不眠症の治し方は?食べ物や飲み物で治せる?
不眠症の改善方法と効果的な食べ物や飲み物について
不眠症になると体から疲労感が抜けなくなり、仕事や家事、育児など日常生活に支障をきたしてしまいます。
そして夜がくると「今日も眠れないのでは?」と恐怖にさえ感じてしまう方もいるかもしれません。
本記事では不眠症の根本的な治し方と食べ物や飲み物で治せるか?といった内容を中心に記載したいと思います。
不眠症チェック
不眠症とは「寝よう」という意思があるにも関わらず、その意思に反して眠れず、寝不足感のある状態が何日も続く症状をいいます。
不眠症には大きく4つの種類があり、自分が不眠症かどうかをチェックする目安になります。
入眠困難
布団に入って寝付くまでに1時間以上かかる。
中途覚醒
眠りに入った後、夜中に頻繁に目が覚める。
あるいは一旦目覚めるとその後なかなか寝付けない。
早朝覚醒
本来起きる時間より2時間以上前に目覚め、その後眠れない。
そして寝不足感や疲労感などがある。
熟眠障害
眠りが浅く、熟睡した感じがしなく、日中において寝不足感や疲労感などがある。
更年期障害で不眠になる場合もあります。
更年期障害につきましては次のページをご参照ください。
更年期障害の症状は? めまい、頭痛、イライラなどの治療法
更年期の生理不順には漢方薬や命の母が効く?閉経の年齢は?
睡眠の仕組み
画像出典:http://www.tainaidokei.jp/
夜になって眠くなるのはホルモン(体内の特定の器官で合成・分泌され、血液などの体液を通して体の中を循環し、別の決まった器官で効果を発揮する物質)が関係しています。
人間の体は基本的に夜9時頃から脳の松果体という部位からメラトニンというホルモンが分泌され始めます。
メラトニンは光によって制御され、暗くなると分泌が促されます。
メラトニンが分泌されると眠気を感じます。
それに加えて夜ゆっくりしていると自律神経の副交感神経が優位に働くようになります。
副交感神経は体をお休みモードにする神経です。
それ故、床につくと自然に眠りに入ります。
そして眠りに入って以降、眠りはノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返します。
ノンレム睡眠というのは深い眠りです。
脳が休んでいる状態で夢を見ません。
眠りが深くなるにしたがって、呼吸回数や心拍数が少なくなります。
ノンレム睡眠は4段階に分かれ、①入眠期②軽睡眠期③中程度睡眠期④深睡眠期があります。
一方のレム睡眠というのは浅い睡眠です。
夢を見たりします。
呼吸や心拍が不規則になります。
そしてこのノンレム睡眠とレム睡眠は90分間隔で繰り返します。
ちなみに入眠後の最初のノンレム睡眠の時に最も多く成長ホルモンが分泌され、脳を始めとした心身の疲労回復や怪我の修復・再生が行われます。
ですので入眠直後の睡眠はすごく大切です。
成長ホルモンは筋肉作りにも貢献してくれます。
筋トレなどで筋肉を疲れさせることでも、深い眠りに入りやすくなります。
効率的な筋トレにつきましては次のページをご参照ください。
筋肉があまり使われず、筋肉が弱まった場合でも腰痛に繋がるケースがあります。
腰痛につきましては次のページをご参照ください。
腰痛の治し方 筋トレや体操・湿布・コルセットなどについて
ぎっくり腰の症状の原因はストレス?
ガッテンの目のメークで頭痛・肩こり・腰痛が改善?
不眠症の原因
不眠症の原因には次のようなものがあります。
ストレス
ストレスは不眠症になる最も大きな原因です。
不安・恐怖、怒り、イライラ、緊張、悲しみ、妬みといったストレスは交感神経を高めます。
交感神経が優位になると心拍数や、呼吸数、血圧が上がり瞳孔が散大するなど活動モードに入ります。
またコルチゾールというホルモンの分泌が多くなります。
コルチゾールはメラトニンと反比例の関係にあり、メラトニンの分泌は減ります。
当然、メラトニンの分泌が減ると眠りが悪くなります。
そしてストレスの要因となっていることが頻繁に頭をよぎり眠れないケースもあります。
このようなストレスが長く続くと不眠になってしまいます。
あまりにもストレスが強いと「うつ病」になってしまう場合もあります。
「うつ病」に関しましては次のページをご参照ください。
うつ症状の状態と治療法【改善法】
非定型うつと新型うつの違い
主治医が見つかる診療所 うつ病のチェック項目と克服と期間
生活リズムの乱れ
夜中遅くに睡眠につくことがあったり、徹夜することがあったりと頻繁に生活リズムが乱れると不眠になってしまいやすいです。
人間の体の中には体内時計があり、これは私たち人間の長い歴史の中で培われてきました。
夜になったら眠くなり、朝がきたら目が覚めるという規則正しい体の働きは体内時計によって行なわれています。
先に記載したような不規則な生活が続くと体内時計が狂い、夜になったらメラトニンが分泌されて眠くなるという働きが起きなくなり、不眠になってしまいます。
生活習リズムの乱れは自律神経の乱れに繋がり「めまい」「耳鳴り」「不整脈」など様々な症状に繋がります。
これらの症状に関しましては次のページをご参照ください。
めまいの症状の原因は何か? その対処法は?
耳鳴りの原因と治療法は?頭痛・めまいとの関係性は?
耳鳴りが低音で響く原因は?治療法は?
不整脈の症状と原因は?治療法は?
