非定型うつと新型うつの違い
非定型うつと新型うつの違いについて
20~30代の若者の間で増えつつある非定型うつと新型うつ。
それぞれどのような症状なのでしょうか?
両者にはどのような違いがあるのでしょうか?
また新型うつや非定型うつになった場合の対処方法などについても記載したいと思います。
非定型うつの症状
非定型うつというのは自分にとって衝撃的な不快感を感じた出来事があった時に、その出来事にまつわる状況を迎えたり思い出したりすると、強い憂鬱感が出てきてやる気が出なくなったりする一方で、良いことや楽しい事があると一変して元気になるような症状を言います。
そして元気な状態は継続せず、再び憂鬱感に襲われて気分が落ち込んでしまいます。
別名「お天気うつ病」とも言われています。
その他「うつ」に関しましては次のページも参考にしてください。
非定型うつの例
例えば仕事で叱られたり、注意されたりした時に、その時に抱いた不愉快な感情が心に残り、その事を思い出す度に恐怖心や憂鬱感にさいなまれ仕事に行けなくなったりします。
しかしながら親しい友人に誘われ、カラオケや飲み会など自分が楽しいと思えることがあると元気になります。
ある意味非定型うつは軽いPTSD(心的外傷後ストレス障害)とも言えるかもしれません。
心理的な症状にパニック障害があります。
パニック障害に関心のある方は次のページを参考にしてください。
PTSDとは
PTSD(心的外傷後ストレス障害)というのは強烈なショック体験や強い精神的ストレスを受けた時に、それが心のダメージとなって時間が経過しても、その事を度々思い出し、強い恐怖におそわれる症状を言います。
例えば天災、事故、犯罪、虐待、パワーハラスメントに遭った時などに引き起こったりします。
非定型うつの場合も先の例の場合で言うと仕事で叱られたり注意されたりした時に抱いた精神的ストレスが心の中に残り、仕事のことを思い出すと憂鬱感が湧き出てきて、仕事に行けなくなってしまうなどストレスのかかり方としては共通なところがあります。
PTSDの詳細につきましては次のページを参考にしてください。
非定型うつの診断基準
非定型うつには診断基準があります。
アメリカ精神医学会が発行しているDSM-5や世界保健機関が発行しているICD-10で基準を定義しています。
ここではDSM-5の診断基準を記載します。
以下の症状がほとんどの日において当てはまれば非定型うつとみなされます。
A.気分の反応性
B.以下のうち2つ以上
(1) 有意の体重増加または食欲増加
(2) 過眠
(3) 鉛様の麻痺
(4) 長期間に渡り対人関係上の拒絶に敏感で、意味のある社会的または職業的障害を引き起こしている
C.他のタイプのうつ病に当てはまらない
Aの気分の反応性というのは状況によって気分が落ち込んだり、元気になったりするということです。
B(3)の鉛様の麻痺というのは手足に重みを感じ、体に鉛が入っているように重みで潰れそうな感覚になる状態を指します。
統合失調症に関心のある方は次のページを参考にしてください。
非定型うつの原因は?
この非定型うつの原因は諸説ありますが、やはり強いストレスが一番の原因であると説明する人が多いです。
しかし、定型うつ病の場合はある程度見た目でも判断できるのですが、非定型の場合は見た目では分からない場合も多く、ストレスが溜まっているのかどうかも判断できないことがしばしばあります。
人間関係が原因となることもありますし、最近ではSNSからこの非定型うつ病になってしまうこともあるようです。
このうつ病は若い女性に多く、不安になりやすい人が発症しやすいので、女の子を持つ親は気を付けるようにしておきたいものです。
非定型うつ者への周りの目
今まで記載したように非定型うつは気分の良い時もあるので、例えば休職していても飲み会に参加したりしていると、周りの人の目には仮病のように写ってしまいます。
ですのでなかなか周りから理解されにくいところがあります。
ただ本人は気分の波をコントロールしようと試みてもなかなか上手く出来ず悩んでいます。
「うつ」になると吐き気の症状が出やすくなったりします。
吐き気に関しましては次のページを参考にしてください。
非定型うつと新型うつとの違いについて
ではここで本題の非定型うつと新型うつとの違いですが、新型うつも非定型うつとほぼ同じような症状を言います。
どちらの症状も精神的に負担のかかることを行おうとした時に不調が起こるけれども、興味のあることや好きなことだと気持ちが晴れて元気になるというものです。
これだと非定型うつと全く同じになってしまいますが、大きな違いは新型うつという呼び方を使う場合には、その人は病気ではなく、精神的に未熟だから起こっている、甘えや怠け心から症状が起こっているという意味も含んで使われます。
世間一般の目からは記載のように「甘えている」「怠けている」と見えるので、皮肉交じりの意味合いも入った言葉になります。
この言葉は2007年頃からマスコミによって流行らされた造語です。
非定型うつというのは正式な診断基準に則ってつけられる病名なのに対して、新型うつは正式な病名ではないというのが大きな違いです。
「うつ」になると頭痛が起こりやすくなったりします。
頭痛に関しましては次のページを参考にしてください。
非定型うつになりやすいタイプ
