妊娠糖尿病の症状とは?小児【子供】糖尿病とは?
妊娠糖尿病や小児糖尿病の症状や原因、治療法について
糖尿病の中には妊娠糖尿病や小児糖尿病といったものがあります。
最初に基本的な糖尿病というのはどのよなものなのかを出来る限り簡単に分かりやすく説明した上で、それぞれの糖尿病について症状や原因、治療法などを記載したいと思います。
糖尿病とは
糖尿病というのは血液中のブドウ糖(血糖)がある一定量を超えた状態を言います。
血液中のブドウ糖は身体の必要性から、ある正常な範囲内に保たれています。
しかし血液中のブドウ糖を全身の細胞に運ぶ役割を担っているインスリンというホルモンの分泌量が少なくなると、血液中のブドウ糖が処理されず大量に残ってしまいます。
その結果高血糖となり糖尿病となります。
インスリンについてや血糖値が高くなる原因などの詳細につきましては次のページをご参照下さい。
妊娠糖尿病とは?
妊娠糖尿病というのは妊娠前は糖尿病ではなかったのに妊娠してから糖の代謝が異常となり血糖値がある一定量を超えた状態(高血糖)になるものを言います。
2010年時点で約12%くらいの人が妊娠糖尿病になっているというデータがあります。
妊娠糖尿病の原因は何か?
では妊娠糖尿病になる原因ですが、妊娠するとホルモンバランスが一気に変わります。
例えば体温を上げるなど、赤ちゃんがしっかり育つような環境を維持する為に、卵巣や胎盤からプロゲステロンというホルモンが多く分泌されます。
このプロゲステロンはインスリンの働きを抑えてしまいます。
また妊娠すると胎盤でインスリンを壊す酵素が出たりします。
こういったことが原因で血糖値が上がりやすくなります。
どのような人がなりやすい?
どのような人が妊娠糖尿病になりやすいか?ということについてですが、肥満、高齢出産、両親や兄弟姉妹に糖尿病の人がいる、先天奇形児や巨大児の出産経験がある、妊娠してから急に体重が増えた、早産や流産の経験がある、羊水過多症、強度の尿糖陽性という方はなりやすいと言われています。
そして不安・恐怖、怒り、悲しみ、嫉妬、悲観などの感情を頻繁あるいは長期にかけて感じるようなストレスも影響していると言われています。
長期間ストレスがかかり続けると「うつ病」になる可能性があります。
「うつ病」に関しましては次のページを参考にしてください。
自覚症状は?
自覚症状はないケースが多いようです。
従いまして、妊婦検診で血糖値をチェックしておく必要があります。
疑いがある場合は75gブドウ糖負荷試験によって診断できます。
母体や赤ちゃんへの合併症などの影響は?
母体への影響としては早産、妊娠高血圧症候群、羊水過多症、尿路感染症 などがあります。
赤ちゃんへの影響としては流産、巨大児、先天奇形、低血糖症、呼吸障害、発育不全、心臓病などの可能性があります。
治療法は?
基本は食事療法と運動療法になります。
食事は血糖値を上げる糖質(パン、お米、じゃがいもなどGI値の高い食べ物)は控えめにして、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維といった各栄養素をバランス良く摂ることになります。
妊娠中に不足しやすい鉄分やカルシウム、その吸収を助けるたんぱく質・ビタミン・緑黄色野菜、胎児の神経管欠損症のリスクを減らす葉酸は少し多めに意識して摂ると良いです。
そして1日3食で腹7~8分目に抑え1日の摂取カロリーを守ります。
※GI値はグリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、各食品において血糖値を上げるスピードを計った値を言います。
運動療法はウォーキングや体操、マタニティビクス、アクアビクスなどがおすすめです。
時間は15~30分くらいで週に3~4回が目安です。
運動は心拍数が135回/分未満になるような強度で行い、十分な水分補給を行いましょう。
食事・運動療法でなかなか血糖値が下がらない場合は、薬やインスリン療法が必要になることがあります。
これらの治療法はお医者さんと相談しながら指示に従って適切に行いましょう。
妊娠糖尿病になると「なぜ私が?」と憂鬱な気分になったり不安になったりするかもしれませんが、そうなったことで妊娠中に食事療法や運動療法を始めることはお母さんの健康に繋がり、逆に出産時や育児に良い影響を及ぼしていくと思いますので、前向きに楽しく行って頂けたらと思います。
鉄分や葉酸が不足すると、貧血になる場合があります。
貧血につきましては次のページを参考にしてください。
妊娠糖尿病は出産後に治るもの?
