発達障害の種類や特徴・診断基準・治療法および仕事や接し方
発達障害の症状や原因および病院の探し方【薬で治る?】
発達障害にもいろいろな特徴や種類があり、その種類によっては診断基準が異なります。
種類が違う場合は治療方法も異なってくるのでしょうか?
また、仕事の選び方や接し方も気にする人が多いことでしょう。
本記事では発達障害の種類や特徴を中心にお伝えしたいと思います。
発達障害とは?種類は?
発達障害はICD-10とDSM-4の考え方では広汎性発達障害・注意欠陥および多動性障害・学習障害・知的障害に分かれております。
このように細かく分類分けをされており、症状が異なる部分も多いのですが、共通的な症状として生まれつき脳機能がアンバランスで環境や周囲の人との関係を結ぶのが苦手で社会生活が困難になるというものがあります。
しかし、2013年に公表されたDSM-5では細かく分類分けをするという考え方はなくなって、自閉症スペクトラムという呼び名に統合されたのです。
ただし、日本の医師にこれらの情報が全て浸透し切っているわけではないので、どちらの呼び方もされており患者側は混乱するかもしれませんが、発達障害は一世代前の言い方で、自閉症スペクトラムは最新の診断名だと理解してください。
症状と特徴について
発達障害の特徴は障害の種類毎に記載致します。
例えば広汎性発達障害ならば視線を合わせることが苦手・音やにおいに敏感・偏食・言葉の発達が遅れることがある・会話が一方的になる・自分の気持ちを伝えるのが苦手といった特徴が出てくるでしょう。
次に注意欠陥や多動性障害の場合は不注意さが目立つようになり、落ち着きがないと言われることが増えます。
衝動性もあるので、興味があるものを発見すると授業中でもそっちのけになってしまうこともあるでしょう。
学習障害の場合は能力に偏りがかなりあり、計算は異常なまでの速さでできるのに漢字が苦手などの極端な差が出てきます。
読み書きが苦手な人が多くかなりの努力を要することになるでしょう。
情報処理能力がうまくいかないで図形や似たような漢字や文字などを理解することに苦戦することも多くなります。
乳幼児の発達障害の特徴は?
発達障害は大人になっても発症しますが、実は乳幼児でも発生することがあるのです。
発達障害は先天的な脳の異常なのですが、目に見えるようなものではないので生後すぐに発覚するものではありません。
この特徴が何となくですが出てくるのは、だいたい生後6ヶ月からと言われております。
最大の特徴は表情の起伏が少なく笑う回数が少ない、音への反応が鈍く物事への関心が薄い、非常におとなしく育てやすいということでしょう。
稀にだっこが大っ嫌いで母親に抱かれることすらもいやがるようです。
このような特徴がありますが、はっきり言ってその子供の性質だったりすることもありますので、これらの特徴のみで発達障害と断定させるのは難しいでしょう。
明確に発達障害であるとわかるのは、ある程度成長して幼稚園や小学校といった集団行動が必要になってからになります。
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発達障害の検査と診断基準
発達障害の方々はコミュニケーション能力が不足する傾向にあり集団生活においてのルールが守れずに孤立する傾向にあります。
そのため病院で診断を受ける方々もいるでしょうが、その診断は遺伝子検査や血液検査では分からないので、専門家の方々がアメリカ精神医学会の診断基準やWHOの診断基準を用いて判断するしかないのです。
生理学的な検査方法を確立することはできないと言われているため、診断する人の技量に左右されることが多くなります。
いわゆる医師の問診や行動観察から、心理検査や発達検査を行うようになるということです。
この検査から先ほどの診断基準にどれだけ当てはまるのかをチェックして、日常生活や社会生活に不適応になっているかを確認しつつ総合的に判断することになるでしょう。
治療方法は薬?病院の探し方は?
