風邪の種類と治し方(薬や食べ物・妊娠中や授乳中の場合)
色々なケースの風邪の治し方について
風邪の治し方について記載したいと思いますが、風邪といっても人それぞれ。
またその時々で症状は違います。
発熱・咳・鼻水・のどの痛み、胃腸風邪やおたふく風邪など。
そして風邪の種類といった角度とは別に妊婦さんや授乳中のお母さんが風邪をひくというケースもあり、この場合はまた治し方が変わります。
本記事では色々なケースの風邪の治し方について触れたいと思います。
おたふく風邪の治し方
おたふく風邪は、4~5才頃にかかることが多く、発症年齢は約85%が15歳以下とされています。
症状は耳の前下にある最大の唾液腺である耳下腺や顎下腺が腫れるというものです。
原因は【ムンプスウイルス】というウイルスによる感染です。
このウイルスは耳下腺や顎下腺に感染するという特徴を持っているので、ほっぺたが膨れるのです。
感染経路はツバなどを介してうつる飛沫感染で、かなり感染力が強いです。
感染率(感染して発症する率)については3~4歳で90%、全体では70%となっています。
ムンプスウイルスに感染してからおたふく風邪の症状が出るまでの潜伏期間は約2~3週間です。
この潜伏期間にも感染します。
おたふく風邪の治し方は残念ながら特効薬がなく、自然に治るのを待つことになります。
通常であれば1~2週間で回復します。
ただ顎下腺の腫れは少し引きにくいところがあり、2~3週間腫れることもあります。
回復するまでの間に、症状によって対処療法が行われたりします。
例えば高熱が続き危険な場合には解熱剤を使ったり、耳の下の痛みが激しい場合には痛み止めなどが使われたりします。
ちなみにおたふく風邪は予防接種を受けることができます。
1歳から受けることができ、10歳までに受けるのが望ましいです。
大人もおたふく風邪にかかることがあり、大人の場合は耳下腺や顎下腺の腫れに加えて、40度近くの高熱が出たり、髄膜炎や精巣炎などの合併症が出たりします。
ですので、今までに予防接種を受けていなかったり、おたふく風邪にかかっていなかったりした場合は予防接種を受けておいた方がいいでしょう。
その他、おたふく風邪の詳しい内容につきましては次のページをご覧下さい。
胃腸風邪の治し方
胃腸風邪というは感染性胃腸炎のことで、主にノロウイルス、アデノウイルス、ロタウイルス(6歳以下の場合)といったウイルスの感染によって起こるものです。
主な症状は激しい腹痛や下痢、激しい吐き気や嘔吐で、発熱、関節痛、頭痛を伴う場合もあります。
原因はウイルスによって多少違いはありますが、このようなウイルスを持った人の嘔吐物や便、くしゃみや鼻水などからの感染です。
ただ感染しても症状が出ない人もいて、その違いは免疫力の高さです。
免疫力を下げる最も大きな原因はストレスです。
ですので胃腸風邪にならない為には日頃からストレスを溜めないよう、しっかり解消しておくことが大切です。
その他の免疫力が落ちる原因としては食べ物もあります。
血液は骨髄で作られますが、造血にあたってはビタミン12や葉酸、ビタミンCなどしっかりとした栄養が必要になります。
バランスの悪い食事をしていると十分な血液が作られなくなり、免疫力が落ちます。
また睡眠不足などによる疲れがあると血行が悪くなりますので、免疫力は落ちます。
ちなみに子供の場合はどうしても大人に比べると免疫力が低いですので、大人よりも胃腸風邪になりやすいところがあります。
では胃腸風邪の治し方ですが、こちらも特効薬がありません。
従いまして自然に回復を待つ形になります。
症状が酷い場合は対処療法が行なわれます。
例えば脱水症状が酷い場合などは点滴が行なわれたりします。
胃腸風邪の回復期間ですが、個人差はありますが、発症から概ねノロウイルスの場合は1~2日、アデノウイルスの場合は2~7日、ロタウイルスの場合は5~7日で治ります。
その他、胃腸風邪の詳しい内容につきましては次のページをご覧下さい。
熱・咳・鼻水・のどの痛みなどの風邪の治し方
誰もが経験したことのある、発熱や咳、鼻水、のどの痛みといった風邪の基本的な症状の治し方についてです。
症状に違いはあれ、風邪の原因の約9割はウイルスによる感染です。
ということは根本的に治すにはこのウイルスを退治しなければなりません。
ちなみに病院で処方される薬や市販薬には抗ウイルス薬は入っていません。