非定型うつになりやすいタイプは2つあると言われています。
プライドの高い人
過去、成績優秀で褒められてきた人はプライドが高くなりやすいです。
そういった人が少し厳しい環境に置かれ、人から色々指摘されたり、叱られたりすると普通の人以上にトラウマになり、その環境に身を置くことに恐怖心を抱くようになってしまいます。
人の目が気になる人
自分に自信がなく自分の行動に対する人の目がすごく気になるような人も、少し厳しい環境に置かれると、過敏に精神が反応しその環境に恐怖心を抱くようになってしまいます。
対人恐怖に関心のある方は次のページを参考にしてください。
非定型うつへの対処方法
ではここでは正式に診断基準のある非定型うつになった場合の対処方法について記載したいと思います。
生活習慣を整える
ここで言う生活習慣の項目は睡眠、食事、運動になります。
睡眠に関しては早寝早起きを心がけ、寝過ぎないようにします。
夜は9時から12時までの間に寝て、朝は5時から7時までの間に起きるようにします。
そしてこの時間帯の中で、あなたなりに就寝と起床の時間をしっかり決めて毎日実行し、規則正しい生活リズムを作ります。
昼寝は避けます。
どうしてもしたい場合は15分程度にします。
食事は1日2食か3食にします。
これもどちらかを選択し毎日守るよう実行します。
運動量の多い方は3食、少ない方は2食が良いかと思います。
過食をせずに腹7~8分目で終えるよう強く意識します。
偏った食事は避け、栄養バランスの整った食事を意識しましょう。
炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラル・食物繊維といった6つの栄養素をそれぞれ適量摂取します。
運動は毎日行います。
30分から1時間のウォーキングが目安です。
時には運動できない日もあると思いますが、その時は罪悪感など持たずにまた翌日から始めましょう。
自律神経の働きを整える
自律神経の働きが乱れると、精神的に不安定になりやすくなります。
必要以上に人を恐れたり、物事を恐れたりするようになってしまいます。
自律神経が乱れる要因は色々ありますが、最も大きいものはストレスになります。
できる限りもの事を楽観的に考えたり、自分に起こっている出来事を良い面から考えるよう努めます。
一見マイナスに思える出来事でも「これは先々自分にとって良いことなんだ」というような思考に切り替えるよう努めます。
上記の生活習慣を整えることも自律神経を整える方向に働きます。
朝日を浴びたり、深呼吸をするのもいいです。
また私の知っている施術院でも行っていますが、自律神経の働きを整える施術を行っている施設を探して受けるというのも1つの選択肢です。
整体院やカイロプラクティック院などで行っている所があります。
自律神経については次のページをご参照下さい。
少しずつ自分の苦手と思うことを行っていく。
まずは自分がどのような事に対して憂鬱感を抱くのかを書き出します。
そして考えられる範囲でその書き出した項目の何が憂鬱な気分にさせるのか・・・つまり何がいやなのかを具体的にします。
そして生活習慣を整えたり、自律神経の働きを整える努力をしていく過程の中で、書き出した憂鬱感を抱かせる要素の中で負担の軽そうなものから少しずつ取り組んで具体的にしていきます。
最初は恐怖心が出てしまうかもしれませんが、諦めずに適度な間隔を開けながら繰り返し実行していくといいでしょう。
この時身近にサポートしてくれる人がいてくれるとより早い改善が見込めるかと思います。
新型うつ病につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
公立学校共済組合 関東中央病院 「現代型うつ病」と“新型うつ病”
非定型うつと定型うつの違いは?
「うつ病(定型うつ)」との違いは「うつ病」は今まで好きだったことでも楽しめなくなり、何事に対してもやる気を失ってしまうのに対し非定型うつは自分の好きなことは楽しめるという所に大きな違いがあります。
「うつ」になると胃の痛みが出やすくなったりします。
胃痛に関しましては次のページを参考にしてください。
非定型うつをはじめとした「うつ病」につきましては次のサイトも参考にしてみて下さい。
岡田クリニック http://www.clinic.kokoro-support.net/menu2-b.html
最後に
非定型うつというのは自分にとって衝撃を受けるような出来事があって不快な感情を抱いて以降、その状況を再び迎えたり、思い出したりした時にその恐怖などの感情から憂鬱感が出てきてやる気が出なくなったりする一方で、良いことや楽しい事があると一変して元気になるような症状を言います。
一方の新型うつはこのような非定型うつの症状の人が増える中、その症状を甘えや怠けと受け取り、それを皮肉る意味合いも含めてマスコミによってはやらされた造語です。
非定型うつには診断基準がありますが、新型うつには診断基準がありません。
非定型うつを改善させる為の対処法としては
①生活習慣を整える
②自律神経の働きを整えるよう努める
③少しずつ自分の苦手と思うことを行っていく
という方法があります。
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