網膜剥離で失明する確率は?移植で回復?糖尿病から起こる?
網膜剥離で失明する確率や手術などについて
網膜剥離は失明の危険性がある非常に厄介な疾患です。
その失明する確率はどのくらいあるのでしょうか?
そして失明したとしても移植によって回復する可能性はあるのでしょうか?
本記事では網膜剥離で失明する確率や移植で回復することはあるのかを中心に、糖尿病から発生することもあるのかにつても触れてみたいと思います。
網膜剥離で失明する確率は?
あらゆる病気でもそうなのですが、症状の進行度合いによって症状の重さは酷くなり、治療が成功する確率も下がっていきます。
これは網膜剥離にも同じことが言えて放置期間があまりにも長くなり、失明してしまった場合は、治る見込みはほとんどないと考えた方がいいでしょう。
失明の状態になる前に網膜剥離の手術を行った場合は、現代医療も進歩しているため手術をすれば90~95%の確率で網膜を元に戻すことができ、失明することはほとんどないと言われています。
しかし、治療してだいたい1~3カ月の間は網膜がはがれやすい時期が続いているので目の酷使は危険といえるでしょう。
この期間は再発防止を考えて眼の負担にならない生活を心がけましょう。
網膜剥離で失明しても移植で視力が回復する?
先ほど、少しふれましたが、網膜剥離によって失明した場合は視力を回復することは基本的にできないと考えたほうが良いでしょう。
現行で行われているのは眼球の一部の角膜の移植であり網膜を移植したという話はみつかりませんでした。
もともと視神経は他の神経よりも再生能力が低いため移植したとしても繋ぐことはできないのではないかと言われています。
更には仮に繋がったとしても今まで通りの普通に見ることができるようになるかどうかは不明でしょう。
よく漫画やアニメでは視力が無くなった人に対して移植という手段を講じていますが、現実世界では網膜剥離による失明を移植によって回復したケースを見つけることができませんでした(世界中の症例くまなく探せばあるかもしれませんが…)。
網膜剥離による失明は糖尿病から起こる?
糖尿病と失明には密接な関係があります。
実際に糖尿病の合併症である糖尿病網膜症になってしまった人の失明数はかなり多く、日本における成人の失明原因としても1位となっていると言われています。
網膜には神経細胞や細かい血管が多数張り巡らされており、糖尿病患者の血糖値が高い状態による悪影響を強く受けけてしまうのです。
血糖値が高い状態が続くと血管が詰まりやすくなるので酸素が行きわたらなくなって、酸素不足になります。
それを防ぐために新しい血管を次々に増やそうするのですが、この新しい血管は古い血管と比べて非常にもろいため出血の頻度が高くなります。
そのため簡単に出血するようになって網膜にかさぶたが多数出現し、網膜剥離になりやすくなってしまうのです。
このようなことから糖尿病の患者は眼の症状が無かったとしても、眼科で検診を受けるように促されることがあります。
網膜剥離の症状
網膜剥離とはカメラのフィルムの機能がある網膜が剥がれてしまうことを意味しています。
この網膜が剥がれてしまうと、痛みが全くないのですが前兆として飛蚊症や光視症があらわれることがあります。
飛蚊症や光視症は言葉の通り、黒い蚊のようなものが見えるようになるものと光が突然見えるようになるものです。
しかし、これらの前兆症状はあらわれるかもしれないといったもので、全く出てこないこともあるので気が付かない間に進行していることがよくあるのです。
ある程度剥離の症状が進行してしまうと視野が減ってしまったり視力が急激に低下してしまうこともあります。
そして最悪の場合、視力低下ではなく視力が無くなってしまうこともあるのです。
このように失明してしまう恐れがあるので、網膜剥離の前兆を感じ取ることができたなら、少しでも早く診断を受ける必要があります。
網膜剥離は治るのか?
