おたふく風邪は潜伏期間にうつるの?大人・妊婦は危険?
おたふく風邪の潜伏期間の感染や大人や妊婦の感染について
おたふく風邪は子供のうちにかかるケースが多い病気ですが、どのように感染するのでしょうか?
症状の出る前の感染源が体内に潜伏している期間でもうつるのでしょうか?
また大人・妊婦さんが感染した場合の重症度は高まったりするのでしょうか?
本記事では、このような疑問に対することを含め、おたふく風邪に関する情報を記載したいと思います。
おたふく風邪の症状や感染経路!潜伏期間でもうつるの?
画像出典:http://www.miyake-naika.or.jp/
おたふく風邪は正式には流行性耳下腺炎(りゅうこうせいじかせんえん)と言います。
4~5才頃にかかることが多く、発症年齢は約85%が15歳以下とされています。
症状は耳の前下にある最大の唾液腺である耳下腺や顎下腺が腫れます。
ご存知のように「お多福」みたいな顔になるので、おたふく風邪と呼ばれています。
約75%の人は左右両方が腫れますが、残りの25%くらいの人は片方だけ腫れると言われています。
その他の症状としては咳、鼻水、発熱などがあります。
原因は感染力の強い【ムンプスウイルス】でこのウイルスは耳下腺や顎下腺に感染するという特徴を持っています。
感染経路はツバなどを介してうつる飛沫感染で、かなり感染力が強いです。
感染率(感染して発症する率)は3~4歳で90%、全体では70%と言われています。
ムンプスウイルスに感染してから発症するまでの潜伏期間は約2~3週間です。
この潜伏期間にも感染します。
感染力が強いのは、発症1~2日前から発症後5日までの期間とされ、感染力が強いため、基本的に感染を広げないよう自宅療養する必要がありますが、腫れが引くと感染する心配はほぼなくなります。
2012年より、学校保健安全法施行規則では、症状発症後「耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫脹が始まった後5日を経過し、かつ、全身状態が良好となるまで」学校の出席は停止としています。
おたふく風邪が流行する時期は?
おたふく風邪の流行する時期は今までは春から夏の季節にかけてでした。
入園や入学時期にウイルスを持った子供から広がっていたということが考えられますが、最近では入園・入学前に予防接種をするケースが多くなった為か、この時期に流行するということはなくなってきているようです。
しかしながら最近はおたふく風邪は時期に関係なく1年中感染する病気となっています。
花粉症も最近は春に限らず起こるようになってきています。
しかも子供がなるケースも増えつつあります。
花粉症につきましては次のページをご参照ください。
花粉症の時期は?病院での薬・注射などの治療法や対策は?
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おたふく風邪のワクチンについて
「おたふく風邪ワクチン」による予防接種があります。
おたふく風邪は2歳以降にかかる病気なので、それ以前に予防接種を受けることが好ましいです。
おたふく風邪ワクチンは2回接種することが推奨されており、1回目を1歳から2歳の間に接種し、2回目を4~6歳頃接種するというのが1つの目安です。
予防接種にあたっては精巣炎を合併する可能性が10歳以降に高くなると言われており、遅くとも10歳以前にワクチン接種を受けることが大切です。
ちなみに、おたふくかぜワクチンを接種した場合に副反応が起こる場合もあります。
耳下腺腫脹が約1%、無菌性髄膜炎が2,000~3,000人に1人の割合で起こるとされています。
耳下腺腫脹は自然に治るものですし、無菌性髄膜炎の症状は発熱、全身のけん怠感、せき、筋肉痛、頭痛、嘔吐などがみられますが、こちらもほとんどの人は1~2週間以内に回復するとされています。
予防接種の料金は市区町村によって違うようです。
一般的には5,000円~7,000円で、一部公費助成を行なっている地域ですと1,000円~4,000円で受けられるところもあるようです。
「せき」や「頭痛」のことに関しましては次のページも参考にしてみてください。
ためしてガッテン せきの止め方は?ハチミツ?
