網膜剥離の手術方法【痛みを伴い怖い?】手術時間やリスクは?
網膜剥離の手術の方法や痛み・成功率などについて
網膜剥離は失明の危険性があるので例えリスクがあったとしても状況によっては手術を受けるようすすめられることでしょう。
その場合、手術は怖いと思う人も多く、どれくらい手術時間がかかるのかや、痛みはあるのかなど気になることと思います。
本記事では網膜剥離の手術は痛みを伴う怖いものなのか、手術時間やリスクはどのくらいのものなのかを中心にお伝えします。
網膜剥離の手術方法は?レーザー?
網膜剥離になる前段階として網膜に裂孔や裂け目ができていることがあります。
この状態が悪化すると網膜剥離になってしまうのですが、この段階の手術なら現代医療ではレーザー治療が適切と言われています。
これは手術というよりも治療と言えるもので、1時間以内に終わることが多い方法です。
そして痛みもほとんどなく日帰りが可能となっているため、最も好まれている方法となっています。
しかし完全に網膜剥離にまで進んでしまった場合はこの方法は使えないケースが多いです。
その場合は目の硝子体という部分の中に器具を挿入する硝子体手術、あるいは眼内に手術器具を入れないで眼球の外だけで治療するバックリング手術のどちらかを患者の状態に合わせて医師が選択することになるでしょう。
手術は痛みを伴い怖い?
網膜剥離による手術は麻酔するのが基本となっているので、痛みを伴うことはほとんどないようです。
逆に一番最初に行うことになる麻酔が一番痛いとすら言われています。
手術を経験した人の体験談だと手術中は大したことはないと公言していました。
そのため、手術が怖いとか痛いのは嫌だという人たちでも受けることができる手術と言えるでしょう。
怖がりの人たちでも耐えることができたという声もありますので、痛みを伴うことはほとんどないと考えたほうがいいでしょう。
ただし手術自体が怖いというなら話は別になってくるので、不安をぬぐいきれない場合はとにかくリラックスして、手術しない方が大変であると考え勇気を出すようにしましょう。
手術は全身麻酔する?
手術において必須ともいえるのが麻酔の使用になりますが、全身麻酔は体に大きな負担をかけるので基本は局所麻酔となっているケースが多いようです。
この部分は手術を担当する医師や病院によって考え方が変わってくる所なので、場合によっては全身麻酔を推奨されることもそれなりにあるでしょう。
他にも全身麻酔か局所麻酔かを選択できるケースもあるようです。
しかし医学的な問題で全身麻酔をするのが危険であると判断された場合は局所麻酔において対応することになります。
局所麻酔は眼球の後ろへ向かって麻酔薬を注入することになりますが、あくまで局所麻酔なので意識ははっきりした状態で行うことになるでしょう。
その時は絶対に顔を動かしてはいけません。
手術時間や入院日数は?
先に記載したように網膜剥離の主な手術方法は強膜バックリングと硝子体手術になるのですが、強膜バックリング手術は1時間前後で硝子体手術は2時間から3時間前後と言われています。
多少手術にかかる時間は変わってきますが、入院期間はほとんど同じと言われており、強膜バックリングは1~2週間で硝子体手術は1~3週間ぐらいかかるようです。
リスクと成功率
網膜剥離は完全に失明してしまってから手術をしたとしても、失明からの回復はほとんど期待できません。
そうなる前に早く手術を行うことが大切になります。
網膜剥離の手術における成功率は昔と比べてかなり上昇していて90~95%は手術で網膜を元の状態に戻せると言われているようです。
しかし症状があまりにも進行していると一回の手術では終わらないことが多いので2・3回眼の手術を行うこともあるようです。
ただし、患者が糖尿病などの網膜剥離になる因子をもっている場合は再発するリスクが高くなるため先ほどの成功率が多少下がってしまうでしょう。
そのため糖尿病などのリスクがある場合は、まずはそちらの改善に努めることも大切になります。
手術では日帰りも可能?メリットとデメリットは?