どのような障害かにもよりますが、一部の発達障害では薬を用いた治療を行うことがあります。
例えばADHD(注意欠陥多動性障害)の場合は症状を緩和する治療薬が存在しているので、症状が重い方はそれらを用いることになるでしょう。
また、自傷や他害といった攻撃的な行動傾向が強い方ならばそれらの攻撃的な行動を抑制するために薬を処方されることもあります。
アトモキセチンとメチルフェニデートという薬を使って神経伝達物質不足を補うこともあるでしょう。
ただし、治療の基本は心理教育と環境調整療法となるので、そちらが可能となる病院を探すことになります。
最もベストな方法は「発達障害情報・支援センター」のサイトから病院を調べて予約することになります。
発達障害の方との接し方
接し方はまずは発達障害であることを周りの人が理解してあげることです。
親の場合にはそこから改善を促すためにいろいろと手を尽くす必要があるでしょうが、あくまで他人ならば距離を置いて付き合う方法を身につけた方がいいでしょう。
つまり、人間性を無理やり直そうとするのは良くないということです。
本人が治そうと思っても病気ではなく障害なので簡単には治りません。
それを無理やり治させようとしたら確実に関係が悪化します。
あとは、予定を前もって伝えてあげると良いです。
また得意なことが何かあったりするので、それを伸ばせるように支援しましょう。
あいまいな表現は絶対に伝わらないので明確な日時や内容を伝えてください。
原因について【遺伝する?】
発達障害の原因は特定できておりません。
人によっては生まれた時から脳に異常が発生していることが原因だったりするので、環境要因はゼロであると説明する人もいれば、環境要因が半分以上だからしっかりと良い環境を提供してあげれば高確率で防げるという人もいるのです。
このように原因特定ができていないため、遺伝的な要因が原因の一部となっているという説も消えていないのです。
有力視されている説の中には先天的な遺伝要因がある人に環境要因が加わることで発症しているというものです。
親から子供に遺伝するという人もいますが、発達障害は単一の遺伝子が原因で起こる「メンデル型遺伝疾患」ではなく複数の遺伝子変化が原因という説の方が有力なので、親から子供に100%遺伝するということはないと考えられています。
向く仕事について
これは全て発達障害を背負っている人に当てはまるわけではありませんが、多くの方々に当てはまる傾向としてお話します。
基本的に対人関係が苦手なので人と接することが多い営業職やサービス業は合わないでしょう。
そして、臨機応変な対応が必要な管理職も厳しいでしょう。
逆に向いているのは、ルーチンワークが多い工場での組み立て業務といったものでしょう。
比較的繰り返し行う業務には向いている人が多いです。
経理などの仕事が得意な人もいるようです。
ただし、向いている仕事であっても社風で上手くいかなくなってしまうことも非常に多いので、仕事の内容のみで判断するのは難しいでしょう。
発達障害の方を受け入れる姿勢のある会社がおすすめです。
発達障碍者支援法とは?
発達障害者支援法とは比較的新しい法律で平成17年4月1日施行されたものとなっております。
その内容は自閉症やアスペルガー症候群などの広汎性発達障害や学習障害などの発達障害を持つ人たちへの援助内容などを定めた法律です。
発達障害の支援はこの法律ができる前までは知的障害者施策の一部だったのでアスペルガー症候群などの障害は対象外であり支援対象にはなっていなかったのです。
しかし、法律が整えられたことで障害が目立ちにくい発達障害の人達も障害者として支援を受けられるようになり、社会に出やすい環境になりつつあります。
就労の支援も整えられつつあるので、昔と比べると就職活動もしやすくなってはいるようです。
それでもハンデを背負っている状況には変わらないので、まだまだ友好的な支援活動が求められております。
発達障害に関しましては次のページも参考にしてください。
発達障害の種類や特徴につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
チャレンジド・アソウ 発達障害とは?症状の種類と特徴、子どもと大人の違い_仕事に就くためには
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では発達障害の種類や特徴などをまとめてまいりました。
発達障害に関する法律はできましたが、その効果で劇的に環境が変わったわけではなく、それでも苦しめられている立場の人たちはたくさんいます。
地域による温度差もかなり大きく、いろいろと苦慮されている人たちもたくさんいるでしょうが、親族に発達障害の方がいるのなら発達障害に関する法律を理解して、どのようなサポートが整っているのかを知るところから始めましょう。
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