バセドウ病の初期症状や男性・女性・子供の病状と治療法
バセドウ病の初期症状や目・皮膚などに起こる病状と治し方について
バセドウ病は動悸や目の突出、皮膚のかゆみなど初期症状は様々あります。
特に成人の女性に多い病気ですが男性はもちろん、子供でも起こります。
軽度の人もいますが、重度になると毎日がかなりしんどくなります。
本記事ではバセドウ病の初期症状や起こり得る様々な症状及び治療法を中心に記載したいと思います。
バセドウ病の初期症状
画像出典:http://koujousen.net/
バセドウ病というのは首の前側にある甲状腺の働きが異常に活発になって様々な症状をひき起こす※自己免疫疾患です。
甲状腺というのは代謝を促進する甲状腺ホルモンを分泌しており、このホルモンが普通より過剰に分泌され、代謝が異常に活発になります。
発症は冒頭に記載したように女性に多く、約80%が女性です。
年齢は20~40代が多いです。
男性も含め1000人に2~6人くらいの割合で発症しています。
原因は解明されていないのですが、ストレスや遺伝的なもの、喫煙などが影響しているのではないかと言われています。
では初期症状ですが、次のようなものがあります。
①甲状腺が肥大して首が太くなる
②脈がかなり速くなる(動悸など)
③眼球が突出する
④たくさん汗をかく
⑤手指が震える
⑥軟便になったり下痢をしたりする
⑥疲れやすい
⑦眠い
⑧たくさん食べても痩せる
⑨怒りっぽくなったり、不安になったりする
⑩生理不順が起こる
※自己免疫疾患についてですが、人間には細菌やウイルスなどの外的から体を守る為に免疫機能が備わっており、外的が体内に侵入してくると抗体を作って攻撃します。自己免疫疾患というのは、誤って自分の体を攻撃する抗体を作ってしまうことを言います。バセドウ病の場合は甲状腺を刺激する抗体が作られ、過剰に甲状腺を刺激してしまい引き起こります。
一般的な動悸や不整脈、下痢に関しては次のページをご参照ください。
動悸や息苦しい症状の原因はストレス?
不整脈の症状と原因は?治療法は?
ずっと下痢が続くのと腹痛がある原因と治し方
バセドウ病の目に起こる症状について
目に症状が現れるのは全ての方ではなく、バセドウ病の患者さんの一部の方です。
そしてバセドウ病でおこる目の異常をバセドウ眼症といいますが、この症状には次のように3つあります。
①眼瞼後退( 目が大きくなったように見える)
上まぶたが上に引っ張られ、上まぶたと黒目の間に白目が見え、目が大きくなったように見えます。
②眼球突出(目が前に出る)
眼球の周りに付いている、目を動かすための筋肉(外眼筋)が炎症で腫れたり、眼球の後ろにある脂肪組織の量が増えたりすることが原因です。
③眼瞼腫張(まぶたが腫れる)
まぶたの中の脂肪が増えることで起こります。
不眠について
バセドウ病の症状に脈が速くなったり(120回/分など)、たくさん汗が出たり、精神的に怒りっぽくなったりというものがあります。
このような症状があると、睡眠の妨げになります。
寝つきが悪い上、眠りに入ってもすぐ目覚めてしまったりと不眠になりやすいです。
一般的な不眠に関しましては次のページをご参照ください。
不眠症の治し方は?食べ物や飲み物で治せる?
皮膚の症状について
画像出典:http://allabout.co.jp/gm/gc/196470/
バセドウ病は、皮膚にかゆみが現れやすい他、男性の患者さんに多い症状として皮膚の色素沈着があります。
日焼けしたわけではないのに、皮膚の色が黒くなってくるものです。
ただ、男性に多いといっても、全体の10%くらいです。
喉の痛みの症状について
甲状腺肥大により、喉の部分が腫れ、この腫れに伴って痛みが出ることもあるようです。
めまいの症状について
バセドウ病になると自律神経の働きを悪化させると言われています。
その事で自律神経の乱れでよく発症しがちなめまいが起こったりします。
「めまい」の他、自律神経での乱れで起こったりする「耳鳴り」「便秘」に関しましては次のページをご参照ください。
めまいの症状の原因は何か? その対処法は?
耳鳴りの原因と治療法は?頭痛・めまいとの関係性は?
耳鳴りが低音で響く原因は?治療法は?
便秘に即効性のある食事【食べ物】は?根本的な解消法は?
乳児の便秘 母乳なのに何故?母親の食事?
便秘が続くと腹痛が起こり下痢で冷や汗をかく症状は危険?
かゆみの症状について
先にも触れていますが、バセドウ病の症状で皮膚が過敏になり、ちょっとの刺激でかゆみが出る人が多いです。
バセドウ病患者さんの40~50%の人に皮膚のかゆみが見られます。
かゆみは我慢しにくいので、かゆみ止めなど適切な治療が必要となります。
皮膚のかゆみが現れる症状としてアトピー性皮膚炎や蕁麻疹などがあります。
これらの症状に関しましては次のページをご参照ください。
アトピー性皮膚炎 成人型の症状と原因・治療について
蕁麻疹が顔に出る原因について 危険?対処法は?
減汗性コリン性蕁麻疹の治療はお風呂がいい?
コリン性蕁麻疹とは?温熱蕁麻疹とは?その違い
眠い症状について
バセドウ病は、夜の睡眠時間も含め1日中代謝の活発な状態が続くので体が休まりません。
また不眠にもなることで、疲れやすかったり、眠い状態が続いたりということが起こります。
自律神経という神経の働きが乱れると様々な症状がひき起こりうると言われています。
自律神経に関連することにつきましては次のペ-ジをご参照ください。
自律神経を整える方法 ツボ・アロマ・運動・食事・呼吸法
自律神経失調症の症状と原因と改善方法【治し方】
自律神経失調症を改善する食事は?
