アトピー性皮膚炎【成人型の症状と原因・治療について】
成人型アトピーの症状と原因と治療について
かゆみで掻きむしるのを抑えるのが本当に困難なくらい辛いアトピー性皮膚炎。
子供の時に発症して、成人するまでに治ってしまう人も多いのですが、成人した後もアトピー性皮膚炎に悩まされてる方もいらっしゃっています。
このページでは成人型アトピー性皮膚炎の症状や原因、そしてその治療法について記載したいと思います。
成人型アトピーの症状
出典:アトピー攻略ブログ
アトピー性皮膚炎の症状の特徴は掻きむしりたくなるようなかゆみを伴い、皮膚に炎症が起こって赤くなったり、かさついたりします。
そして眠っている時に掻きむしり、更に皮膚の状態が悪化するということを繰り返します。
アトピー性皮膚炎でみられる主な皮膚の症状には次のようなものがあります。
①乾燥・・・皮膚の水分が少なくなり皮膚がかさつく。
②鱗屑(りんせつ)・・・皮膚からカサカサしたものが剥がれ落ちる。
③紅斑(こうはん)・・・皮膚が赤く腫れる。
④丘疹(きゅうしん)・・・皮膚に点状もしくは斑点のような小さなブツブツが出る。
⑤痒疹(ようしん)・・・大きめの赤いしこりのようなものが複数出る。
⑥痂皮(かひ)・・・皮膚を掻きむしった後にできるかさぶた。
⑦水疱(すいほう)・・・みずぶくれ。
⑧びらん・・・皮膚が炎症を起こし、ただれ赤みを帯びたような状態。
⑨苔癬化(たいせんか)皮膚をかきむしることを何度も繰り返し、皮膚が厚くなり、ごわごわと硬くなってしまった状態。
花粉の影響でアトピー性皮膚炎が悪化する方もいらっしゃいます。
花粉の飛散する時期や種類などの他、花粉症に関することにつきましては次のページをご参照下さい。
花粉症の時期・ピークは?9月・12月は?花粉のカレンダー
5月の花粉症アレルギーは喉の痛みや頭痛?原因はイネ科?
花粉症の時期は?病院での薬・注射などの治療法や対策は?
花粉症対策 食事やお茶、アロマ、グッズなど
花粉症!ヨーグルトの種類や食べ方は?食べ過ぎ注意?
花粉症で咳が止まらない 夜眠れない対策
花粉症での頭痛と喉の痛み・発熱・寒気・吐き気などの対策
成人型アトピー性皮膚炎の原因について
明確に解明されてはいませんが、免疫システムの異常というものが1つの原因として考えられています。
人間の体には細菌やウィルスをやっつける免疫というものが備わっていますが、免疫システムの異常というのは害の無い物質を敵と誤って判断し、過剰に攻撃をしかけてしまうというものです。
この害の無い物質、いわゆるアトピー性皮膚炎のアレルゲンには花粉、食べ物、ダニ、ほこり、カビ、ペット、化粧品などがあります。
免疫の1つにリンパ球があります。
リンパ球にはNK細胞(ナチュラルキラー細胞)、B細胞(Bリンパ球)、T細胞(Tリンパ球)と3種類存在しています。
アトピー性皮膚炎などアレルギーを持っている人はこのリンパ球が増えすぎる傾向があります。
リンパ球が増えすぎると異常反応が起こったりします。
例えば体内に花粉が入ってきたとして、この花粉に対してT細胞がB細胞に大量の抗体を作るよう指令を送ります。
大量のIgeと呼ばれる抗体が皮膚や粘膜を構成している肥満細胞に取りつきます。
するとアレルギーを引き起こすヒスタミンという物質が出てきてかゆみやくしゃみ、鼻水といったアレルギー症状が現れてしまいます。
アトピーと似た症状に蕁麻疹がありますが、蕁麻疹につきましては次のページをご参照下さい。
蕁麻疹が顔に出る原因について 危険?対処法は?
減汗性コリン性蕁麻疹の治療はお風呂がいい?
コリン性蕁麻疹とは?温熱蕁麻疹とは?その違い
何故リンパ球が増えすぎるのか?
リンパ球は増えすぎると、異常反応が起こったりすると記載しました。
では何故リンパ球が増えてしまうのか?というと、原因として考えられる1つが自律神経によるものです。
自律神経には活動モードの時に優位に働く交感神経とお休みモードの時に優位に働く副交感神経があります。
副交感神経が働くとリンパ球が増えます。
この反応は通常は免疫力を高めることになるので人間にとって有り難い反応です。
ところが過剰に副交感神経が優位になると、リンパ球が増え過ぎてしまったりすることがあるようです。
自律神経の働きにつきましては次のページをご参照下さい。
自律神経失調症の症状と原因と改善方法【治し方】
自律神経失調症とは?症状は?痛みや吐き気・ほてりなど
副交感神経が過剰に優位になる原因は?
