パニック障害の症状【動悸・過呼吸など】と原因と治し方
パニック障害における動悸や過呼吸など症状と原因について
パニック障害・・・突然、動悸や過呼吸、息苦しさ、ふらつきなどが起こり、ものすごい恐怖心に襲われ、気がおかしくなったようになる。
このような症状に悩まされている人は100人に3~4人の割合でいると言われています。
パニック障害になると落ち着いた生活ができなくなったり、日常生活に制約ができてしまったりして不自由な思いをすることが多くなります。
こういう状態からは早く抜け出したいと思うことでしょう。
ここではパニック障害の症状や原因、そして治し方を中心に記載したいと思います。
動悸・過呼吸などパニック障害の症状
症状は人によって違いがありますが、突然、動悸、過呼吸、息苦しさ、めまい、ふらつき、頭がフワッと浮く感じ、などの症状が出て、何が起こったか分からず恐怖心に襲われ、その後しびれや震え、冷や汗が出てきたり、体に力が入らなくなったりする。
こういった感じの症状が出ます。
そして、最初に症状が出て以降「またあのような発作が起こるのではないか?」という不安・恐怖が日常生活で度々出てくるようになり、個人差はありますが時々症状が出て、外出がおっくうになり日常における活動範囲が狭まってしまったりします。
めまいや動悸、息苦しさなどの症状につきましては次のページをご参照ください。
パニック障害の状態
具体的には次のような状態になったりします。
①人には理解してもらえないので、症状のことを言えず、だんだん人を避けるようになる。
人から誘いを受けた時、理由を作り上げて断るようになったりします。
②症状が出た場所と同じような所に行った時に、また発作が起きるのではないかと思い行動範囲が狭くなる。
例えば電車、飛行機、バス、エレベータ、美容室、外食、車、人の多い教室、映画館・ホールといった閉じられた空間などを避けるようになったりします。
③症状への不安・恐怖から、自らマイナスの思考を作り出しパニック症状が起こりやすくなる。
「うつ」に関する内容につきましては次のページをご参照ください。
原因について
概ねパニック症状を起こした人の共通点として、症状が起こる前に不安、怒り・恐怖、緊張感、悲しみ、妬みなどを抱えるといった「ストレス」があったりします。
また栄養不足などで健康を害し、ストレスの負荷に耐えられない状態になっていた、というケースもあります。
ストレスのかかりやすい要素として、人の目を意識し過ぎたり、真面目で繊細というような性格的なものがあります。
バランスの良い食事につきましては次のページの「バセドウ病の食事量と栄養バランス」部をご参照下さい。
タイトルにはバセドウ病とありますが、ここに書かれている栄養バランスの良い食事法に関しては全ての人共通になります。
パニック障害を引き起こす仕組み
ではパニックの症状が起きやすくなる仕組みを順に記載していきます。
①人間は恐怖を感じると、脳の視床下部という所が、脳下垂体に警報を通知します。
脳下垂体は内臓である副腎に恐怖に備えるよう通知を送ります。
副腎からアドレナリンが分泌されます。
アドレナリンは体を活発にします。
理由は人間の祖先は野獣に襲われる恐怖を抱いた時に、やっつけるか逃げるかしなければならず、その為に体が活動的になる必要がありました。
その名残が今も残っています。
②アドレナリンは呼吸数と心拍数を上げます。
そして筋肉も緊張状態になり、より多くの酸素や糖分を必要とします。
すると血液中の酸素や糖分が不足がちになります。
そうなると動悸、息苦しさ、過呼吸、めまい、ふらつきなど様々な症状が出やすくなります。
③アドレナリンが多く分泌されると恐怖心・不安感が強まりやすいという点もあり、思考がマイナスのサイクルに陥りがちになります。
糖分の過剰摂取もパニック障害になりやすくする
日頃から糖分を過剰摂取していると、糖を体中の細胞に届ける働きをしてくれているインスリンというホルモンがたくさん分泌される体質になります。
日頃からこのインスリンがたくさん分泌されるようになると、血液中の糖分が早く少なくなり、空腹を早く感じられるようになり、フラフラしやすくなります。