網膜剥離は網膜に孔が開いている裂孔の段階なのか、それとも剥離している段階なのかで対応が異なります。
裂孔の段階ならば孔が開いているだけなので、治療によりほぼ治るようですが、網膜剥離の段階にまで進んでいた場合は手術を行う必要性が出てきてしまうのです。
手術で治すことはできるでしょうが、見え方の回復が悪いといった後遺症が発生する確率も剥離にまで悪化していたら高いので、完全に治ったとは言いがたいでしょう。
なので、発見が早ければ早いほど治る確率は高いと考えられると良いでしょう。
これはあらゆる病気でも同じでしょうが、治療までの期間が遅くなればなるほど重症化してしまうので、完全な治療は困難になってしまうのです。
飛蚊症や光視症といった眼の異常があった場合は網膜剥離の前段階という可能性がありますので、一度検査をして診てもらいましょう。
手術の方法は?
網膜が剥離ではなく裂孔や裂け目といった症状で治まっているならレーザー治療で済む場合があります。
やり方はレーザーを裂け目や裂孔の周りにあてて瘢痕(はんこん:傷跡)をつくって接着する方法です。
このような処置は剥離が広がらなくなるため剥離にならなくて済みます。
しかしある程度症状が進んでしまっている場合は手術が基本となります。
日本で主流になっている方法は硝子体のなかに器具を挿入する硝子体手術、そして眼内に手術器具を入れないで眼球の外だけで治療するバックリング手術の2種類で、患者の状態に合わせて医師が最適な手術を選択することになるでしょう。
どちらも一長一短があるので片方のみが突出して良い分けではありません。
手術後に注意すべき点は?
網膜剥離の進行を止めるために手術を行った場合、大切なことは再び進行しないようにすることです。
基本的に網膜剥離以外の眼の病気を患っていない場合は手術をすれば90%以上の人は予後も問題はないようです。
また、再発する可能性の高い期間は2~3カ月と言われているので、その期間は眼を酷使するなどの無茶をさせるのは厳禁となります。
そのため3か月間はゆっくりと眼を休ませるようにしてください。
パソコンからも距離を置いてスマホを見る回数も最低限にするようにしましょう。
網膜剥離の原因について
糖尿病と網膜剥離について触れましたが、その他網膜剥離の原因は加齢・目への衝撃・近視の悪化といったものが主となるので、網膜剥離を避けるためにはこの原因から遠ざかる必要があります。
しかし、加齢に関してはどうしようもないので他の二つには特に気を付けるようにしましょう。
まず、加齢による原因とは年を重ねると硝子体が必ず収縮してしまうのでこれは防げません。
その時に網膜と硝子体がくっついてしまると引っ張られる形になって稀に剥離が発生してしまいます。
次に衝撃というのは瞬間的なものだけではなく、眼をこするといった小さなことの積み重ねも該当していて、眼に大きな衝撃を与えてしまう他、小さな衝撃が少しずつ蓄積していった場合にも網膜剥離になってしまう可能性があるのです。
そして近視の度が強い人は眼球の奥行きが普通の人の眼球よりも長くなりがちで、その影響で網膜が引っ張られてしまい網膜裂孔が発生することがあります。
この裂孔から剥離に繋がる危険性があるのです。
網膜剥離につきましては次のページも参考にしてください。
失明のことなど網膜剥離に関しましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
医療法人 王子総合病院 放置すると失明にいたる網膜剥離について
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では網膜剥離で失明する確率はどうなっているのか、移植で回復することはあるのか、糖尿病から発生するのは本当なのかをお伝えしました。
網膜剥離によって完全に失明した人を回復させる方法はかなり探したのですが、見つかりませんでした。
たいていの人が網膜剥離によって失明した場合、回復する見込みはないと説明しており、移植によって回復するといった事例を紹介したものは見つかりません。
そのために大切なことは失明する前に症状に気が付いて早めに手術を受けることしかありません。
仮に失明しなかったとしても視力の低下が始まっていた場合、その視力が元に戻らないことだってあります。
また、網膜剥離は高齢の方が発症する例は確かに多いのですが、若い年代でも発症することは多いので、初期症状及び前兆症状がどのようなものなのかをしっかりと理解して、万が一のために備えておくのがいいでしょう。
本記事が網膜剥離における参考の一つとしてお役に立ちましたら幸いに思います。
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