では今度は副交感神経が過剰に優位になってしまう原因ですが、考えられる要素の1つとしてメリハリのないゆったりした生活をし過ぎてしまった場合が考えられています。
寒暖差の少ない環境で生活し、豊かな食生活を送り、外での活動が減り紫外線にあたらず、乗り物が発達し運動不足になったり・・・このような刺激の少ない生活ばかり送っていると副交感神経が過剰に優位になってしまう場合があるようです。
また最近は様々な場所で抗菌対策などがとられており衛生的になっています。
そうなるとリンパ球の活躍する場が少なくなり、その結果、害の無いものにまで攻撃を加えるようになるという点もアレルギー反応を引き起こす原因として挙げられています。
免疫が害のないものにまで攻撃を与えるという免疫異常で起こる疾患としてリウマチがあります。
リウマチに関する内容につきましては次のページをご参照下さい。
アレルギー症状の1つに紫外線アレルギーがあります。
この症状に関する内容は次のページをご参照下さい。
成人型アトピー性皮膚炎の治療法について
ではアトピー性皮膚炎の治療法ですが、ステロイド薬を使うのが一般的ですが、ここでは生活習慣により、改善が進む方法について記載したいと思います。
これさえすれば治るという決定的なものは無いのですが、私たちの体には自然治癒力と言って、体の状態を良くさせようとする働きが備わっているので、この働きを良くする生活習慣を地道に行なうことによって、アトピー性皮膚炎が改善に向かうことが十分期待できます。
改善する生活習慣には次のような項目があります。
体を温める
冷えは万病の元です。
アトピー性皮膚炎で悩まされている方は35度台の低体温の方が多いです。
ステロイド剤は更に低体温を促進させます。
体温を上げるには運動が最適です。
運動そのもので体温が上がるという点がありますが、運動することで筋肉が鍛えられます。
体温は筋肉から発せられる割合が多いので、筋肉が鍛えられれば日常での体温も上がることが期待できます。
例えば外でウォーキングを行なうと適度な紫外線を浴びることにもなり、程よく交感神経が働き、過剰な副交感神経優位状態を阻止することにもなります。
実際にウォーキングによってアトピーが改善されるという実験結果が出ています。
それから手っ取り早く体を温める方法としては入浴があります。
自分の体温より4度くらい高めのお湯に10分以上浸かるのが良いと言われています。
勿論最初は10分経たないうちにしんどくなる可能性が大きいので、その場合は10分立たないうちに上がれば良いです。
だんだん慣れてきて長くは入れるようになってくるでしょう。
食生活を整える
やはり規則正しい食生活をしたいものですね。
バランスの良い食事で1日2~3食、腹7~8分目。
食べすぎを控えることが大切です。
砂糖の入った甘いものやお菓子類は極力控えたいものです。
そして良く噛んで食べましょう。
体を温めるという点で、食べ物にも体を温める食べ物と冷やす食べ物がありますので、少し体を温める食べ物に比重をおいて食べましょう。
体を温める食べ物と冷やす食べ物については次のページをご参照下さい。
それから、もうされているかと思いますが、あなたの経験から食べるとアトピーが悪化すると分かっている食べ物は避けましょう。
メリハリのある1日を過ごす
1日中、家でゆっくり過ごすというようなことは避け、適度に外に出て活動しましょう。
適度に夏の暑さや冬の寒さに身をおいたり、日々しっかりお腹をすかせたり、運動したり、体にほどよい刺激を与えるように意識しましょう。
汗が出ると痒みが増したりしてしんどいかもしれませんが、耐えられる範囲で実施されるようにしてみましょう。
自律神経の働きを整える
副交感神経が過剰に働く背景には自律神経の乱れがあります。
メリハリのある1日を過ごすことも自律神経が整う1つの要素ではありますが、その他の自律神経の働きが整うような行動を取られることもお勧めです。
自律神経の働きを整えることに関する内容は次のページをご参照下さい。
規則正しい生活を送る
夜更かしなども体を弱め、アトピー性皮膚炎を悪化させる要素になります。
原則早寝早起きを心掛けましょう。
私たち人類はものすごく長い間、朝日が昇ったら起きて夕日が沈んで暗くなったら眠るという生活リズムを続けてきました。
従いまして現代の私たちの体もそのようなリズムの時にしっかり整うように遺伝的にできている所があります。
ストレスを排除する
強いストレスや長期に渡って持ち続けているそれなりのストレスは万病の元です。
生きている以上はストレスのかかる要因が私たちに降り注いできます。
その要因に対しての捉え方でストレスは重くもなり軽くもなります。
時には軽くしにくいストレスがかかることあるかもしれませんが、気持ちをコントロールして短期間で緩和させられるものも多いでしょう。
できる限り考え方を前向きにして、明るく過ごすよう努めましょう。
強いストレスがかかり続けると「うつ病」になる場合もあります。
「うつ病」につきましては次のページをご参照ください。
うつ症状の状態と治療法【改善法】
非定型うつと新型うつの違い
主治医が見つかる診療所 うつ病のチェック項目と克服と期間
ステロイドの副作用は?
