十二指腸潰瘍の原因【ピロリ菌・お酒・ストレス】子供も危険?
ピロリ菌・お酒など十二指腸潰瘍の原因について
十二指腸潰瘍の原因はピロリ菌やお酒、ストレスなどがあると言われています。
最近では子供でも発症するケースがあるようですが、それは何故なのでしょうか?
今までは大人の病気というイメージが強かった十二指腸潰瘍ですが、その常識はもはや古いのかもしれません。
子供はお酒は飲まないので、ピロリ菌やストレスが原因なのでしょうか?
本記事では大人も子供も含め、十二指腸潰瘍の原因についてお伝えしたいと思います。
十二指腸潰瘍の原因について
まずは十二指腸潰瘍の原因として考えられるものを挙げていきたいと思います。
ピロリ菌
胃潰瘍の原因として騒がれているピロリ菌ですが、十二指腸潰瘍の原因にもなっているのです。
この十二指腸潰瘍の原因の約95%がピロリ菌と言われているためピロリ菌に感染しているかどうかは非常に重要になります。
ピロリ菌は、胃の粘膜に生息している、らせん形をした悪い菌のことなのですが、ピロリ菌の感染が放置されてしまうと十二指腸に胃の粘膜がくっついて胃酸が流れ込むようになり十二指腸潰瘍になってしまうのです。
また、ピロリ菌が生成するタンパク質は十二指腸の粘液を減少させる力があるので、それも潰瘍の原因となっています。
このピロリ菌は胃の中の尿素を分解してアンモニアを作りだす「ウレアーゼ」という酵素を使って強い酸性状態にある胃の中のような環境下でも生き延びることができてしまうので、感染してしまったら放置していてもほとんど治りません。
お酒?
十二指腸潰瘍の大きな原因はピロリ菌の感染にありましたが、他の要因と重なることで発症する確率が上がります。
まず考えられるのが刺激物の摂取です。
これはお酒の飲みすぎや喫煙が該当します。
大量のお酒は十分な刺激物となって十二指腸の粘膜を傷つけて胃酸を過剰分泌させるようになります。
この胃酸の過剰分泌は十二指腸の粘膜が傷つけられる可能性が高くもなるので、粘膜にとってお酒は最悪と言えるわけです。
その他にもコーヒーの過剰摂取や強い香辛料の入っている辛すぎる料理を食べ過ぎても十二指腸の粘膜を傷つける可能性があるので注意が必要です。
ストレス
ストレスによるダメージの表現に胃が痛くなるといったものがありますが、ストレスが原因で胃潰瘍になりやすくなります。
それと同じように十二指腸潰瘍もストレスによってなりやすくなるのです。
ストレスにもいろんなものがありますが肉体的・精神的に強いストレスを感じると胃液が過剰分泌されるようになってしまうので、十二指腸の粘膜が傷つく確率が上昇して十二指腸潰瘍になりやすくなってしまいます。
もともとはストレスが最大の原因とされてましたが、ピロリ菌に感染している人が発症するケースが非常に目立っているため今ではそこまで重要視されていません。
しかし、一番の原因にはならなくても十二指腸潰瘍をつくりやすくしてしまうのは事実であるため、ストレスが溜まっているかどうかは気を付ける必要があるでしょう。
子供が十二指腸潰瘍になる原因は?
ストレス社会で生きている大人の病気という印象が強い胃潰瘍や十二指腸潰瘍ですが、近年では子供でも発症するケースが相次いでおり年齢に関係のない病気になりつつあります。
どのような子供がなりやすいかというと、やはりピロリ菌に感染している場合はなる確率がかなり高くなるようです。
特に注意が必要なのが家族でピロリ菌に感染している人がいるかどうか、または十二指腸潰瘍になったことがある人がいるかどうかで、なった人がいる場合は他の人と比べて十二指腸潰瘍になる確率は上がってしまいます。
それ以外にも子供の社会でもストレスはあるため精神的ストレスが溜まり込んでしまうと、ピロリ菌とも合わさって発症してしまうケースもあるでしょう。
症状について
十二指腸潰瘍の症状は食欲不振・空腹時の痛み・下腹部がおかしい・お腹の上の痛み(キリキリする)・胸焼け・口臭が臭い・下痢といったものがあります。
これらは十二指腸潰瘍でよくみられる初期症状です。
胃潰瘍とよく比較される十二指腸潰瘍ですが、一番の違いは空腹時の痛みの頻度と言われており、夜間の睡眠中や朝方にお腹が痛くなることが多いようです。
なぜ痛みが空腹時に発生するかというと、胃粘膜と比べて十二指腸の粘膜は胃酸に対しての抵抗力が低いため空腹時に胃酸によるダメージを受けやすいのです。
また、ある程度症状が進行すると吐血や下血という出血が発生するようになります。
この出血に伴って脈拍の乱れや血圧低下、激しい痛みが発生することもあるでしょう。
検査方法について
一般的な検査方法はバリウムを飲んでレントゲンをとる検査です。
これは食道・胃・十二指腸で異常がないかを確認する診断となっていて胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃がん・食道がんを発見するのには欠かせない検査となっています。
それ以外にも内視鏡を用いた胃カメラ検査を行うケースもあり、複数の医師が超小型テレビカメラを使って胃の状態を確認して病気になっていないかのチェックを行います。
最近では患者への負担が少ない検査として経鼻内視鏡という口の代わりに鼻からスコープを挿入する方法が注目されていて、いずれはこちらが主流になるかもしれません。
主流な検査方法は上記二つになります。
治療方法は?
