インフルエンザ予防接種の効果はあるの?期間は?
インフルエンザ予防接種の効果と期間について
インフルエンザの流行る時期になると予防接種を受ける人が多いと思いますが、その効果と接種後の効果の継続する期間についてご存知ない方も多いかと思います。
この点の他、予防接種を受ける時期、妊娠時や授乳中の時の考え方、料金などの記載をしていきます。
インフルエンザ予防接種の効果
「インフルエンザ予防接種をしたのにかかった!」そんな話を聞くこともあるかと思います。
インフルエンザの予防接種の効果はいかがなものなのでしょうか?
残念ながら、インフルエンザのワクチンを接種したからといって、完全に予防できるというものではありません。
厚生労働省の研究チームの話では、完全に予防はできないが、発症の確率と重度の症状を抑える効果はあるとのことです。
インフルエンザワクチンを接種すると、どうして効果があるかというと、ワクチンによってウィルスに対する抗体が体内に作られるからです。
ではこの抗体、全ての人が同じように作られるか?というと個人差があります。
高齢者や乳幼児などは抗体ができにくいところがあります。
勿論若い世代でも個人差はあります。
こういった理由から、インフルエンザ予防接種を受けても100%ウィルスに感染しないとは言い切れないのです。
厚生労働省のガイドラインによれば、65歳以上の高齢者においてワクチンを接種せずにインフルエンザにかかった人を対象に、もし予防接種を受けていたとしたら34~54%はかからずに済んだと示しています。
また同じく死亡した人の中の82%は死亡せずに済んだと示しています。
幼児の場合は、20~50%の発病予防効果、乳幼児を除く65歳未満では70~90%の予防効果があるとのことです。
ちなみに2015年度よりインフルエンザワクチンはA型が2種類、B型が1種類の3価からA型が2種類、B型が2種類の4価になっています。
詳しくはインフルエンザワクチン 2015年度は4種類の4価をご参照
効果が継続する期間は?
まずインフルエンザの予防接種を受けてから効果の出始める時期ですが、2週間後くらいになります。
そして効果のある期間ですが、約5ヶ月です。
ただしこれらも個人差があります。
では予防接種を受ける時期ですが、インフルエンザの流行は12月から感染者数が徐々に増え、1月にピークを迎え3月頃まで続きます。
こういった事を踏まえ12月前までに受けるのが好ましいです。
また次のように年齢や妊娠中などの状況によっても少し考え方が変わります。
13歳以上の大人の場合
上記の通り、12月前までに接種するのが好ましいです。
生後6ヶ月未満の乳児の場合
予防接種はできません。
生後6ヶ月以上1年未満の場合
効果の程が証明されていませんので、赤ちゃんに接種するのではなく、家族が予防接種を行いインフルエンザにかからないよう努めるのが肝要です。
13未満の子供の場合
2回予防接種することを推奨されていますので、10月~11月上旬に1回目、11月中に2回目を受けるのが良いでしょう。
5歳以下のお子さんの場合、インフルエンザにかかると大人よりもインフルエンザ脳症を発症する可能性が高いので、インフルエンザにかからないよう、より注意しなければなりません。
インフルエンザ脳症の症状と予防法は?をご参照下さい。
インフルエンザに関する内容につきましては次のページも参考にしてください。
冬に感染しやすいものとしてノロウイルスがあります。
インフルエンザ予防接種を受けると「かかっても症状は軽い」について
上記の通り、インフルエンザ予防接種をしたからといって、感染しないということは無いですが、仮に感染したとしても症状が軽くで済みやすい傾向があります。
予防接種をしていない人は38度や39度といった発熱がみられますが、受けている人は高熱は出ずに微熱で終わったりします。
更に感染していても症状が出ないまま治ってしまうということもあるようです。
妊娠中のインフルエンザの考え方
予防接種について
現時点では妊娠初期をはじめ妊娠中にインフルエンザ予防接種を受けたことで、出産に悪影響が出たという事例はないようです。
従いまして基本的には予防接種をしても大丈夫ですし、妊娠中にインフルエンザにかかることを考えると、予防接種を受けた方が良いでしょう。
ただご自身の基礎疾患や体が繊細な時期ですので、念のため主治医と相談しましょう。
そして、インフルエンザの予防接種を受ける受けないに関わらず、感染しないよう注意したいものです。
バランスの良い食事を摂り、うがいや手洗いを日々実践し、加湿器などで、お部屋を乾燥させないように努めることも良いです。
マスクをするのも、予防策になります。
万一妊娠中にインフルエンザにかかった場合
万一、妊娠中にインフルエンザにかかった場合は、やはり病院の先生に対処法を確認しましょう。
ちなみに2007年の米国疾病予防局ガイドラインによりますと、「抗インフルエンザ薬を投与された妊婦および出生された赤ちゃんに有害な福作用の報告はない」と記載があり、タミフルも胎児に悪影響を及ぼさないと報告されています。