出典:ウィキペディア
アトピー性皮膚炎になるとお医者さんからステロイドを処方されるケースが多いかと思います。
そして皆さんご存知のように長期間使用した場合の副作用が懸念されます。
副作用の例としては白内障や緑内障、皮膚委縮、色素脱失、白癬など皮膚感染症などがあります。
このような副作用がある一方でステロイドはアトピー性皮膚炎を根本的に治すものではありません。
炎症とかゆみを一時的に抑える対処療法になります。
短期間ステロイドを使うくらいなら、あまり問題にはなりませんが、使い続けていると塗る回数が増えていく、つまり使用量が増えていく傾向がありますので注意が必要です。
目に紫外線を浴びすぎることで、白内障になることもあります。
紫外線につきましては次のページをご参照下さい。
紫外線吸収剤のメカニズムは?カプセルやフリー製品は安全?
紫外線で目が痛い時の目薬は?日焼けの影響で充血?
紫外線量の多い時間帯【各都道府県の月別データ】 グラフ
赤ちゃんへの紫外線の影響は?湿疹アレルギー対策グッズは?
ステロイドの使用を止めた場合のリバウンドは?
出典:たらお皮膚科
ステロイド剤というのは私たちの体の中で作られる副腎皮質ホルモンという抗炎症作用の働きを持つものと同じ性質を持ったものです。
ステロイド剤はコレステロールから作られます。
ステロイド剤を長期間皮膚に塗っていると、皮膚内にコレステロールが蓄積されていきます。
溜まったコレステロールは酸化変性します。
この酸化するという刺激は自律神経の交感神経を過剰に優位に働かせるようになります。
すると顆粒球という免疫が過剰に増えて、このことで皮膚に炎症が起こるようになります。
つまりアトピー性皮膚炎によるものとはまた別の炎症が起きてきたりすることがあります。
このようなことから、ステロイドの使用を止めた時にリバウンドが出てきます。
激しいかゆみに加え、皮膚が赤く腫れ、臭いのする膿がジワジワと出てきます。
ストロイド使用後に自然の回復力で改善していく際には、このリバンドをいかに乗り切るかが重要になります。
かゆみが激しい時には冷やしたり、軽く叩いたりなどしてしのぐことになります。
冷やすに関しては基本的には体は温めた方が良いので、一時的なものにする必要があります。
アトピー性皮膚炎に関する次のページも参考にしてみてください。
アトピー改善に有効な食事・レシピは?食事制限は必要?
アトピーを改善する方法【食べ物・サプリ・運動・光温浴】
アトピーのステロイド薬の種類と副作用は?完治する?
赤ちゃんのアトピーの原因は母乳?治療など対策で治る?
アトピーのおすすめの保湿剤は?ワセリン・ヒルドイド?
アトピーの薬の種類と効果は?ステロイドの副作用は怖い?
成人型アトピー性皮膚炎につきまして、次のサイトも参考にしてみて下さい。
徳島県医師会 成人型アトピー性皮膚炎
最後に
成人型アトピー性皮膚炎の症状としては、かゆみを伴い皮膚に炎症などの異常が見られます。
原因は免疫システムの異常が考えられています。
人間に備わっている免疫のリンパ球が過剰に多くなり、人体に影響を及ぼさない外部からの物質に対して誤って反応し、過剰に攻撃することでアレルギー物質が体内に作られ、皮膚のかゆみや炎症が引き起こされるという異常です。
リンパ球が増えすぎる要因の1つは副交感神経が過剰に優位になることです。
快適でメリハリのない生活を送ると副交感神経が過剰に優位になります。
ですのでアトピー性皮膚炎を根本的に改善するには運動を取り入れたり、積極的に家の外で活動し、休む時はしっかり休むなどメリハリのある生活を送ることが大切です。
また食事を正すことと、ストレス排除にも意識を向けましょう。
LEAVE A REPLY