ピロリ菌の除去【除菌】で副作用や失敗はあるの?
ピロリ菌除去の流れと除菌失敗のケースや副作用について
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、慢性胃炎といった症状がある場合はピロリ菌に感染しているケースが多いです。
ピロリ菌に感染していると胃がんになる確率が高まると言われており、ピロリ菌に感染している場合は除去【除菌】した方が良いわけですが、その際に副作用はあるのか?あるいは失敗があるのか?や費用についてなど気になると思われる所を記載したいと思います。
ピロリ菌除去【除菌】時の副作用について
ピロリ菌除去にあたっては薬が使われますが、薬を服用することで次のような副作用が確認されています。
最も多いのは、下痢・軟便です。
その他、胃もたれ、口内炎、味覚異常、じんましん、かゆみ、逆流性食道炎、血便などがあります。
副作用が出た場合は、病院に行きお医者さんに相談しましょう。
じんましんにつきましては次のページをご参照ください。
ピロリ菌の除去に失敗することはあるの?
上記副作用により除菌治療を途中で中止したり、指示されたとおりに薬を服用できなかったりという他、適正に除菌治療を行った場合でも、除菌に失敗する可能性があります。
二次除菌まででの成功率は90%以上と言われており100%ではありません。
数パーセントの人は除菌が上手く行きません。
二次除菌に失敗した場合はお医者さんとの相談になりますが、多くの病院では、患者さんの希望によって三次除菌、四次除菌と治療を続けていくことができます。
一次と二次の除菌は保険が適用されますが、三次除菌以降は保険がききません。
従いまして一次二次除菌の時にしっかり決められたとおりに薬を服用することが重要です。
また薬を服用し忘れたりすると、ピロリ菌に耐性がついてしまう可能性もあります。
そういった点も踏まえて確実に薬を服用しましょう。
副作用として出ることのある口内炎につきましては次のページをご参照ください。
アルコールの飲酒やタバコの影響は?
アルコールを摂取すると、胃酸分泌が多くなり、抗生剤の効果が下がるとされています。
つまり、ピロリ菌の除菌が十分に行われず除菌に失敗する可能性が高まるということです。
一次除菌からアルコールの摂取を控えたほうが良いでしょう。
加えてコーヒーもアルコールと同じく、胃酸の分泌が多くなりますので避けた方がいいでしょう。
コーヒーを我慢できない人はココア、紅茶、緑茶などでしのぎましょう。
タバコも避けるべきです。
非喫煙者に比べると、喫煙者の方が、除菌の失敗率が高くなることが分かっているそうです。
アルコールを控えた方がよい症状にパニック障害や無呼吸症候群などがあります。
これらの症状につきましては次のページをご参照ください。
ピロリ菌除去前の検査について
ピロリ菌は、胃の強い酸の中でも生きることができる菌で、胃の粘膜に住みつきます。
普通の細菌は胃に入った場合、胃酸で殺菌されますが、ピロリ菌は胃の中にある尿素をアンモニアに変える酵素を持っています。
作られたアンモニアによって胃酸は中和され、ピロリ菌は殺菌されずに生き残ります。
検査方法には3つあります。
呼気検査
先に記載したピロリ菌が尿素をアンモニアに変える時に二酸化炭素が発生する性質を利用します。
尿素の入ったカプセルを服用する前と、服用後10~20分に吐く息を採取してそこに含まれる二酸化炭素の量を調べます。
血液検査
血液を抜き取ってそこにピロリ菌に対抗する抗体が含まれているかどうかを調べます。
内視鏡検査
内視鏡で潰瘍を調べるとともに、胃粘膜も採取してピロリ菌を培養して調べます。
各検査方法にそれぞれ良い面がありますが、この「内視鏡検査」は医師が直接胃の粘膜の状態をチェックでき、また胃の粘膜を採取して、その中に存在する細菌を培養してピロリ菌かどうか確認するので信頼性が一番高いとされています。
更にどの抗生物質が効くかという検査も行える点もあり標準的なピロリ菌診断法となっています。
胃腸の症状に胃腸風邪があります。胃腸風邪に関してましては次のページをご参照ください。
薬について
ピロリ菌は自然治癒力によって除去されるのは難しいと言われています。
それ故、通常ピロリ菌の除去には薬を使います。
ただ除菌率は現状100%ではありません。
ピロリ菌の除菌には次のように3種類の薬があります。
胃酸の分泌を抑える薬
ボノプラザン、ランソプラゾール、ラベプラゾールナトリウム、オメプラゾール、エソメプラゾールなど
様々な細菌の発育を抑える薬
アモキシシリン水和物、アモキシシリンなど
ピロリ菌に対しての抗菌作用を高める薬
クラリスロマイシン、メトロニダゾールなど
基本的な方法は上記3種類それぞれの中から1つずつ薬を選び、組み合わせるというやり方です。
そして朝夕の食後に1週間服用します。
組み合わせによって除菌確率が変わります。
例えば上記①から「ランソプラゾール」②から「アモキシシリン水和物」③から「クラリスロマイシン」で組み合わせた場合の除菌率は85%以上と報告されています。
これは基本的なやり方なのですが、最近では上記3種類の中の薬から選ぶのではなく、パックになった武田薬品工業さんの「ランサップ400」やエーザイさんの「ラベキュアパック」などが使われるようになってきています。
薬を服用した結果、もし効果が現れない場合は薬を変え2次除菌を行います。
下痢に関する内容につきましては次のページをご参照ください。
結果の判定について
ピロリ菌除去の薬を服用した後4週~8週後に結果の判定が行われます。
1次除菌での一般的な成功率は70~80%2次除菌まで含めると90%以上の確率で成功することが確認されています。
