リウマチの初期症状は指に出やすい?原因や検査と治療法は?
リウマチの指などの症状と原因や治療法について
膠原病で最も多いリウマチ。
患者さんの数は70~80万人と推定されています。
重症化させない為にも早期発見が大切になります。
本記事では手指などの他、リウマチで起こる初期症状や原因、それから検査方法や治療法などについて記載いたします。
リウマチの初期症状【指に出やすい?】
リウマチの最も初期の段階では次のような症状から始まったりします。
○体に疲労感がある
○微熱が続く
○食欲不振で体重が減る
○何となく気分がすぐれない
忙しく毎日を過ごしている場合は、この段階ではリウマチなど病気が進行しはじめていると感じることは少ないです。
その後の一般的な初期症状としては次のような症状が現れます。
朝のこわばり
画像提供:http://sonae.sankei.co.jp/life/article/160114/l_health0001-n1.html
全身の関節において腫れて、動かしにくく感じる症状が出たりするのですが、特に手の指の第二関節や第三関節(指の付け根部)に感じることが多いです。
朝起きてから1時間くらい、このこわばりが続いたりします。
そして多くの場合、左右対称の関節でこわばりが起きます。
このこわばりによって物を持ちにくかったり、ボタンをとめるなどの指を使う作業がやりにくく感じたりします。
関節の痛み
画像提供:http://ameblo.jp/shiga-clinic/
手の指や手首、肘、肩、膝などの関節において動かした時に痛みを感じる症状も見られます。
この痛みも特に手の指の第二関節や第三関節に感じやすいです。
そして左右対称に現れるケースが多いです。
リウマチは多くの関節に症状が出る傾向がありますので、放置していると痛む場所が増えていきます。
病状が進むと、じっとしていても痛みを感じるようになります。
腱鞘炎につきましては次のページをご参照ください。
むくみ
日頃むくみを感じる人は多いので、リウマチによってむくみを生じていると思う人は少ないと思いますが、顔や手、腕、足などにむくみが起こったりします。
このむくみも1箇所から全身に広がっていく傾向にあります。
むくみにつきましては次のページをご参照下さい。
関節の変形
画像出典:http://www.articular-rheumatism.com/
この症状は病状が進行してになりますが、指の関節の腫れが続くと、やがて関節が破壊され変形していきます。
手の指の方はパッと見て変形が分かるくらいの形になります。
足の指も変形し、外反母趾や槌指(ついし:第1関節が曲がって完全に伸ばせなくなる変形)、重複指(指同士が重なり合う)といった状態が現れたりします。
外反母趾に関しましては次のページをご参照ください。
リウマチの原因について
リウマチの原因は自己免疫疾患といって、自分の免疫が、関節を守る組織や骨、軟骨を敵とみなして攻撃を仕掛けてしまうが為に起こるとされています。
免疫というのは体内に侵入してきた細菌やウイルスを退治し、体を守る働きを持っています。
この本来体を守ってくれるはずの免疫に狂いが生じ、自分の体を攻撃してしまいます。
ではなぜこのような狂いが生じるのかという原因としては、明確化されてはいませんが、細菌やウイルスの感染、過労やストレス、喫煙などが原因として挙げられています。
女性の患者さんは男性の4倍いるとのことから、出産がきっかけになることも原因として考えられています。
強いストレスがかかると「うつ」になることもあります。
「うつ」につきましては次のページをご参照下さい。
血液検査について
リウマチの診断を行う際の検査としては血液検査、尿検査、関節液検査、X線検査などを行って、総合的に判断されるのが一般的です。
一回の検査では診断が下せず、しばらく経過を見ながら何回か検査を繰り返し診断される場合もあるようです。
では血液検査でどのような数値を見てリウマチの可能性を調べるのかという点についてですが、「リウマチ因子(RF)」「抗CCP抗体」、「抗核抗体(ANA)」「CRP」「マトリックスメタロプロティナーゼ(MMP-3)」などがあります。
各項目の数値の目安は
「リウマチ因子:正常値 ≦ 15mg/dl」
「抗CCP抗体:正常 ≦ 5U/ml」
「抗核抗体(ANA) < 40」
「CRP ≦ 0.45mg/dl」
「MMP-3 男性:36.9 ~ 121 ng/ml 女性:17.3 ~ 59.7 ng/ml」
となっていますが、どれかの数値に異常値があったからといって、すぐにリウマチと診断されるわけではなく、他の検査結果も踏まえて診断されます。
このように即判断できる疾患ではないので、経験豊富なリウマチの専門医で診てもらうのが望ましいです。
免疫異常から出る症状にアトピー性皮膚炎があります。
アトピー性皮膚炎につきましては次のページをご参照ください。
アトピー性皮膚炎 成人型の症状と原因・治療について
アトピーの症状【赤ちゃん・子供・大人別】と治し方
アトピーはストレスでかゆみが悪化する?ストレス発散法は?
アトピーの原因は遺伝?ストレスや腸・食べ物が影響する?
アトピー改善に有効な食事・レシピは?食事制限は必要?