どういうことかというと風邪薬というのは症状を根本的に治すものではなく、少しでも楽になるように症状を緩和させるものなのです。
では根本的に治すには?というとウイルスを退治するのは自分の体の免疫になります。
つまり免疫力を高め、ウイルスを退治するのが根本的な風邪の治し方になります。
では免疫力を高めるにはどうすれば良いかというと①睡眠をしっかり摂り、規則正しい生活を送る(但し、かなりしんどい場合は、普段よりも多めに休息を取りましょう)②免疫力を低くするストレスを排除する③体を温めるといったことになります。
体を温める方法としては服などは勿論ですが、適度な運動を行なうことやお風呂の湯船に浸かるなどが効果的です。
但し38度以上の高熱がある時やしんどい時は運動やお風呂の湯船に浸かるのは控えましょう。
その他の熱・咳・鼻水・のどの痛みなどの風邪の治し方の詳細は次のページをご覧下さい。
体を温める方法としましては次のページをご参照ください。
冷え性の症状と原因や改善法(ツボ・漢方・グッズ)
冷え性対策! 食べ物や飲み物
風邪で熱が下がらない原因
風邪をひいて熱が出て、その熱がなかなか下がらないというケースもしばしばあります。
その最も大きな原因はなかなか免疫力が上がってこないからということが考えられます。
免疫力を高める生活を心がけましょう。
ただ、熱が5日以上続く場合は、肺炎など風邪以外の原因も考えられます。
このようなことも考慮して早めに病院を受診しましょう。
その他、風邪における熱に関することにつきましては次のページをご覧下さい。
市販の風邪薬のランキング
熱・咳・鼻水・のどの痛みなどの風邪をひいた時に根本的に改善させるのは自分の免疫ということをお伝えしましたが、できれば少しでも早く楽になりたいと思うものだと思います。
その方法として風邪の症状を緩和させる風邪薬があります。
基本的には薬を服用する場合、病院を受診して薬を処方してもらう形になりますが、手段の1つとして市販薬があります。
市販薬を選ぶ際、どの市販薬を選ぶのが良いか分からなかったりしますので、1つの目安として、現在売れている市販薬を紹介したいと思います。
何れの薬も効能・効果は「のどの痛み、せき、鼻みず、鼻づまり、くしゃみ、たん、頭痛、発熱、悪寒、関節の痛み、筋肉の痛み」といった総合的な風邪の症状になります。
①パブロンSゴールドW錠 【大正製薬】
②ベンザブロックS錠 60錠【武田薬品】
③バファリンかぜEX錠 45錠 【ライオン】
④新エスタックイブエース 27錠 【エスエス製薬】
⑤ベンザブロックLプラス錠 45錠【武田薬品】
⑥ルルアタックEX 12錠 【第一三共】
市販の風邪薬のランキングの詳細につきましては次のページをご覧下さい。
風邪をひいた時の食べ物
風邪をひいた時はお腹がすかなかったりすると思います。
これは人間の体は満腹時よりも空腹時の方が免疫力が高まるということや食べ物を摂ると消化・吸収されますが、この活動で体力を消耗しないようにということが考えられるようです。
従いましてお腹がすいていない時は無理に食べない方が良いです。
とは言え、全く食べないという分けにもいかないので、消化が良く、免疫力を高めてくれる食べ物を摂るのがおすすめです。
消化の良いものとしてはお粥やうどんがあります。
免疫力を高める食べ物としては、免疫細胞を作るたんぱく質の他、体を温める食べ物、抗酸化作用のある食べ物が挙げられます。
たんぱく質の中でも風邪に効果的なのは卵、レバー、うなぎなど、体を温める食べ物をいくつか挙げると生姜、ネギ、レンコン、ニラ、にんじん、かぼちゃなどなどがあります。
抗酸化作用のある食べ物としてはビタミンA(しそ、モロヘイヤ、にんじん、パセリなど)やビタミンC(パセリ、ピーマン、ブロッコリー、レモンなど)があります。
くれぐれも少し食べられるようになったからといって、食べ過ぎはいけません。
胃や腸は弱っていますので、少しずつ食べるようにしていきましょう。
風邪をひた時の食事のメニューに関しては次のページをご参考にしてみて下さい。
免疫力を高めるには自律神経の働きを整えておくことが最も大切です。
自律神経に関しましては次のページをご参照ください。
自律神経を整える方法 ツボ・アロマ・運動・食事・呼吸法
自律神経失調症の症状と原因と改善方法【治し方】
自律神経失調症を改善する食事は?
