コリン性蕁麻疹とは?温熱蕁麻疹とは?その違い
コリン性蕁麻疹と温熱蕁麻疹の症状とその相違点について
蕁麻疹にはいくつか種類がありますが、その中には似たような症状のものもあり、区別がつかなかったりします。
特にコリン性蕁麻疹と温熱蕁麻疹は体温が関係しており、どちらなのか分かりづらいところがあります。
本記事ではコリン性蕁麻疹とはどのような蕁麻疹なのか?温熱蕁麻疹とはどのような症状なのか?とその違いについて記載したいと思います。
コリン性蕁麻疹と温熱蕁麻疹の症状
まずはコリン性蕁麻疹と温熱蕁麻疹の各症状について記載いたします。
コリン性蕁麻疹の症状
画像出典:http://blog.livedoor.jp/rie730/archives/2007-02-17.html
コリン性蕁麻疹は、発汗によって起きる蕁麻疹です。
運動、入浴、熱いものや辛いものを食べた時、緊張した時などで汗をかいた時に、汗のかいた場所に1~3ミリ程度の小さな赤い膨らみの発疹が出ます。
この小さな発疹がたくさん出て融合し大きな膨らみになる場合もあります。
感じ方としてはものすごいかゆみの他、ピリピリとした感じが現れる場合もあります。
発疹は全身にあらわれますが、特に腕に出やすいです。
ちなみに手の平や足の裏には出ないです。
その他、腹痛、下痢、低血圧などが起こる場合もあります。
症状は通常数分から30分くらいで消えます。
10~30歳くらいの年齢で多く見られます。
温熱蕁麻疹の症状
温熱蕁麻疹は温かい水や温かい空気といった温かい刺激を体に受けることで起きる蕁麻疹です。
特に気温が低いところから高いところに移動した時に発疹が出やすいです。
具体的には運動後や入浴後、暖房にあたった後などに蚊に刺されたような赤みと僅かな腫れを伴った発疹が出ます。
感じ方としては最初は肌がピリピリする程度ですが、比較的早くにかなり強いかゆみになります。
そしてかゆみは長時間継続する傾向があります。
また発症部の皮膚の温度が40~50℃くらいに上がるのも特徴です。
その他、痙攣や脱力感を伴うこともあります。
減汗性コリン性蕁麻疹のことにつきましては次のページをご参照下さい。
コリン性蕁麻疹と温熱蕁麻疹の違いと見分け方
発汗によって起きるコリン性蕁麻疹と温かい刺激で起きる温熱蕁麻疹という違いがありますが、どちらで蕁麻疹が出てきているのか分かり辛いところがありますが、次のような違いで見当をつけることになるかと思います。
コリン性蕁麻疹・・・発汗によって起きる、通常は30分以内で消える、皮膚の熱は変わらない
温熱性蕁麻疹・・・温かいかい刺激を体に受けると起きる、長時間出る、皮膚の熱が40~50℃と熱くなる
その他の蕁麻疹のことにつきましては次のページもご参考にして下さい。
原因について
コリン性蕁麻疹と温熱蕁麻疹それぞれの原因について以下に記載いたします。
コリン性蕁麻疹の原因
原因は完全に解明されているわけではないのですが、次のような理由が原因の1つと考えられています。
体温が上昇して交感神経が活発になると副交感神経を働かせようとアセチルコリンという神経伝達物質が出てきます。
このアセチルコリンがアレルギー源となり皮膚や粘膜を構成している肥満細胞を刺激します。
すると、炎症を引き起こすヒスタミンという化学物質が分泌され、血管が拡張して、血管中の水分が染み出て皮膚が腫れ、かゆみが出てきてしまいます。
温熱蕁麻疹の原因
温熱蕁麻疹に関しましても原因が解明されていませんが、自分の体温よりも温かい物に触れたり、急に皮膚が温まったりした時に肥満細胞が刺激されコリン性蕁麻疹と同様、皮膚が赤く腫れ、かゆみが出てくると考えられています。
画像出典:https://www.immune.jp/allergy/base/food/q9.html
交感神経や副交感神経といった自律神経のことにつきましては次のページをご参考にして下さい。
自律神経失調症の症状とその原因と改善方法【治し方】
自律神経失調症とは?症状は?痛みや吐き気・ほてりなど
ピロリ菌の感染が蕁麻疹の1要因になると言われています。
ピロリ菌に関しましては次のページをご参照ください。
原因にはストレスも関係している?