そして血液中の糖が少なくなると体に蓄えられている糖を血中に送ろうとして、この時にアドレナリンが出てきます。
すると動悸や過呼吸、不安といった症状が起きやすくなるという悪循環に陥りやすくなります。
インスリンが出が悪くなると、血液中の糖分が増え糖尿病になります。
糖尿病につきましては次のページをご参照ください。
治し方について
パニック障害の治す主な方法には
①楽観的な考え方になるよう努める
②食生活を正す
③リラックス法を日々の生活に取り入れる
④運動をする
⑤気持ちを明るくする努力をする
⑥楽しみを見つける
といった6項目があります。
楽観的な考え方になるよう努める
なかなか簡単ではないかもしれませんが、人目を気にしない自分を作れるよう努めることが大切です。
「ここで倒れたら格好悪い」「人に迷惑をかけてはいけない」「失敗したら格好悪い」・・・などという考え方を「倒れた時は倒れた時でしようがない、何とかなるだろう」「悪気があるわけではないので、最悪は人のお世話になって、少しくらい迷惑がかかっていいじゃない」「失敗してもいいじゃない」「自分に何が起こっても平気」くらいの楽観的な心の持ちようが効果を発揮します。
いい加減な人間のように思えるかもしれませんが、意図的に人に迷惑をかけるならともかく、意図的ではないケースについては、「もうしようがない」と思う他ありません。
「自分を格好よく見せたい」という考えは手放し「ありのままでいいや、自分のありのままで過ごして起こった結果を受け入れよう」という考え方を推奨いたします。
「〇〇でなきゃいけない」という考え方の人と楽観的な考え方の人とでは楽観的な方の方がパニック障害になる確率は低いことからも、自然界の摂理として、楽観的に考えるのが適切(正しい)というふうに理解してはいかがかと思います。
食生活を正す
パニック症状が起きにくい体を作ることが大切です。
体は食べ物から作られますので、しっかり食生活を正しましょう。
Ⅰ.野菜と果物をしかり摂る
Ⅱ.玄米など全粒穀物を摂る
Ⅲ.豆腐や納豆、インゲンなど豆類を摂る
Ⅳ.色々な種類の食べ物を摂る・・・野菜を摂るにしても同じ物ばかりではなく色々な野菜を摂りましょう。
Ⅴ.1日2~3食で腹7~8分目で食べる
Ⅵ.水分補給を行なう・・・季節によって変わりますが、無理のない範囲で意識的にこまめに水分を多めに補給しましょう。
Ⅶ.糖分は超控えめに・・・WHO(世界保健機関)では健康維持の為の砂糖の摂取量は1日25g未満としています。これはコーヒースプーンに6~7杯くらいの量になります。
Ⅷ.カフェインを避ける・・・カフェインは自律神経の交感神経の働きを高めパニック症状を起こしやすくします。
自律神経の働きについては次のページをご参照下さい。
リラックス法を日々の生活に取り入れる
腹式呼吸、音楽を聴く、リラックスヨガ、アロマ、半身浴、瞑想、自律訓練法など世の中にはリラックスする方法が色々あります。
自分に合ったリラックス法を見つけ、毎日時間を作って行なうと良いです。
1日1回、心を落ち着かせることは日々の精神の安定に繋がります。
次のページにアロマを使ったリラックス法と複式呼吸法について記載していますので、ご参考にして頂ければと思います。
運動をする
運動がなぜ良いのかというお話をします。
日頃から体が緊張状態になっている場合は色々な症状が出やすい状態と言えます。
パニック症状を恐れていたりすると、体は緊張状態になります。
ところが体を動かすとこの緊張状態が和らぎます。
すると症状は起きにくくなります。
そして何より運動を継続すると体は鍛えられ、効率的に酸素が体中に運ばれるようになります。
こういったことからも酸素不足になりにくくなり、症状は起きにくくなります。
運動の種類としてはウォーキング、水泳、ジョギング、ダンス、縄跳び、自転車こぎ、ヨガなど色々あります。
体全体の筋肉の約80%を使い、負荷的にもちょうど良いウォーキングがお勧めですが、ウォーキングが好きでない方は自分に合った運動を見つけられるといいでしょう。
運動量としては最初は無理なくできるところから始め、慣れてきたら徐々に増やし、週に3日以上、30分以上の有酸素運動ができるようになることを目標にすると良いかと思います。
