自律神経失調症とは?痛みや吐き気・ほてりなど症状は?
自律神経失調症の仕組みと痛み、吐き気、ほてり他症状について
体に不調があり病院に行っても特に異常はみつからなく「自律神経失調症ですね」と言われるケースはよくある事です。
まずは自律神経とはどのようなものなのでしょうか?
そして自律神経失調症には体の痛みをはじめ、吐き気、ほてり、めまい、胃の不調など様々な症状がありますが、他にもどのような症状があるのでしょうか?
そして更にその原因と対処法についても記載したいと思います。
自律神経失調症とは?
自律神経失調症とは内臓や血管などの働きをコントロールし、体内の環境を整える重要な役割を持つ自律神経が正常に働かなくなることによって(自律神経のバランスが乱れる)引き起こる様々な心身の症状の総称を言います。
自律神経失調症になると日常生活に悪影響をもたらします。
※自律神経について補足
神経は「中枢神経」(脳と脊髄)と体中に張り巡らされている「末梢神経」に分けられます。
末梢神経は意思によって身体の各部を動かす「体性神経」と意思に関係なく刺激に反応して身体の機能を調整する「自律神経」に分けられます。暑いときに手で仰ぐのは体性神経、汗が出るのは自律神経の働きです。(厚生労働省:e-ヘルスネットより)
痛みや吐き気・ほてりなど症状について
ではどのような症状が起こり得るのか挙げてみたいと思います。
①消化器系:吐き気、嘔吐、胃痛、胃の張り、胃もたれ、胸焼け、便秘、下痢、食欲不振、ガスが溜まる、腹痛、消化不良、お腹の張り、過食
②全身症状:ほてり、慢性的な疲労感、不眠、痺れ、冷え性、多汗症、肌荒れ、乾燥肌、微熱、冷や汗、朝起きられない、円形脱毛、じんましん、ふるえ
③全身の痛み:肩、首、腰、腕、手、足、膝、肘、背中、お尻などの痛み
④頭の症状:頭痛、頭が重い、めまい、ふらつき、ふわふわ感、立ちくらみ、乗り物酔い
⑤目の症状:眼精疲労、目の奥の痛み、目の乾燥、まぶたのけいれん
⑥耳の症状:耳鳴り、難聴、耳の閉塞感
⑦鼻の症状:鼻炎、蓄膿
⑧口の症状:口内炎、口が渇く、味覚障害
⑨喉の症状:喉のつまり感、喉に何かが存在している感覚、声が出にくい
⑩呼吸器官:息苦しい、過呼吸、喘息、息切れ、気管支炎
⑪循環器:不整脈、動悸、胸の圧迫感、胸の痛み、高血圧、低血圧、
⑫泌尿器:頻尿、乏尿、残尿管、尿漏れ
⑬生殖器:生理痛、生理不順、ED、産後うつ
⑭心理的症状:不安症、恐怖症、やる気が出ない、落ち込み、マイナス思考、集中力低下、イライラしやすい、気持ちが落ち着かない
非常に多岐に渡ります。
口内炎のことにつきましては次のページをご参照下さい。
自律神経の働きに関わりのある冷え性につきましては次のページをご参照下さい。
自律神経の仕組みについて
概要
自律神経とは自分の意思とは関係なく、体を正常な状態に保とうとして独立して体の機能をコントロールしている神経のことを言います。
例えば人間は恒温動物で体の体温は一定に保たれていますし血液が自然に流れ、体中の細胞に必要な酸素や栄養が運ばれています。
また食べた物は勝手に内臓が動いて消化されたり、体の中に溜まった老廃物についても血液や内臓が私たちが無意識のうちに排出してくれていたりします。
これは自律神経が備わっているからです。
種類
自律神経というのは2つの神経から成り立っています。
1つは交感神経という神経でもう1つは副交感神経という神経です。
自律神経というのは脳の視床下部(ししょうかぶ)という部分でコントロールされていますが、この視床下部が体の状態に応じて、交感神経を優位に働かせたり、副交感神経を優位に働かせたりして、体を正常な状態に保たせようとしてくれています。
健康を維持するには、この交感神経と副交感神経の両方がバランス良く働いている必要があります。
交感神経について
交感神経というのは体を動かしたり、何かに取り組んでいたりと日中活動している時に主に優位に働く神経です。
具体的には仕事や家事、スポーツ、勉強などをしている時は交感神経が優位に働きます。
その他、精神的に不安や恐怖を抱いていたり、緊張していたりといわゆるストレスのかかっている時は交感神経が優位に働きます。
交感神経が優位に働いている時の血管は収縮しています。
いわゆる血液の流れは悪くなっています。
ただこの状態はすぐに体を動かせる状態になっているので、私たちは瞬時に様々な活動が行えるわけです。
副交感神経について
