は非常に解り難いです。
なぜなら咳・発熱・痰・倦怠感・喉のイガイガ感や痛みなどの風邪の症状に似ているからです。
肺炎やインフルエンザなど他の呼吸器官の病気と違って初期症状が非常に軽く、発症した人でも結核とすぐに気が付ける人は稀でしょう。
ただし、風邪と違って1週間程度で症状が治まるものではないので、その時点で何かがおかしいと気が付くことができると思います。
放置し続けることで症状が進行するようになるので、咳が酷くなってきたり、血痰が出るようになるのです。
肺結核はゆっくりと進行する病気なので、深刻な症状が出て診察を受けた時にはかなり重症化しており、急いで治療を開始する必要がある状況の方もいます。
鼻水が出ることも?
結核症状がある方は熱や咳といった症状が主体であり、気管支系の症状がよく出るようにはなりますが鼻の症状は基本的に出ないと言われております。
そのため、鼻水の症状が出ている場合は風邪の可能性が高いでしょう。
ただし、風邪をひいているということは免疫力が落ちているサインでもあるので、発症する確率は通常の人たちよりも高めになります。
場合によっては風邪と結核を同時に発症していることも考えられるので、人によっては結核になって鼻水症状が出ることもあるかもしれません。
胸の痛みが出ることも?
結核の症状を解説している医師の方々の意見を統括すると初期症状の中には胸の痛みはあまり含まれていないようです。
胸に痛みの症状が出るのはある程度症状が進行してきてから全身の倦怠感や血痰、そして胸の痛みといったものが出るようになると言われております。
そこから症状がさらに悪化すると咳もひどくなって、呼吸困難になってしまうこともあるでしょう。
肺を包む膜に病変が及ぶようになってしまうことで、痛みが生じるようになるのですが、胸内側の壁の膜は炎症が発生することで痛みが出るようになるので、炎症による影響が発生しているとも考えられます。
高熱が出ることも?
結核になると微熱が出て下がらない状態が続くようになります。
そのことから、結核になった場合の初期症状の多くに「熱」や「微熱」という文字が加わるのです。
実際に、結核になった方が出る熱は37~38度程度の動くことが可能なレベルの熱が多く40度になることは少ないと言われております。
ただ人によっては朝起きた時は37~38度だったけど、体力が低下していくことで熱も上がり始めて、夕方以降は40度近い高熱になる方もいます。
また、この熱は寝ている時も治まらないことが多く結核症状が出ている方は寝汗が著しくなることもあります。
熱を下げるために、寝ている間も汗をかくことになるのでしょう。
稀にですが、人によっては全く熱が出ないタイプの方もいて、そのような人は症状も軽めになるとのことです。
BCGワクチンを受けたことがある人で発症してしまった人は軽症になるので、熱が出ないこともあります。
結核が進行した時の症状は?
結核が悪化した時の症状は風邪のような咳や痰、そして軽い発熱からは症状がかなり変わってきます。
肺に炎症の影響が強く出るようになるので、胸の痛みが強く出るようになって呼吸もし辛くなるでしょう。
すると、だるさの症状も出るようになって、血痰が出始めるようになり、喀血つまり血を吐くことすらあります。
また、ある程度症状が進行しているということは結核菌が体内で猛威を振るっているということなので、他の合併症を引き起こす確率も上がります。
例えば、気管支の粘膜に影響が出るようになることで気管支喘息が発生することもあるでしょう。
人によっては、気管支喘息の治療でステロイドを使用することで免疫力が低下して肺に潜んでいた結核菌が活発化してしまい、肺結核になることも考えられます。
このように合併症を併発することで、使える薬の数が減り治療が難しくなることも問題となっております。
赤ちゃんにみられる結核の症状は?
結核菌の感染による症状は大人の場合は風邪の症状と似たものが発生するのですが、子供の場合は小さいほど症状が目立たない傾向にあるとのことです。
そのため、何となく食欲が低下したとかやる気が無くなったといった分かり難い症状が出るようになるのです。
しかし、大人の場合は結核菌によって肺結核になることが多いのですが、子供や赤ちゃんの場合は虫垂神経系に影響を及ぼす髄膜炎になってしまうことがあるので重症化しやすいのです。
このように赤ちゃんや子供の場合は発症しているのかどうかが分かり難いので、まずは感染させないようにすることが大切です。
咳がいつまでも止まらないとか、不機嫌な状態がいつまでも続くという症状があるのなら一度病院で診てもらうとよいでしょう。
診断方法について
結核の診断方法の主体はインターフェロンガンマ遊離試験になるでしょう。
この検査の概要はBCG菌や非結核性抗酸菌には無い結核菌特異的タンパクを抗原として血液中の免疫系細胞を刺激します。
そして感染者の抗原特異的なT細胞の免疫反応(IFN-γ産生量もしくは産生細胞の数)を測定する検査となっています。
この検査によって感染していることを調べるようです。
ただし、感染していたとしても発症しているかどうかは別の検査をすることになります。
発症しているかどうかの判断は胸部X線撮影検査か結核菌検査の2つで、肺に影が出ていることが分かればCTスキャンで再度精密検査を行い発病しているのかを診ることになるようです。
治療法について
結核になってしまった人はすぐに治療を開始することになりますが、その治療方法は薬物療法となります。
薬物療法も今ではある程度短期で治療できる薬が作られたので、半年ほど飲み続けることで症状を封じ込めることができるようです。
ただし、あくまで症状を抑え込むことができるようになっているだけで、結核菌を完全に消滅できるわけではありません。
そのため、症状が出なくなったとしても2年間は経過観察を続けることになるでしょうし、かなりの年数がたって免疫力が低下する年齢になることで再発することもあります。
基本的な考え方は投薬治療ではありますが、一度発症してしまった方は結核菌と一生涯付き合っていく必要があるので、医師の説明をしっかりと聞いて症状を封じ込め続ける必要があるでしょう。
入院が必要?治療にかかる費用は?
結核を発症した人は、症状の軽い重い関わらず基本的に入院となります。
なぜなら、発病した人はすでに結核菌をたくさん把持している状態なので、症状が軽くても他の人に結核をうつさせないようにするために入院させることになるのです。
つまり、退院できる状態というのは結核がしっかりと治って他の人たちに感染させない状況が整ってからとなります。
この入院には法的な拘束力が存在するので、あらがうことはできないのです。
ただし、発病していても「排菌」していない場合は通院治療になるとのことです。
基本的には高確率で入院となると考えましょう。
なお、この結核の治療費用は感染症法によって国や自治体からの医療費補助を受けられるようになっておりますので、ある程度は安くできます。
具体的に結核医療費公費負担制度の一般患者に対する公費負担(法第37条の2)から判断すると、結核医療の基準によって行う化学療法や検査においてかかる費用、そして通院または診療所への収容及び処置や治療費は「結核の医療費の自己負担額が原則として医療費の5%」となるようです。
結核につきましては次のページも参考にしてください。
結核の症状につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では、結核の初期症状や他の症状についてまとめてまいりました。
結核は昔と比べて発症例も減り、重症化して死亡する例も減りましたが無くなったわけではありません。
そのため、できる限り発症しないように努める必要があります。
これは免疫力や体力が落ちている人たちが発症する確率が高く、体力や免疫力がある人は感染していたとしても発症しないことがあり、いつ感染したのかわからないけど数年後に発症するという例もあります。
そのため、まずは感染予防を行って発症しないように免疫力を高める生活をしていきましょう。
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