リウマチの治療法について
リウマチの治療は「病気の進行を抑える」「痛みを抑える」「関節の破壊を抑える」という3つを主眼において行われます。
一昔前まではリウマチというと、どんどん悪化していき普通に日常生活を送れなくなっていくというイメージがありましたが、最近では治療技術が進み、普通の人と同じに近い生活を送れるようになってきています。
早く治療ができるほど、その傾向が強いので、リウマチを疑われる症状に気づいた場合は、早期に病院で検査を受けることが大切です。
では行われる治療法ですが
薬物療法
画像出典:http://ra-hyogo.com/chiryo/
治療の中心となり、先に記載した「病気の進行を抑える」「痛みを抑える」「関節の破壊を抑える」というそれぞれの目的に合った薬物が処方されます。
薬の服用にあたっては副作用も十分考えられますので、お医者さんにしっかり確認すると良いでしょう。
薬の例を以下に挙げます。
a.抗リウマチ薬
免疫の異常を防いで病気の進行を抑える薬です。
免疫の異常を改善する薬や白血球やリンパ球が新しく作られないようにして免疫の働き全般を抑える薬などがあります。
b.抗炎症剤
炎症を抑えて痛みを和らげる薬です。
痛みや炎症のもとになるプロスタグランジンというホルモンが作られないようにします。
炎症を抑える薬や抗炎症ホルモンである副腎皮質ホルモンを人工的に合成したものなどがあります。
プロスタグランジンの影響で生理痛が起きるとも言われています。
生理痛につきましては次のページをご参照ください。
c.生物学的製剤
炎症や関節破壊を抑える薬です。
生物学的製剤は、化学的に合成して作られるのではなく、生物で作られる蛋白質を使用して作られた治療薬です。
リハビリテーション
画像提供:http://ghkunpusya.blog82.fc2.com/
運動療法、物理療法、作業療法、装具療法といった療法などがあります。
患者さんの症状に応じて次のような目的で行われます。
運動療法・・・筋力をつけ関節を動かす機能の維持、向上を目的とします。
物理療法・・・痛みや腫れを軽くします。温熱療法などがあります。
作業療法・・・家事など日常生活で行う動作ができるよう訓練します。
装具療法・・・手指の関節固定用スプリント、サポーター、腰椎コルセットなどの装具を使って不安定な関節を安定させたり、関節の変形を予防したりします。
手術
画像出典:http://www.jinko-kansetsu.com/knee/
リウマチの治療の基本としては薬物療法やリハビリテーションが行われますが、効果が芳しくなく歩行が困難など日常生活に支障が出る場合は手術という選択肢があります。
手術には次のようなものがあります。
滑膜切除術
関節の腫れや痛みは強いものの、レントゲンで関節の状態を見ると比較的保たれているという場合は滑膜(関節を包む膜)切除術が適応となります。
炎症を起こして腫れた滑膜を取り除くことで症状を改善する手術です。
関節固定術
関節を固定する手術です。
関節の変形によって痛みが強くて日常生活に影響が出ているような場合で、動かさなくてもあまり不自由のない関節の場合、この手術を行うことで痛みが取れます。
足趾関節形成術 (そくしかんせつけいせいじゅつ)
足の指の付け根部分が脱臼し、指が重なりあい、変形によって出っ張った部分に痛みが生じ、足裏の皮膚が厚くなり、痛みによって歩くのが辛くなるケースがあります。
この出っ張りの部分を削って痛みを防ぐ手術です。
人工関節置換術
関節が破壊されてしまった場合に、関節を人工関節に入れ替える手術です。
人工関節は15年以上安定した状態を保て、また人工関節に寿命がきた時の再置き換えも多く行われるようになっています。
免疫異常で出る症状として花粉症があります。
花粉症につきましては次のページをご参照ください。
花粉症で咳が止まらない 夜眠れない対策
花粉症薬おすすめの市販薬 妊婦や子供用は?
花粉症対策 食事やお茶、アロマ、グッズなど
花粉症の時期・ピークは?9月・12月は?花粉のカレンダー
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花粉症の注射の種類と効果と費用は?副作用は?
リウマチは完治する?
リウマチは自己免疫異常によって引き起こされる病気と考えられておりますが、まだまだわからない部分もあるので完治するのかどうかも不明であるのは変わっておりません。
しかし、先に挙げたような薬によって初期段階から治療を続けることで、完治は難しいとしてもほぼ症状が出ない状態にまでは持って行くことができています。
しかし、早期治療を専門医療機関で開始したという方でもなかなか痛みが取れないという方もいますし、骨の変形が進んでしまうという方もいるので必ず症状を抑えられるという訳でもないようです。
結論からして、完治するかどうかは不明であるけれども昔よりも治療技術は向上しており、ある程度は症状を抑えることができるようにはなっているものの、分かっていない部分もあり発症者すべてを救えるレベルにまでは到達していない病気ということになるでしょう。
リウマチは遺伝するのか?
最近の研究によるとリウマチ発症の約4割は遺伝子の原因とされています。
ただし、これは親がリウマチになったから必ず遺伝してリウマチを発症するというものではなく、普通の人よりも生活環境による要因によってリウマチになりやすいということです。
膠原病のことにつきましては次のページをご参照下さい。
リウマチにつきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
あゆみ製薬株式会社 リウマチ情報ポータル リウマチはどんな病気?
最後に
リウマチの最も初期段階では、多くの人が感じるような疲労感や微熱、気分が優れないといった症状が現れることがありますが、この段階でリウマチを疑う人は稀です。
そして初期症状として手の指などの関節にこわばりや痛み変形といった症状が現れてきます。
病状が進行すると関節が変形してきます。
リウマチの原因は遺伝的要素が4割くらいあり、ストレスや細菌・ウイルスの感染、過労、喫煙、出産などの要素で免疫が異常化し、自分の関節に攻撃をしかけてしまうことで起こると考えられています。
治療法は薬物療法を中心にリハビリテーション、手術などが行われます。
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