副交感神経というのは体を休めている時や食時中、食後などに優位に働く神経です。
血管は弛緩し、血液の流れは良くなっています。
内臓の働きが良くなって、食べ物の消化・吸収が促進される他、体の中の老廃物などを排出する為の活動が盛んに行われたり、体の修復が行われたりします。
但し、副交感神経ばかりが優位に働くと、活動するのが、しんどく感じたりしてしまいますので、交感神経と副交感神経は必要に応じて働く必要があります。
自律神経が乱れると免疫力が下がり風邪を引きやすくなったりします。
風邪に関しましては次のページを参考にしてください。
自律神経失調症の原因
季節の変わり目や天候が悪くなる時などに自律神経が乱れ体に不調が出る人も多いものです。
季節の変わり目などは朝と昼の気温差によって体は体温調節を行いますが、この役目は自律神経が担っています。
普段から自律神経が整っていれば問題ないのですが、乱れがちになっている人はこのような時には更に乱れ様々な症状に繋がります。
では自律神経が乱れてしまう原因ですが次のようなことが考えられます。
生活習慣の乱れ
残業、ゲーム、知人とのLineのし過ぎなどで夜更かしする事が多いなど不規則な生活が続くと自律神経が乱れます。
人間の長い歴史の中、日光の出ている時に活動し、お日さんが沈んだら休むという体内リズムが出来上がっています。
この体内リズムに逆らうと自律神経失調症になりやすいです。
食生活の乱れ
暴飲暴食やバランスの悪い食事は自律神経の働きを乱します。
具体的には薬やアルコールの過剰摂取、お菓子など砂糖を使った甘い食べ物の食べ過ぎ、インスタント食品の食べ過ぎ、ハンバーガーなどジャンクフードの食べ過ぎ、カフェインの入った飲み物(カフェインは交感神経を刺激します)の摂り過ぎなどがあります。
運動不足
運動不足も自律神経失調症の原因になり得ます。
人間は長い歴史において農耕など体を動かして生きてきました。
従いまして、体をあまり動かさないでいると体内リズムが狂ってしまいやすいと考えられます。
ストレス
現代社会において自律神経失調症になる最も大きな原因はストレスです。
仕事で与えられるプレッシャー、認めてもらおうと頑張りすぎたり、人間関係で悩んだりで、不安・恐怖・緊張・怒り・悲しみ・嫉妬心・劣等感などの強いストレスを受けると自律神経は乱れます。
自律神経が乱れると、更に心理的ストレスを受けやすくなるといった悪循環に陥ってしまいます。
女性ホルモンの変化
女性の場合、閉経が近づくと女性ホルモンの1つエストロゲンの分泌量が急に減り、そのことで自律神経が乱れやすくなります。
更年期障害のことにつきましては次のページをご参照下さい。
自律神経の働きを整える方法
自律神経の働きを整える方法は色々あります。
以下に記載いたします。
考え方を見直すなどストレス解消に努める
最も大切な部分です。
自分に起きていることを常に前向きに捉えるよう努力します。
容易ではないかもしれませんが、可能な限り心の状態が穏やかによるよう思考パターンを見直します。
そしてこれを実践してもどうしてもマイナスに考えてしまっても決してダメだと思わず、「しようがないよなー人間だからそう簡単には上手く行かないようなー、また少し時間が経ってから心が穏やかになるようやってみよう」という感じで楽観的に考え、「前向き」意識を継続させるよう努めます。
継続は力なりです。
このようなことを行っても、決して全てのストレスが無くなる事はありませんが(適度なストレスは人間には必要なものでプラスの効果をもたらせます)少しずつ良い思考ができるように変わっていくでしょう。
ストレスを取り除きやすくする方法として、ストレスの原因は何かを明確にします。
そしてそのストレスを軽くするにはどうすれば良いか整理します。
例えば頑張り過ぎている人ならば、何故頑張りすぎているのか?どうすれば頑張り過ぎずにすむのか?人の目を気にし過ぎて頑張っているなー、もっと人からどう思われるとか気にしなければ気持ち的に楽になるなー、よし人の目に対してもっと楽観的に考えてみよう。
という感じです。
強いストレス、長時間抱えているストレスは間違いなく考え方の誤り(健康にマイナスになるということ=明らかな過ちです)ですので、気持ちが楽になるよう努めましょう。
気持ちが楽になることに対する罪悪感は捨てましょう。
深刻な病気になってから、病気に意識が向くようになり、その結果そのストレスの元から開放されたというのでは遅すぎます!