十二指腸潰瘍の治療方法は症状が軽いならピロリ菌の除菌と薬物療法及び生活習慣改善と食生活改善になりますが、症状が重いなら手術となるでしょう。
重症となる具体例は十二指腸に穴があいている場合や吐血や下血がひどくて出血がとまらない場合が該当します。
ピロリ菌に感染していない場合はピロリ菌の除去はありませんが、たいていのケースは感染していることがほとんどなので薬物療法と合わせてピロリ菌の除去が行われることになるでしょう。
薬物療法では十二指腸の防御機能を高める薬や胃酸の分泌を抑える薬が用意されますが、必ず完全に治るまでは薬を飲み続ける事が必須となります。
稀に症状が軽くなって自己判断で薬を飲むのを止めてしまうケースがありますが、指定期間飲まないと完全に回復した状態にはならずに再発する危険性があるので絶対に自己判断で止めてはいけません。
入院するケースでの期間や費用は?
価格ドットコムというサイトに病気になった場合、入院するといくらかかるのかを示しているページがあります。
こちらを参考にしてみると、胃潰瘍や十二指腸潰瘍で入院した場合1日当たりの医療費が35,100円で、入院している期間は手術すると21.3日、手術をしないと16.0日、平均すると18.7日となります。
これらを単純にかけ算すると656,400円となります。
ただし、これは保険による3割負担を考慮していない金額なので、実際には約20万円となります。
この金額は様々なデータの平均値から算出されたものとなっておりますので、かなり信憑性の高い数値と言えるでしょう。
もちろん、十二指腸潰瘍は入院しないケースも多々あるので、これほどの費用が必要にならないことも多いですが、入院することになった場合はこれの位が目安になるかと思います。
胃潰瘍と十二指腸潰瘍の違い
胃潰瘍と十二指腸潰瘍は症状も似ていて原因も同じであるケースが多いため違いはそんなにあるわけではありません。
そのような中で、代表的なものとしては十二指腸潰瘍の場合は空腹時に胃が痛くなって食事を摂ると治まることが多いのですが、胃潰瘍では食後の方が痛んだり空腹時に痛みは少ないけど食後から痛みだすケースもあるので、そこから違いに気が付く人もいるようです。
十二指腸潰瘍に関しましては次のページも参考にしてください。
十二指腸潰瘍の症状【背中の痛み・吐き気・下痢】死因にも?
十二指腸潰瘍穿孔は緊急手術が必要?腹膜炎の危険がある?
十二指腸潰瘍の手術方法は内視鏡?時間や入院期間・費用は?
十二指腸潰瘍の治療【薬・食事・入院】と期間や費用
十二指腸潰瘍は死因に?症状や原因・治療・食事法について
十二指腸潰瘍につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
最後に
以上、いかがでしたでしょうか?
本記事では十二指腸潰瘍の原因についてお伝えしてまいりました。
十二指腸潰瘍の主な原因はピロリ菌でストレスやお酒と合わさるとなりやすくなるということでしたね。
また、もし発症してしまったらバリウムや胃カメラで検査を行い、治療法としては症状が軽いなら薬物とピロリ菌除去、症状が重いなら手術が行われるということでした。
そして胃潰瘍と十二指腸潰瘍は症状が似ているのですが、空腹時と食事後の痛みの現れ方が異なることが多いこともわかりましたね。
本記事が十二指腸潰瘍における参考として皆様のお役に立てるものになれば幸いに思います。
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