授乳中のインフルエンザの考え方
予防接種について
授乳中に予防接種を受けると、母乳を介して赤ちゃんに影響が出ないか?という心配があるかもしれませんが、影響はしないとのことです。
ですので授乳中でも予防接種はできますが念のため主治医に確認しましょう。
ご参考)市立御前崎総合病院 https://omaezaki-hospital.jp/category/activities/good-story/innfuruennza%E3%80%80part2/
万一授乳中にインフルエンザにかかった場合
お母さんがインフルエンザにかかったとしても、母乳から赤ちゃんに感染するということはありません。
ただ、授乳中や赤ちゃんの世話をする際にウィルスがお母さんから赤ちゃんに飛び、うつしてしまう可能性があります。
従いまして、手をしっかり石鹸で洗い、赤ちゃんの方に向かって咳やくしゃみをしないようにして、ウィルスが飛散しなようなマスクをするなど、赤ちゃんに感染しないよう注意する必要があります。
また母乳の中には赤ちゃんを感染から守る物質が含まれいると言われていますので、母乳をやめるとウイルスを退治する免疫が弱まってしまいます。
ですのでインフルエンザにかかっても母乳を飲ませる方が、赤ちゃんにとっては感染リスクが減りますし、仮に感染しても軽症で済む可能性が高まります。
それから授乳中のタミフルの服用ですが、内服した場合の血液中の薬の濃度は低く、赤ちゃんへの影響はほとんどないとされています。
予防接種の料金は安い?
インフルエンザ予防接種の料金は大人と子供では違うようです。
大人の場合は3000円~4000円が多いようです。
ただ病院によっては1000円などと安いところもあるようです。
子供の場合は2回打つことになりますが、1回目は2000円~3000円が多いようです。
そして2回目は1回目よりも安くなる病院が多く、中には無料としているところもあるようです。
価格差の要因としては成分の違い、仕入価格の違い、病院の考え方の違いなどがあるようです。
成分の違いとしては通常のワクチンには防腐剤が入っているのですが、安全性を重要視し、防腐剤の入っていないワクチンを使用している病院の予防接種料金は少し高くなるようです。
通常のワクチンには細菌汚染を防ぐためチメロサールと呼ばれる防腐剤(有機水銀)が含まれています。
チメロサールを含まないワクチンはアレルギー反応のリスクが少なく、注射時の痛みや腫れも軽減されると言われていますがチメロサールの毒性については過敏症(発熱、発疹、じんましん、紅斑、かゆみ等)を起こすことがある以外はよく分かっていないようです。
1990年代に自閉症などの発達障害に繋がるのでは?という指摘がありましたが、最近の疫学研究では関連性は示されていないようです。
とは言え最近の傾向としては、極微量でもチメロサールを医薬品の中に含めないに越した事はないという考えから、チメロサールを添加しないワクチンや減量したワクチンが増えつつはあるようです。
じんましんにつきましては次のページも参考にしてください。
インフルエンザ予防接種は医療費控除できるのか?
医療費控除は病気になった場合に、その改善を目的ににかかった医療費が対象になりますので、予防を目的としたインフルエンザの予防接種は医療費控除の対象にはなりません。
インフルエンザに関する内容につきましては次のページも参考にしてください。
インフルエンザb型の症状や完治日数は?熱が下がらない対処法は?
インフルエンザ予防接種の効果につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
厚生労働省 「インフルエンザQ&A」
最後に
インフルエンザ予防接種の効果は100%ではなく、年齢や個人差にもより、かかってしまう場合もあります。
ただインフルエンザにかかっても軽症で済みやすいという点もあります。
予防接種を受けてから効果のある期間ですが、接種後約2週間後から約5ヶ月間です。
インフルエンザが流行るのは12月から3月くらいでピークは1月ということから、12月に入る前に予防接種を受けるのが理想です。
生後6ヶ月未満の赤ちゃんは予防接種を受けることができませんし、生後1年未満の赤ちゃんも効果の程が不明確なので、受けないという選択が良いのかと思います。
妊娠中や授乳中の予防接種は基本的には問題なさそうです。
そして万一インフルエンザにかかった場合でも原則タミフルの服用は問題ないようです。
ただ念のために妊娠中や授乳中の方は主治医と相談するのが好ましいです。
料金は3000円~4000円が目安ですが、防腐剤を使っていないワクチンは料金が高めの傾向があります。
基本的にはインフルエンザ予防接種を行うメリットの方が大きいと思われます。
特に妊婦さんや乳幼児のいらっしゃるお母さんはうつさないように、接種されるに越したことはないかと思います。
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