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おたふく風邪の治療について
おたふく風邪には現在特効薬はありませんので、安静にして自然に回復するのを待つことになります。
通常は1~2週間で自然に回復します。
ただ顎下腺の腫れは少し引きにくいところがあり、2~3週間腫れることもあるようです。
回復するまでの間に症状によっては対処療法が行われたりします。
例えば高熱が続き危険な場合には解熱剤を使ったり、耳の下の痛みが激しい場合には痛み止めなどが使われたりします。
おたふく風邪がうつるのを予防するには?
おたふく風邪の予防法として最良なのは予防接種を受けることですがその他、日常で気をつけることを挙げたいと思います。
「おたふく風邪」の主な感染経路は飛沫(ひまつ)感染と接触感染です。
飛沫感染は、せきやくしゃみなどによって飛び散ったウイルスを口や鼻から吸い込むことで感染するというものです。
接触感染は、感染した人がウイルスのついた手で、ドアノブや服などに触れ、それを周りの人が手でさわり、口や鼻に触れることで感染するというものです。
従いまして感染を防ぐたには、日頃からしっかりと手洗いやうがいを習慣づけることが大切です。
インフルエンザの予防法の基本は手洗いとうがいです。
インフルエンザに関しましては次のページをご参照ください。
インフルエンザ予防接種の効果はあるの?期間は?
インフルエンザ脳症の症状と予防法は?
インフルエンザワクチン 2015年度は4種類の4価
髄膜炎など合併症のリスクについて
おたふく風邪を発症した場合、約10%の人において無菌性髄膜炎という合併症を引き起こす場合があります。
症状や回復については上記の「ワクチンについて」の項で記載したとおりです。
他の合併症としては、難聴(約1万5千人に1人の割合で、片側(希に両側)の耳)が起こったりしています。
ほとんどの場合、腫れがひいていくのに従い徐々に回復していきますが、希に回復せずに難聴が残るケースもあるようです。
その他には睾丸炎・卵巣炎、膵炎、甲状腺炎、腎炎、心筋炎、前立腺炎などの合併症の例が過去にあるようですので、何か体におたふく風邪以外の症状が現れた場合は早めにお医者さんに相談するのが良いでしょう。
子供が感染により発症しやすい症状に「手足口病」や「リンゴ病」「ノロウイルスによる嘔吐や下痢」などがあります。
これらに関する内容につきましては次のページをご参照ください。
手足口病の感染力はいつまで?経路や大人の対策は?
りんご病の症状とかゆみについて 大人の場合は?妊婦は?
ノロウィルスの症状 幼児と子供と大人の予防法
ためしてガッテン ノロウィルス対策となる消毒液や食品
おたふく風邪に大人が感染した場合
先におたふく風邪の発症は85%が15歳以下と記載しましたが、大人もムンプスウイルスに感染しますし、しかも大人になってからの方が重症化しやすいところがあります。
耳下腺の腫れは酷く痛みも伴い、40度近くの高熱が出たりします。
そして次のような合併症が起こることがあります。
合併症が疑われる場合は早急に病院で診てもらう必要があります。
髄膜炎
激しい嘔吐が続いたり、激しい頭痛が起こったりします。
10人に1人の割合で起こるとされています。
脳炎
激しい嘔吐や頭痛の他、意識障害やけいれんなどが起こったりします。
500人に1人くらいの割合で起こるとされています。
膵炎
激しい腹痛や胃痛、嘔吐などが起こったりします。
精巣炎・睾丸炎
男性の場合です。
発熱、陰嚢部の酷い腫れや激しい痛みが出ます。
症状は片方だけのケースが多いようですが、左右共に発症する場合もあり、睾丸に大きな悪影響が及んだ場合は男性不妊になる場合もあります。
卵巣炎
女性の場合です。
激しい腹痛が起こったりします。
ただ卵巣炎になってしまっても不妊になることはほとんど無いようですが、やはり早めの受診と適切な処置が大切です。
7%の割合で発症するとされています。
その他の合併症として、心筋炎、肝炎、難聴、甲状腺炎、溶血性貧血などがあります。
子供がおたふく風邪になった場合は大人も感染しないよう特に注意が必要ですので、今までにおたふく風邪になっていない場合は、妊娠前に予防接種を受けておくのが良いと思われます。
大人の場合も抗体獲得率は90%前後と言われています。
ちなみに過去にムンプスウイルスに感染したけれども発症はぜず、抗体ができている可能性もあります。
病院で抗体検査ができますので、受けてみると良いでしょう。
貧血や甲状腺に関係するバセドウ病などにつきましては次のページをご参照ください。
貧血の数値【6,7,8,9,10など】と症状及び対策
悪性貧血とは?検査と所見は?