ハード過ぎる運動は逆効果ですので、無理をし過ぎないよう注意しましょう。
運動で動悸が気になるかもしれませんが、問題ありません。
運動を続ければ逆に心拍数は少なくなっていき、動悸を感じにくくなっていくと思って頂ければと思います。
耳鳴り、便秘、下痢に関する内容につきましては次のページをご参照ください。
気持ちを明るくする努力をする
日常にストレス要因がある場合や、パニック症状への恐怖心などで定期的に心の平穏が崩されるかと思います。
その場合は何とか意識的に気持ちを切り替えて明るい方向に心が動くよう努めましょう。
上記でも触れていますが、とにかく物事を常に楽観的に考えるのが良いです。
生きていれば様々なことがありますので、容易ではないことですが意識し続けることで1日の中で心が平穏である時間が増えていくでしょう。
何か考えると気持ちが楽しくなるようなネタを用意しておき、心がマイナスに働いた時はそのネタを使うのも一つです。
また日常で使う言葉も、できる限り前向きな肯定的な言葉を使うようにするといいです。
繰り返しになりますが、容易ではないことですので、仮にできなかったとしても、決して「自分はダメだ!」などと思わず、また気持ちが落ち着いたら明るい気持ちになるよう意識してみればいいです。
この繰り返しが大切です。
楽しみをみつける
パニック障害の症状をお持ちの方は1日の中で症状のことを考える時間が多い傾向にあります。
人間には忘れるという能力が備わっています。
何かに没頭していると、他のことはあまり思い浮かばなくなります。
楽しく没頭できるものをたくさん持つ努力をしてみましょう。
パニック症状をお持ちの方は「楽しめるものが何も無い」とおっしゃる方が多いです。
少しでも興味を持ったこと、あるいは興味を持てるものが見つからない場合は昔興味のあったことなど、思いつくことは何でもやってみることをおすすめします。
そして面白くなければ、やめてしまえば良いです。
意外にやってみると面白かったと思えるものがきっと出てくるでしょう。
いくつか楽しめるものが出てくるとパニック症状はどんどんあなたから遠く離れていくことでしょう。
応援しています。
腰痛、しびれ、頭痛といった症状に関する内容は次のページをご参照ください。
仕事への考え方
パニック障害の方は定職につくのはかなり難易度が高いと考えられます。
このパニック障害は不安を感じる状況になればなるほど悪化する傾向にありますので、不安を強く感じるような仕事を選ぶことは避けねばなりません。
しかし、全く緊張感がなく不安を感じないような仕事を見つけるのはなかなか難しいかもしれません。
パニック障害の方の中には就職活動中にこの事実を隠して就職する人も結構いるようです。
しかし、想像よりも仕事がきつかった場合はこの障害によって辞めることになってしまうこともあるでしょう。
できる限りそのような状況を避けるためにも、仕事内容ではなく環境で仕事を選んだ方がいいと思われます。
たとえば、上司や同僚が自分の状況をしっかりと理解してくれるような職場とか、困った時に相談する人がいるような環境が整っている職場に就職するなど、仕事の内容よりも環境の良い職場づくりへの意識が高い企業への就職を考えてみるのが良いかと思います。
パニック障害につきましては次のサイトも参考にしてみて下さい。
MSDマニュアル 家庭版 パニック発作とパニック症
最後に
パニック障害で起きる症状としては動悸やめまい、過呼吸などがあります。
パニック障害の方は1回パニック症状が起きて以降、また症状が起きるのではないか?という恐怖や他の人になかなか話せないといった事などから行動範囲が狭まってしまいがちになります。
パニック障害になる人は、症状を起こす前に強いストレスがあったり、栄養が不十分だったるする傾向があります。
また真面目で繊細な性格の方に起きている傾向があります。
パニック障害を改善させる方法は食事を正す、リラックス法を見につける、運動する、気持ちを明るい状態になるよう努める、楽しみを見つけるといった項目があります。
パニック障害は必ず治せるものですので、前向きに日々お過ごし頂けたらと思います。
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