コリン性蕁麻疹と温熱蕁麻疹は両者とも生活習慣が関わっているとされ、ストレスが何らかの影響をおよぼしていると考えられているので、できる限り心平穏な日常生活を送る必要性があります。
適度なストレスは良い刺激になりますが、極度な慢性的ストレスは体に悪影響を及ぼしますので、自覚されている方はできる限り自分なりに減らせる方法を見つけておきましょう。
治し方について
コリン性蕁麻疹の治し方
まずはコリン性蕁麻疹かどうかを確認するために病院を受診すると良いでしょう。
病院での治療としては「抗コリン薬の投薬」「抗ヒスタミン剤の投薬」「ステロイド薬の投薬」「免疫抑制剤の投薬」などがあります。
投薬による改善度合いは個人差があるようです。
薬を使う場合は副作用が考えられますので、医師に確認するといいと思います。
またコリン性蕁麻疹は10~30歳くらいの若い世代で多く見られることからも年齢とともにほぼ自然に治る傾向があります。
従いまして辛い症状ではありますが、何れは概ね治るものであれば、まずは薬を使わずにこの後の「生活習慣の改善について」の内容を試みてもよいかもしれません。
温熱蕁麻疹の治し方
こちらもまずは病院を受診し、温熱蕁麻疹かどうかを確認しましょう。
「抗ヒスタミン薬」や「抗アレルギー薬」などが処方されると思われます。
基本的に薬は一時的に症状を抑えるという位置づけになります。
薬を使う場合は副作用の確認を行なっておきましょう。
温熱蕁麻疹も年齢とともに治っていく傾向があるようです。
アレルギー症状のとしてアトピー性皮膚炎や紫外線アレルギー、花粉症などがあります。
これらの症状のことにつきましては次のページをご参照下さい。
生活習慣改善について
コリン性蕁麻疹の生活習慣改善
一般的には汗を出すことを継続することで、体を汗に慣れさせるのが有効とされています。
長めに湯船につかったり、ジョギングなど汗をかく運動をしたりということが挙げられます。
あと、あらゆる体に起こる異常は強いストレスや自律神経の乱れ、食生活の乱れ、睡眠不足、運動不足といった要因が関わっている可能性が高いものとなっています。
コリン性蕁麻疹も精神的ストレスや睡眠不足などは関係していると言われており、汗をかく習慣をつけることに加えて整った日常生活を送るよう心掛けられると良いかと思います。
あと対処法として、辛いなど刺激のある食べ物を避ける、汗をかいたらすぐに拭き取る、アルコールを控え目に、かかない、といった点があります。
かゆみに関しては我慢できない場合は冷やすといいです。
自律神経については以下のページもご参照下さい。
温熱蕁麻疹の生活習慣改善
コリン性蕁麻疹と同じ部分になるのですが、ストレスの排除や、自律神経の働きを整える、食生活を正す(バランス良く、1日2~3食、腹7~8分目)、しっかり睡眠をとる、適度な運動を行なうという健康の為の基本項目を実践されるのが良いと思います。
ただ運動に関してはかゆみを伴いますので、容易ではないかもしれませんが、かゆみが出た時は冷やして何とかしのぐ形になるかと思います。
あとは日常生活において、これも色々なケースで体温が上がりますので、容易ではないかもしれませんが、温かい風にあたらないようにするとか、お風呂のお湯はぬるめにするなど、今までの経験から体温が上がって蕁麻疹の出る場面を避けるようにするということになるかと思います。
バランスの良い食事につきましては次のページの「4.バセドウ病の食事量と栄養バランス」をご参照下さい。タイトルにはバセドウ病とありますが、ここに書かれている栄養バランスの良い食事法に関しては全ての人共通になります。
コリン性蕁麻疹につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
医療法人社団桂仁会 桂仁会クリニック 汗による蕁麻疹(コリン性蕁麻疹)
温熱蕁麻疹につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
最後に
コリン性蕁麻疹は発汗に伴って起きる蕁麻疹で、通常は30分くらいでおさまります。
また特に皮膚表面の温度は変わりません。
一方の温熱性蕁麻疹は温かい刺激を受けると起きる蕁麻疹で、出ると長時間継続する傾向にあります。
また発症部の温度が40~50℃に上昇します。
このような所に大きな違いがあります。
何れも薬を使った治療法がありますが、対処療法的な位置づけが強く、日常での生活習慣を正すことが根本改善に繋がると思われます。
ただ何れも若い年代で発症する傾向があり、年齢を重ねていくうちに自然治癒する傾向があります。
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