ピロリ菌に感染していると一部の方において胃がんが見られるようです。
癌に関する内容につきましては次のページをご参照ください。
ピロリ菌の感染ルートについて
ピロリ菌の感染ルートは、はっきりと分かっていません。
ちなみに日本人の50代以上の70%以上の人がピロリ菌に感染していると言われています。
ピロリ菌は衛生状態の悪い所で感染すると言われていますが、この年代に感染者が多いのは衛生状況があまり良くなかった時期に井戸水や水道水を飲んだことによって感染したものと考えられています。
また母親がピロリ菌に感染していて、口移しで子供に食べ物を与えた場合も、感染の危険があります。
ピロリ菌は、免疫力のまだ弱い5歳位までに、口から感染すると言われているので、幼い子供に家族感染させないよう注意が必要です。
万一子供に感染した場合ですが、基本的に子供の間は除菌の治療は必要ありません。
何も症状がなければ成人してから検査・除菌するのがいいようです。
ちなみに基本的にピロリ菌は大人になってからは、免疫力が高く感染しないとされています。
ですので大人同士のキスなどで感染することはありません。
つまりピロリ菌保有者は幼少期に感染したと考えられます。
感染による代表的な症状に風邪がありあます。
風邪に関する内容につきましては次のページをご参照ください。
ピロリ菌除去後に出得る症状
除菌成功後に胃酸が食道に逆流する逆流性食道炎が起こることがあります。
その他には胸焼けなどを感じたりしますが、一時的なものが多いです。
また、傾向的に肥満やコレステロール上昇などの生活習慣病になりやすいところがありますので、注意が必要です。
あと、除去したとはいえ胃がんが発見されることも傾向としてありますので、楽観視せず定期的な検査は受けるようにした方がいいです。
肥満やコレステロールの上昇は高血圧や脳梗塞、心筋梗塞といった症状のリスクを高めます。
これらの症状につきましては次のページをご参照ください。
再発について
再発の確率は2%以下と言われています。
そしてピロリ菌は色々な疾患の原因になっていると言われています。
最も代表的な疾患は胃潰瘍や十二指腸潰瘍です。
その他、胃がん、胃MALTリンパ腫、慢性胃炎、特発性血小板減少性紫斑病、鉄欠乏性貧血、慢性じんましんなどが関係していると言われています。
従いまして、再発の場合も、また除去しておいた方がいいでしょう。
貧血に関してましては次のページをご参照ください。
費用(保険適用・実費)について
まずピロリ菌の検査が保険適用になる場合には条件があります。
それは胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、血小板減少性紫斑病、早期胃がん術後の確定診断ができていれば保険適用となります。
保険適用外の場合の料金の目安は以下の通りです。
保険適用の場合はこの金額の3割負担とお考え下さい。
ちなみに3回目以降の除菌は保険適用外になります。
①検査
呼気検査 8,000円
呼気検査+血液検査 10,000円
内視鏡検査 18,000円
内視鏡検査が最も信頼性が高いと言われていますが、どの検査を行うかや実際の費用などは、行かれる病院に確認して下さい。
②一次除菌費用
診察および薬 15,000円
③一次除菌後検査
診察および検査など 7,000円
④二次除菌費用
診察および薬 12,000円
⑤二次除菌後検査
診察および検査など 7,000円
「はげ」に関する内容につきましては次のページをご参照ください。
LG21ヨーグルトはピロリ菌を減少させる?
ピロリ菌を死滅させる方法の一つにLG21のようなピロリ菌に強いヨーグルトを摂取することが挙げられます。
このLG21とはガセリ21菌とも呼ばれており、これは他の乳酸菌よりも胃の中に留まる時間が長くピロリ菌と長時間にわたって戦ってくれるので、非常に効果があるヨーグルトといわれております。
胃酸はかなり強力な酸で普通の菌ではこの胃酸に耐えることはできません。
しかし、ピロリ菌はこの胃酸に対してめっぽう強いので胃酸では死なないのです。
このLG21も胃酸にとても強いという特徴があるのでピロリ菌対策としては最も効果があると説明する医師も多いのです。
ピロリ菌の除去につきまして、次のサイトも参考にしてみて下さい。
とよしま内視鏡クリニック ピロリ菌の除菌と検査方法について
最後に
ピロリ菌が確認された場合は薬による除菌治療が行なわれます。
一次除菌で除去される割合は70~80%です。
二次除菌ではその割合は90%以上となっています。
薬による副作用は下痢や軟便など軽いケースが多いですが、じんましんや血便などもあり、お医者さんと相談しながら進めていくことになります。
ピロリ菌の検査方法としては呼気検査、血液検査、内視鏡検査の3つがあり内視鏡検査が最も信頼性が高いとされています。
数%のケースにおいて2次除菌まで行っても失敗に終わることがあります。
その場合お医者さんと相談の上になりますが、三次四次と除菌を進めることが可能です。
アルコールやタバコ、コーヒなどは除菌に影響を及びかねないので、除菌の際は控えた方が良いでしょう。
ピロリ菌除去後、逆流性食道炎を起こしたり、生活習慣病になりやすいところがあり、また胃がんが発見されることもあるので、定期検査は受けられた方がいいです。
ピロリ菌除去後の再発率は2%以下です。
再発した際は色々な疾患が起こらないようピロリ菌を再び除去しておいた方がいいでしょう。
ピロリ菌の検査や除菌の保険は条件によって適用される場合とされない場合があります。
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