ツボ、アロマオイル、運動、食事、呼吸法によって自律神経を整える方法があります。
こちらの【自律神経を整える方法 ツボ・アロマ・運動・食事・呼吸法】のページに記載していますのでご参考にして頂ければと思います。
リラックスきる音楽を聴く
自律神経を整えるCDなどが発売されていますので、活用するのも1つでしょう。
モーツアルトの音楽には1/F(エフぶんの1)のゆらぎという脳波からα派が出てくる要素が含まれていると言われています。
α派が出ると心が癒されます。
自律神経を整えるCDは次の楽天さんのサイトをご参考にして下さい。
ストレッチを行う
次のようなストレッチがありますので、ご参考にして頂ければと思います。
施術を受ける
整体院やカイロプラクティック院などで自律神経の働きを整える施術によって様々な症状を改善してくれる所があります。
なかなか自分自身の努力では辛い症状が改善されない場合は、このような施術院を頼るのも1つの方法です。
ご自身の体の自然の回復力を高めての症状改善となりますので、最も好ましい治し方と言えるかもしれません。
サプリメントを飲む
自律神経の乱れを整えるサプリメントもあります。
「ギャバ」というアミノ酸の一種が入っているものが有名です。
「ギャバ」は脳内の情報伝達をスムーズにし、脳内の血流も良くしてくれる性質があります。
ギャバに加え、気分を落ち着かせるカルシウムやビタビンなどが含まれているものも多いです。
その他、ローヤルゼリーも中に含まれるアセチルコリンという成分の働きで、自律神経の改善に効果があると言われています。
あと高麗人参にサポニンという物質が含まれていて、自律神経の働きを整えてくれる働きがあるとも言われています。
自律神経を整える薬を飲む
自律神経の乱れを整える薬としては、抗不安薬、自律神経調整薬、睡眠導入剤、精神安定剤、抗うつ剤などが使われます。
ただ薬に関しては副作用が出ることが考えられるなど、お医者さんと十分相談の上服用することになるかと思います。
また、薬による改善は根本改善とは言い難い所があるとう点も理解しておく必要があるかと思います。
一時的に良くなって薬をやめるとまた症状がぶり返すということが多々あり、それを繰り返しているうちに薬が手放せなくなってしまうかもしれません。
薬を長期に飲み続けるというのは好ましいことではありませんので、まずは薬に頼らずに改善させることを第一に考えるのが良いと思われます。
どうしてもやむを得ない場合は短期間だけ頼るという強い意志を持ち、短期間で薬を手放して良い状態で安定しない場合は、薬をやめられるのがお奨めのように思います。
自律神経失調症を改善する食事については次のページをご参照下さい。
その他、自律神経に関わる症状のいくつか【便秘、下痢、動悸、めまい、頻尿、喘息】につきまして、次のページもご参考になればと思います。
漢方薬は効果がある?
自律神経失調症になると、交感神経と副交感神経のバランスが崩れて何となく体の体調が悪いという状態が長期間続きます。
しかし、この自律神経失調症は西洋医学において治療がしにくくなかなか治らないという主張も多くあります。
そのような人たちに推奨されるのが漢方を用いた治療なのです。
漢方と聞くと効果が無いと感じてしまう人もいますが、普通の病院では慢性的に調子が悪いけど検査で異常が無い場合は解決策が無いと諦められてしまうことがあるので、そうなるくらいなら漢方を使ってみるのも1つという意見もあるのです。
しかし、自分の症状に適している漢方を見つけ出すことは一般の人では非常に困難なので、漢方薬剤師や漢方専門医に症状と合わせて相談するといいでしょう。
自律神経失調症につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
最後に
自律神経の働きが乱れると、自律神経失調症という様々な症状に見舞われやすくなります。
上記「自律神経失調症とは」で記載した症状に当てはまり、病院などで検査しても特に問題がないという場合は自律神経失調症の可能性が高いです。
自律神経の働きを自分で改善することはできます。
一番大きい要素はストレスですので、ストレスがあるなと感じる場合は、その事に対する考え方の見直し(前向きに考える)を行いましょう。
その他、食事や運動など生活習慣も大切ですので、見直すと良いでしょう。
どうしても自分自身で自律神経の働きを整えることができず、症状が改善されない場合は、整体院やカイロプラクティック院などで、自律神経の働きを整える施術を行っている施設を活用するのも1つです。
病院を活用する方法も勿論改善は見込め、否定するものではありませんが、薬による副作用も考えられ、また薬は原則対処療法であり、根本改善とは言い難いところがあります。
薬に依存してやめられなくなったり、極端に無気力になったり(薬の副作用の可能性がります)ということも考えられますので、原則薬を使わずに改善するのが望ましいかと思います。
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