胃潰瘍の食事治療は?納豆・そば・牛乳・お酒が良い?
納豆・そばなど胃潰瘍の食事について
胃潰瘍になった場合に必ず指摘されるのが食事内容の改善です。
その胃潰瘍には納豆やそばや牛乳が効果的という説がありますがそれは果たして真実なのでしょうか。
本記事では胃潰瘍の食事治療として、どのような食べ物がいいのかなど食事全般ついてお伝えしたいと思います。
胃潰瘍の食事療法として納豆が良い?
胃潰瘍になってしまった場合に必要なのが日常生活の改善や食生活の改善です。
この時におすすめできる食べ物の一つに納豆があります。
納豆にはデンプンを分解する酵素であるアミラーゼ、脂肪を分解する酵素であるリパーゼ、たんぱく質を分解する酵素であるプロテアーゼなどの消化酵素が含まれているため胃での消化を助けてくれます。
その他にも女性に起こりやすい更年期障害や骨粗鬆症などを予防する大豆イソフラボンが含まれているため、胃潰瘍以外にも非常に役立つ効果があり、すごくおすすめできる食べ物と言えるでしょう。
胃酸の分泌を抑えて胃の粘膜を保護する力がある納豆は胃潰瘍予防としても積極的に食べるようにしましょう。
そばが良い?
胃潰瘍において大切なことは胃酸を減らすことであるため、胃酸が増える要素のある食べ物は禁止となります。
それではそばはどうかというと、消化吸収に時間がかかるものなので良くありません。
似たようなものでは中華麺やスパゲッティーも避けるべき食べ物です。
逆に軟らかく煮たうどんは食べても良いものに該当するので、どうしても麺類が食べたい場合はうどんにしましょう。
一説では少しならそばを食べても大丈夫としているところもありますが、より確実な選択をするならば、ここは控えたほうがいいでしょう。
牛乳が良い?
胃潰瘍における牛乳の摂取の意見は割れていて、飲んだほうがいいという説と飲んではいけないという説があります。
まず飲んではいけないという説では、牛乳を飲む瞬間はいいけれど牛乳は脂肪分を含むのでその後胃酸が出やすくなるから良くないというものです。
特に夜寝る前に飲むのは症状が悪化するので絶対にやってはいけないとされています。
それ以外にも「牛乳が胃の障害に有効、というのは全くの迷信」と強い言葉を残している人もいるようです。
逆に牛乳がいいという人は牛乳は胃酸を中和して胃粘膜を保護する力があるから胃潰瘍の患者には飲んだほうがいいと押しておりました。
そしてストレスで胃潰瘍になった人たちにとって牛乳のカルシウムはストレスを和らげる効果があることも力説しています。
非常に悩ましいものではありますが両方とも筋が通っている気がするため判断に困ります。
しかし良くないと説明する人がいることから、より確実な選択をするという点で控えたほうがいいのではないかと考えます。
お酒は良い?
一部の病気において少量の酒でしたらすすめられることもありますが、胃潰瘍に限ってはその類ではありません。
基本的に胃潰瘍になってしまった場合はお酒は控えるべきです。
理由は簡単で胃の粘膜を覆っている粘液中のたんぱく質がアルコールを摂取することで固まってしまい破壊されてしまうことと、胃液の分泌を刺激して胃液を増やしてしまうからです。
この2つは胃潰瘍において絶対防がなければいけないことなので、お酒は禁止です。
医師からも胃潰瘍になった場合には間違いなく禁酒を言い渡されることになるでしょう。
常日頃お酒の量が多い人は胃潰瘍に気を付けましょうね。
食事制限すべき食べ物と良い食べ物は?