妊娠糖尿病の原因としてホルモンの関係や酵素によってインスリンの働きが抑えられるからと記載しましたが、この妊娠糖尿病は妊娠時に発生する特異な異常であることが多く、たいていの人は出産することで自然治癒されるようです。
ただし、一度糖尿病になってしまったという人は、将来的に糖尿病になってしまう可能性は高いので産後も生活習慣には気をつける必要があると考えた方が良いでしょう。
一つのサインとして捉えて、糖尿病にならないように糖質の摂取量には十分に気を配りましょう。
できれば、定期的に糖尿病の検査を受けるようにしてくださいね。
予防法について
10人に1人くらいの割合で発症するという妊娠糖尿病。
決して低い確率ではないと思います。
しっかり予防しておきたいものです。
その予防方法としては生活習慣を正しておくことになります。
普段からバランスの良い食事、適度な運動、早寝早起きの規則正しい生活、強いストレスがかからないよう心をコントロールするといった所を意識しましょう。
妊娠糖尿病につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
公益社団法人 日本産科婦人科学会 妊娠糖尿病
小児糖尿病とは?
小児糖尿病には1型と2型があります(詳しくは糖尿病の症状や原因は?合併症の危険性や治療法は?をご参照下さい。)が1型は発症する時は小児期から起こることが多い糖尿病です。
2型は従来より大人に多くみられていましたが、最近では小児期でも見られるようになってきています。
1型は年間10万人に1~2人発症しています。
2型はその年によってばらつきはありますが、だいたい年間6~7人くらい発症しています。
初期症状は?
1型の場合は急に次のような症状が現れたりします。
すごく喉が渇いて大量の水分を飲む、体がだるくなる、体重が減る、尿が普通より多い(夜間に多く排尿するようになります)、できものがなかなか治らないなどです。
これは膵臓から出るインスリンという、栄養(ブドウ糖)を体の細胞に運んでくれるホルモンの分泌が悪くなることで、血糖値が上がり、栄養が十分体に行き渡らなくなることで起こります。
2型は症状が出なくて気づきにくい所がありますが、上記症状が出る場合もあります。
2型の場合は最初は検尿などの検査結果から分かったりします。
頻尿につきましては次のページを参考にしてください。
原因は?
1型の場合、根本的な原因は分かっていませんが自己免疫が自分の膵臓を攻撃する反応が起こり、膵臓のβ細胞で作られるインスリンが全く、あるいはほとんで出なくなり発症するということや何かしらのウィルスに感染し、インスリンを作る機能が破壊されて起こると言われています。
2型の場合は70~80%が肥満を伴っているということからも生活習慣が大きな要因として考えられています。
食べ過ぎ(特に甘いものなど糖質の多いもの)で血糖値が上がり、インスリンを大量に出すために膵臓に負担がかかり機能が衰え、やがてインスリンの分泌が少なくなってしまうと考えられています。
自己免疫の疾患の1つにアトピー性皮膚炎があります。
アトピー性皮膚炎に関しましては次のページを参考にしてください。
小児糖尿病における合併症は?
大人の糖尿病と同様に3大合併症(神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症)が起こりやすくなります。
各症状の詳細は糖尿病の症状や原因は?合併症の危険性や治療法は?をご参考にして下さい。
治療法は?
1型糖尿病の場合はインスリン製剤を用いた治療を行います。
インスリン製剤には超速効型、速効型、混合型、中間型、特効型溶解などがあり、患者さん毎に合った製剤が使われます。
2型の場合は食事療法、運動療法といった生活習慣の見直しが中心になります。
ストレスのかかりやすい状況か?などによる生活環境も見直す必要がある場合もあります。
その他の糖尿病に関する内容につきましては次のページもご参照下さい。
小児の糖尿病につきまして、次のサイトも参考にしてみて下さい。
一般社団法人 日本小児内分泌学会 糖尿病
最後に
糖尿病の中には妊娠糖尿病、小児糖尿病と言われるものがあります。
妊娠糖尿病は妊娠前は糖尿病ではなかたけれども、妊娠して糖尿病を発症するものを言います。
自覚症状は無いことが多いので、妊婦後の検診でチェックして分かることが多いです。
妊娠糖尿病は母体や赤ちゃんに影響を及ぼしかねないので、しっかり治療することが大切です。
治療方法としては基本は食事療法と運動療法になります。
小児糖尿病というのは小児期に起こる糖尿病で、1型と2型があります。
1型糖尿病の場合は無性に喉が渇くなどの自覚症状が出やすいですが、2型の方は出にくいです。
原因は1型の方は自己免疫の異常反応あるいはウィルスの攻撃に遭って引き起こるのではないかとされていますが、根本的な原因は解明されていません。
2型の方は肥満が大きな原因となっています。
治療法は1型の場合はインスリン製剤を使い、2型の場合は食事療法と運動療法が中心になります。
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