網膜剥離でもそこまで症状が重くない場合は、日帰りの手術も可能となっているようです。
具体的に日帰りの手術について詳しく説明をしている病院のホームページを見てみると、無縫合硝子体手術を日帰りで行っているという記載がありましたので、硝子体手術でも日帰りが可能となる時代になったようです。
メリットは日帰りなので、仕事復帰が非常に早く費用もそこまでかからないで済むことでしょう。
入院による拘束がないというのは金額的なメリットにもなりますが、時間的なメリットにもなりますので、待ち望んでいる人は多くいます。
デメリットはそこまで多くはありませんが、4日程度は通院する必要があること、手術当日は自分で運転ができなくなることなど、眼の手術をするのならよくあることが記載されております。
重度の全身疾患があって内科との連携が必要という方は入院した方がいいので、日帰り手術は受けない方がいいでしょう。
費用について
網膜剥離の手術費用がどうなっているのかを検証していきます。
まずかかる自己費用は3割負担となっています。
そしてレーザー治療のみの場合は5~6万円ぐらいと言われていますが、レーザー治療では済まない場合はもっと費用がかかるようです。
実際にかかる手術費用は手術単体なら3割負担で6万円ぐらいで済むようですが、手術の場合はたくさんの薬剤を利用してさらには一定の入院期間を要するので、その代金だけでは済みません。
それらを加味したうえで手術を行って退院するまでの費用を全てひっくるめると、だいたい20~30万円かかると考えたほうがいいでしょう。
また、加入している生命保険次第で手術給付金が出るケースもあるので、手術や治療が必要な場合は保険会社に問い合わせをすることを強くおすすめします。
手術後は何故うつ伏せ寝?
網膜剥離は手術を行った後に合併症を引き起こす危険性があるので、安静にすることが大切になります。
この時行われた手術が硝子体手術の場合はうつ伏せの姿勢を推奨されるようになるでしょう。
なぜならこの手術は網膜を内から押さえる為に眼の中に空気と無害なガスを入れているのでうつ伏せにしないと網膜を抑えることができません。
このうつ伏せの期間は使ったガスの種類や眼の状態によって変わってきますが、だいたい3~5日はうつぶせの状態になるようです。
では「食事のときどうするの!?」と思ってしまうかもしれませんが、起きている時も基本下を向いている必要があるので、食事の時も歯を磨くときも下を向くことになるでしょう。
しかし、これらの下向き姿勢は思ったよりも苦しものではなく、むしろうつ伏せでひたすら寝ている体勢でいるほうがつらくなるようです。
手術後の経過と生活の注意点は?
網膜剥離の手術によってはうつ伏せ生活も余儀なくされますが、それは網膜剥離を治すために必須な行動なので必ず守る必要があります。
それ以外にも術後2~3か月は最も再発する危険性がある期間と言われているので、たとえ退院したとしても3カ月以内は無理な運動や眼の酷使は自重するようになるかと思います。
おそらく退院する時に医師からその旨を説明されることになるはずです。
スマホやパソコンが大幅に普及したために目は酷使されやすい環境にありますが、しばらくは距離を置くことを心がけてください。
また、先にもお伝えしたとおり糖尿病などの網膜剥離になる可能性のある病気を患っている人はそちらの治療も確実に行うようにしましょう。
治療後半年~1年が経過して、再発していなければ安心であると考えられているので、再発を気にしている人は半年を目途とするようにしてみてはいかがでしょうか。
網膜剥離につきましては次のページも参考にしてください。
網膜剥離の手術に関しましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
公益社団法人 日本眼科医会 7.網膜剥離の検査と治療
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では網膜剥離の手術は痛みを伴う怖いものなのか、手術時間やリスクはどうなっているのかをお伝えしました。
手術は痛みを伴うものではなくむしろ麻酔のほうが痛いと言われているようなので、手術による痛みにおびえる必要はないと言えるでしょう。
しかし手術後のうつ伏せで過ごす期間がつらいという声が予想以上に多かったので、その部分について手術前に医師にどのように過ごせば楽になるのか確認するようにした方がいいでしょう。
また手術が遅れてしまうと失明の危険性があるのが網膜剥離なので、早めに手術を受けることが体的にも金銭的にも大切なこととなってくるかと思います。
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