自律神経失調症とは?症状は?痛みや吐き気・ほてりなど
妊婦が風邪をひいた時の影響について
妊娠中に風邪をひくとお腹の赤ちゃんへの影響が気になってしまいますよね。
どのような影響があるかですが、まず熱が出た場合は通常の発熱では問題ありません。
ただ40度以上の高熱が3日以上続いた場合はお腹の赤ちゃんへの影響が懸念されますので、高熱が出た場合はすぐに病院を受診した方が良いです。
咳も通常の咳であれば問題ありませんが、激しい咳の場合はお腹に力が入り、早産になる可能性が出てきますので、ちょっと咳が酷いなという場合は、早目に病院を受診しましょう。
次は下痢の場合ですが、ちょっとした下痢は問題ありませんが、1日に何回も下痢をしたり、何日も下痢が続いたりした場合、腸が活発に動くので、このことが子宮に影響を与え、早産に繋がる場合があります。
従いまして下痢が酷いなと感じた場合も、早めに病院を受診しましょう。
その他、妊娠中に風邪をひいた場合の対処などにつきましては次のページをご参照下さい。
授乳中に風邪をひいた時の対策について
授乳中にお母さんが風邪をひいた場合、薬を服用すると母乳に影響が出ると聞いたことがありますよね。
風邪でしんどい中、薬を飲めないとなると、さらに気分が憂鬱になってしまいそうですね。
でも実際のところ、お医者さんに授乳中であることをしっかり伝えれば、それに合った薬を処方してくれます。
もちろん自分の体の自然治癒力のみで治そうとう考え方も良いかと思いますが、病院を受診した方が、つらさを緩和させながら治せる可能性が高まります。
そして処方される薬について、念のためにお医者さんに赤ちゃんへの影響を聞かれておくと安心かと思います。
受診する科ですが、産婦人科でも内科でも良いかと思います。
ただ病院によっては、授乳中の方を受け入れたがらない所もあるようなので、事前に電話をして授乳中である旨を伝えて行かれるのがより確実かと思います。
あと自宅でできる対策として次のようなものがあります。
①こまめにうがいをする
②マスクをする
③体を温める
④部屋を加湿する
⑤鼻呼吸を行なう
⑥ハチミツ大根を飲む
⑦のど飴をなめる
頭痛薬としてロキソニンが有名ですが、この薬を服用した時の母乳を飲んだ赤ちゃんへの安全性は確立されていないので服用は控えた方が良いです。
葛根湯は基本的に影響はないと考えられますが、副作用に関しては稀に赤ちゃんに顔のほてりや頻脈などの症状が出ることがあると言われているなどゼロではないので、服用される場合はお医者さんに処方されたものにした方がいいです。
その他、授乳中に風邪をひいた時の対策については次のページをご参照下さい。
風邪の時にお風呂はダメ?
風邪を引いている時に意外と迷うのがお風呂です。
ネット上でも入った方がいいという意見から、入らない方がいいという意見まであり賛否両論となっております。
結論から言うと、嘔吐症状やひどい下痢症状が出ている場合や、38度以上の高熱があり悪寒や倦怠感がひどいという場合は入らない方がいいでしょう。
熱がそこまで高くなくてもぐったりとしている状態ならば避けましょう。
それ以外である程度動けるような状態ならば、体を冷やさないことと体力を消耗しないことを前提として入った方が回復は早まる可能性は高いです。
そのためにも、ぬるま湯にして脱衣所を暖め、お風呂から上がったらすぐに体を拭いて湯冷めをさけ、水分補給を行うようにしましょう。
清潔にして発汗作用を促し血行促進もできれば回復速度も高まるのです。
一般的な風邪の治し方につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
えんどう耳鼻咽喉科クリニック 風邪に対する考え方(4)風邪を早く治すには?
最後に
風邪には、一般的な発熱・咳・鼻水・喉の痛みの他、おたふく風邪、胃腸風邪などがあります。
そして何れも最終的に改善させるのは免疫力など自分の体の中に備わっている自然に回復させる力ではありますが、それぞれの風邪の種類毎に症状を緩和させる対処法があります。
そして風邪の種類によってだけでなく、妊婦さんや授乳中にの場合も、対処法が変わりますので、自分の状況に合った対処法を取って、より早い回復につなげていきましょう。
LEAVE A REPLY