自律神経失調症とは?症状は?痛みや吐き気・ほてりなど
男性のバセドウ病の症状
バセドウ病は女性の病気と思っている男性も多く、動悸や疲れやすさといった症状だと仕事のせいくらいにか思わないので、発見が遅れてしまいやすくなるようです。
そして理由は不明ですが、男性の方が悪化しやすく、合併症も起こしやすいと言われています。
起こりうる症状は女性と同じですが男性特有の症状として、周期性四肢麻痺(金縛り)、男性性器の機能不全、女性型乳房などがあります。
バセドウ病が疑われる場合は、早く病院を受診しましょう。
子供のバセドウ病の症状
子供がバセドウ病になる割合は、大人より少ないのですが、小学生から中学生、高校生になるにつれ、だんだん増えてきます。
症状としては、たくさん汗をかく、脈がかなり速くなる、動悸、体重の減少、疲れやすい、手指が震えるなど大人と同じような症状ですが、比較的子供に出やすいのは、イライラして怒りっぽくなったり、落ち着かず集中力が低下したりと精神面に出やすいです。
本人自身なぜそうなるのか分からず、うまく状態を親などに伝えられず孤独感を深めてしまうケースが見受けられます。
従いまして、子供の様子がおかしい場合は、しっかりと子供の声に耳を傾けてあげて、原因が分からない場合は病院を受診するのが無難です。
ちなみに眼球突出は大人に比べて割合は低いです。
バセドウ病の妊婦さんや授乳中の方、あるいは妊娠予定のある方は次のページもご参考にしてください。
生理への影響
発症する男女比率は5人中女性が4人と女性に多い病気となっているのがバセドウ病です。
この病気になってしまうと、生理不順が起きやすく生理の出血期間が短くなってしまうこともあれば、生理が遅れたり無月経になってしまうこともあります。
これは多くの方々に見られる女性限定の症状ではありますが、詳しい原因ははっきりしていないようです。
しかし、女性の生理は女性ホルモンの分泌量や働き次第で大きく変わってくるものではありますので、その部分に何らかの影響を及ぼしていると考えられています。
また、甲状腺ホルモンは生理が終わってから排卵が起きるまでの過程で大きな影響を受けるので、そちらとの兼ね合いも指摘されております。
バセドウ病になると甲状腺ホルモンの量が非常に多くなるので、排卵ができる状態ではないのに排卵が発生するようになってしまい、出血の期間が極端に短くなってしまうという推測もあります。
治療方法について
バセドウ病の治療方法は主に薬物治療と、放射性ヨウ素治療(アイソトープ)、手術の3つがあります。
薬物治療
甲状腺ホルモンの合成を抑える薬を服用します。
甲状腺ホルモンの量が正常になるにつれ、薬の量を減らしていきます。
甲状腺ホルモンの濃度が正常になれば、自覚症状も普通に戻るようです。
そして定期的に甲状腺ホルモンの量を測定しながら、医師の判断で適切な量の薬を服用していきます。
半年以上など長期間甲状腺の機能が正常となれば薬の中止を検討していきますが、一般的には治療は2~3年は続くようですし、なかなか止められないケースもあるようです。
副作用として、白血球の減少により喉の痛みや高熱が出たりする他、皮膚にかゆみが出たり、肝機能異常が見られたりすることがあります。
重篤な状態になる可能性もありますので、体に何か異常がみられた場合は、すぐに医師と相談する必要があります。
放射性ヨウ素治療(アイソトープ)
放射性ヨウ素を服用して、甲状腺の細胞の数を減らすという治療法です。
甲状腺の細胞の数が少なくなれば、分泌される甲状腺ホルモンの量も少なくなるということです。
メリットは手術のように傷が残らないということと、薬より早く治るといった点です。
ただ副作用として、甲状腺の細胞が減り過ぎて、反対に甲状腺の機能低下を起こすことがあります。
しかしながら甲状腺の機能低下の場合は、適量を守ればほとんど副作用のない甲状腺ホルモン薬を服用することで、機能を正常に働かせることができるようです。
この治療法は改善率が高いですが、微量とはいえ、放射線を使うので、妊娠中、妊娠予定、授乳中の女性にはすすめられない治療法となっています。
手術
甲状腺の全て、あるいは一部を残して(甲状腺亜全摘術)甲状腺を切除します(医師によって違いがあるようです)。
基本的に手術によって甲状腺機能が正常になるようですが、何割かの方は甲状腺の機能低下を起こしたり、バセドウ病が再発したりします。
この割合は担当する医師によっても違うようですので、事前に医師に成功の割合を確認すると良いかと思います。
また副作用として、声がかるれるとか、手足のしびれ、などが起こる場合があるようですが、比較的容易に解消するもののようです。
バセドウ病の完治率などにつきましては次のページをご参照下さい。
バセドウ病の食事に関することは次のページをご参照下さい。
バセドウ病の初期症状につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
伊藤病院 甲状腺の病気について バセドウ病
最後に
バセドウ病の初期症状としては甲状腺肥大や頻脈、眼球突出、精神的不安定さなど様々なものがあります。
8割は女性が発症しますが、男性も起こり得ますし、子供でも起こります。
男性の場合は症状が出てもバセドウ病というものに対する認識が薄いこともあって発見が遅れがちになるので注意が必要です。
子供の症状としては精神的に不安定になる場合が多いのですが、何故そのようになるのか分からず、うまく大人に説明できないケースが見受けられるので、注意が必要です。
治療方法としては薬物療法、放射性ヨウ素治療、手術があります。
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