胃潰瘍になった時の食べ物の良し悪しを何個か説明しましたが、それ以外にもできる限り控えたほうがいい食べ物はたくさんあります。
胃潰瘍の状態になっている人は胃の状態が究極的に荒れている状態といえるので、胃に対して優しい食事が大切になります。
基本的に守るべきことは消化のいいものを食べる・ゆっくり食べる・規則正しい時間に食べる、この3つになります。
消化の良いものという話になると脂質は避けた方がいいと多くの方々が理解していますが、食物繊維が多いものも実は良くないということを知らない人は多いので注意してください。
おおざっぱに制限すべき食べ物を記載しますね。
・冷たすぎるものや熱すぎるもの
・すっぱいもの
・からいもの
・かたいもの
・炭酸飲料やコーヒー、お茶
オススメな食べ物はヨーグルトやひじき、納豆やアーモンド、キャベツやほうれん草がまず挙げられます。
ビタミンAやEは胃を修復する作用がありますので、ほうれん草やウナギ、かぼちゃやにんじんは重宝されます。
菓子類の場合はプリンやゼリーあたりはまだ食べられますがケーキやチョコレートは良くないですし、菓子パンも避けるべきものとなってしまいます。
胃の刺激に繋がる梅干しやお酢も避けた方がいいでしょう。
胃腸風邪につきましては次のページを参考にして下さい。
治療時の食事の総合的な考え方
食生活を改善するにあたって、胃潰瘍を治すためにどのようなことをしたらいのかを考えるのがいいでしょう。
つまり「胃に負担をかけない」ものがベストということです。
一行で書くと非常にシンプルなのですが、より掘り下げていくと胃の活動を促進するものは駄目ということで、硬いものが良くないことが見えてくると思います。
それ以外にも先ほどあげた食べてはいけないものは胃に刺激を与えるものであるため、避けるべきものとなるのです。
そこから考えた場合、消化に優しいものを食べることがベストであるということに自然に行きつくでしょう。
調理をする時も切り方を小さくしたり、油の量を減らしたり、やわらかく煮込んだりしてあげるといいですね。
またよく噛んで食べることも重要で、口の中で細かくかみ砕いて食べ物を消化しやすい状態にしてあげましょう。
退院後の食事のポイントは?
胃潰瘍で入院していた場合に、退院後の食事の内容について色々と助言を頂くことになると思います。
その内容は先ほどの食事の総合的な考え方に基づいたものに近いのではないでしょうか。
もう一度要件を書き表すと、消化に良い食品を消化に良い調理をする・胃酸の分泌を高めるものは控える・食事はゆっくりとよく噛んで食べる・冷たいものや熱すぎるものはとらない、とる場合は一気に飲まない・食後はできる限り休息をとるといったところでしょう。
これらを意識した食生活をして、たばこをやめたり適度な運動を行うようになれば健康体に戻るまでの時間は早まるでしょう。
胃潰瘍の食事に宅配は有効?
宅配と聞いた場合にラーメンやピザを思い浮かべるかもしれませんが、病気療養食を宅配しているところもあるのです。
これは住んでいる地域や管轄する地域であるかないかが別れるところではありますが、胃潰瘍になってしまい食事を作るのがどうしてもしんどいという方は、一度自分たちの地域の地域包括支援センターや社会福祉協議会あたりに問い合わせを行って胃潰瘍に対する病気療養食を取り扱っているところがあるのかを確認しましょう。
胃潰瘍に関しましては次のページも参考にしてください。
胃潰瘍とストレスの関係や症状は?仕事が原因なら労災?
胃潰瘍の原因【ストレス・ピロリ菌・薬・酒・食生活・喫煙】
胃潰瘍の手術の方法は内視鏡?手術時間や費用・入院期間は?
胃潰瘍の症状【背中・めまい・便秘・下痢・発熱】をチェック
胃潰瘍の症状や原因・治療法および薬の種類と副作用
胃潰瘍での食事につきましては次のサイトも参考にしてみて下さい。
公益社団法人 千葉県栄養士会 胃潰瘍の人の食事
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
今回は胃潰瘍に対しての食事の考え方や一部食品に対する考え方についてお伝えしました。
食事が楽しみな人にとっては食事制限は非常に苦しいものだと思いますが、だからといって我慢ができずに症状が悪化してしまい食事ができない体になってしまっては元も子もありません。
そのため、辛い期間ではあるでしょうが早く治せば元通りの生活に早く戻れると思って食事制限を乗り切っていきましょう。
また、胃潰瘍になってしまった人の一言で「お酒がだめなのはわかっているのだけれど、食事制限や日々のストレスがあまりにもひどすぎるから一杯ぐらいは自己責任で飲んでしまった」というものがあり、かなり哀愁漂うものとなっていました。
こうならないためにもやはりならないように予防することが大切ですね。
本記事が胃潰瘍に対する参考となり、皆様のお役に立てるものになれば幸いに思います。
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