バセドウ病の初期症状や男性・女性・子供の病状と治療法
バセドウ病【甲状腺機能亢進症】の食事制限や量およびレシピ
バセドウ病で妊娠すると奇形児の心配は?薬やリスクは?
バセドウ病は治るのか?の完治率や治療期間は?
妊婦が感染した場合
妊娠中におたふく風邪にかかった場合に子供に障害が出たという例は今まで無いようです。
ただそうは言っても、先に記載している通り大人の場合は重症化しやすいので注意が必要です。
妊娠初期におたふく風邪になると流産の可能性が3割近くになると言われていますので妊娠の予定があり、今までにおたふく風邪にかかったことがない場合は予防接種を受けるなど(先に記載した通り病院で抗体検査ができます)十分な予防を行いましょう。
ちなみに予防接種は妊娠するとできませんので、妊娠前に行なっておく必要があります。
妊婦さんは風邪にも十分に気をつけねばなりません。
風邪に関する内容は次のページをご参照ください。
風邪の食事メニューは?のど風邪や子供や赤ちゃん用は?
胃腸風邪の原因はストレスや食べ物が原因?症状と治療法は?
風邪【喉・鼻水・咳・頭痛・熱】の治し方と効果的な食べ物
妊婦の風邪の影響は?熱・咳・鼻水・喉の痛みの治し方
風邪で熱が下がらない原因は?通常何日で下がる?
風邪の治し方
おたふく風邪に2回かかることもある?似た病気は?
様々な病気においては一度かかかっでも再発する可能性のあるものが多いですが、おたふく風邪は2回かかることはないので、大人になって発症したおたふく風邪と思われる症状は別の病気と考えた方がいいでしょう。
具体的に考えられるのは反復性耳下腺炎です。
これは片側の耳の下や頬が数日から数週間ほど腫れて37℃程度の熱が出るというものです。
熱が出ない人もいます。
発症頻度は成長するごとに低下しますが、30~40代の女性は発症しやすいようです。
特に疲労で体がかなり疲れている時は免疫力が低下しているので発症してしまう恐れがあります。
体力が無い時に口の中にいる常在菌が唾液腺に入って唾液管の末端が拡張してしまうことが原因なので、注意しましょう。
しかし、自分がおたふく風邪になったのかどうかが分からないから判別のしようがないという方もいます。
そのような場合は血液検査を行ってムンプスウイルスに感染したかどうか診断するといいでしょう。
おたふく風邪につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
NHK健康ch 危険な合併症も!おたふく風邪(おたふくかぜ)の原因や症状、治療法
最後に
おたふく風邪は4~5才頃にかかることが多く、発症年齢は約85%が15歳以下とされています。
原因はムンプスウイルスによる感染で、主な症状は耳下腺や顎下腺の腫れです。
ウイルスに感染してから発症するまでの潜伏期間は約2~3週間で、その期間にも人に感染します。
予防するワクチンは存在していて、1歳から受けることができます。
おたふく風邪の治療法は特になく、自然に回復するのを待つ形になります。
髄膜炎など合併症を引き起こす場合もありますので、何かしらおたふく風邪以外の症状が見られた場合は早急に医師に診てもらいましょう。
大人が感染すると重症化しやすいので、過去におたふく風邪になっていない人は予防接種を受けるなど、予防するのが好ましいです。
特に妊娠の予定がある場合は、子供への影響は今までないようですが、流産の可能性も高まりますので、予防しておくのが良いでしょう。
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