運動不足及び太陽光不足
メラトニンが生成される際の必要な物質にセロトニンがあります。
ウォーキングなど「いちに、いちに」と規則正しいリズムで行う有酸素運動はセトロニンの分泌を促進するとされています。
また適度に太陽光を浴びることでもセロトニンの分泌が良くなるとされています。
こういったことから運動不足や太陽光不足になると、セロトニン不足になる可能性があり、そうなると必然的にメラトニンの分泌が悪くなり不眠になってしまいます。
食生活の乱れ
先に記載していますが、メラトニンが生成されるにはセロトニンが必要になります。
セロトニンが作られる際には、その為の栄養が必要になります。
ちなみにセロトニンはアミノ酸であるトリプトファンやビタミンB6、ナイアシン、マグネシウム、鉄分が必要です。
こういった栄養素が不足するとセロトニンの分泌が悪くなり、その結果メラトニンが不足し不眠になってしまいます。
嗜好品
コーヒーなどカフェイン入りの飲み物や、タバコ、アルコールによって不眠になることがあります。
カフェインやタバコ(ニコチン)には覚醒作用がありますし、アルコールは飲んだ時によく眠たくなったりしますが、睡眠の途中からレム睡眠が増え、眠りが浅くなり、中途覚醒が多くなったりします。
こういった嗜好品によって不眠を招く場合があります。
不眠症を食べ物や飲み物で治せるか?
不眠症を食べ物で治せるか?ということに関しては個人差があります。
人によっては今までよりもメラトニンの分泌が良くなることによって、眠りが正常になる場合もあるでしょうが、ストレスが強かったり、かなり生活リズムが乱れていたりしていた場合は、これらの改善も必要になってくると思います。
ただ、どのような方でも、食べ物によってプラスの効果はありますので、ここでは不眠症に有効な食べ物や飲み物を紹介したいと思います。
基本的にはセロトニンを作る上で必要となるトリプトファンやビタミンB6、ナイアシン、マグネシウム、鉄分を含む食べ物や飲み物になります。
トリプトファンを多く含む食べ物
牛レバー、牛肉、鶏肉、すじこ、かつお、まぐろ、たらこ、ぶり、ひらめ、いわし、さんま、しじみ、パスタ、そば、そうめん、米、チーズ、ごま、油揚げ、納豆、ほうれん草、大根など。
ビタミンB6を多く含む食べ物
にんにく、まぐろ、酒粕、かつお、鶏肉、さけ、さんま、あじ、さば、いわし、とうがらしなど
酒粕につきましては次のページもご参考にして下さい。
酒かすの栄養と甘酒、味噌汁、かす漬け、化粧水の作り方
ためしてガッテン 酒粕はドリンクだけでなく魚、肉、野菜も
酒粕のダイエット効果は?甘酒にラーメン・焼く・鍋・味噌汁
ナイアシンを多く含む食べ物
たらこ、まぐろ、かつお、いわし、豚レバー、牛レバー、鶏肉、いわし、さば、さんま、さわら、ぶり、かも、まいたけなど
マグネシウムを多く含む食べ物
しらす、なまこ、油揚げ、大豆、納豆、あさり、がんもどき、いくら、桜えび、ばいがい、つぶがい、はまぐり、ゆば、たくあん漬け、すじこ、赤味噌、ほっき貝、みる貝、生かき、きんめだいなど
鉄分を多く含む食べ物
豚レバー、鶏レバー、パセリ、たまご(卵黄)、あゆ、しじみ、赤貝、ほっき貝、かも、油揚げ、あさり、ゆば、がんもどき、納豆、みる貝など
鉄分が不足すると貧血になる場合があります。
貧血につきましては次のページをご参照ください。
貧血の数値【6,7,8,9,10など】と症状及び対策
悪性貧血とは?検査と所見は?
不眠に効果的な飲み物
次のような飲み物を就寝の少し前に飲むといいでしょう。
体が温まると眠りに入りやすくなります。
ソシの葉とネギを入れた熱い味噌汁、オニオンスープ、ホット梅干(梅干の果肉1~2個をお湯に溶いて飲む)、ホットハーブティー、ホットミルク、ホット麦茶など
不眠症の根本的な治し方について
不眠症の根本的な治し方は当然ではありますが、基本的には不眠症の原因を取り除くことです。
では1つ1つ見ていきましょう。
①ストレスの排除
もしストレスがかかっているなと思われるようでしたら、その不快な感情が湧き出てきた時、気持ちを切り替えるよう心掛けましょう。
例えば自分に振りかかっているマイナスの出来事でも何とか前向きに捉えたり、物事を楽観的に考えたり、几帳面になり過ぎないようにしたり、自分や他人に厳しくなり過ぎないよう努めたりといった感じです。
またアロマオイルを焚いたり、好きな音楽を聴いたりと、自分の好きなことに没頭するのも効果的です。
できる限り、明るく楽しく過ごすよう心掛け、ストレスを排除していきましょう。
次のページの「ずっと続く下痢の治し方」の項に記載の内容はストレスを取り除く方法を記載しており参考になるかと思います。
②自律神経の働きを整える
自律神経は私たちの健康にとってすごく大切な神経です。
最も大切なのは先と同様ストレスの排除です。
その他、朝起きた時に朝日を浴びたり、適度な運動をしたり、深呼吸をしたり、カイロプレクティック院や整体院など施術を行っている所に頼ったり、色々な方法があります。
自律神経に関する内容につきましては次のページをご参照ください。
自律神経を整える方法 ツボ・アロマ・運動・食事・呼吸法
自律神経失調症の症状と原因と改善方法【治し方】
自律神経失調症を改善する食事は?
自律神経失調症とは?症状は?痛みや吐き気・ほてりなど
③規則正しい生活を行い生活リズムを正す
早寝早起きで、しっかり睡眠時間を確保しましょう。
④適度な運動を行い、適度に太陽光を浴びる
目から光が入ってくると、体の中で「セロトニン」が活性化します。
セロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれる神経伝達物質で、自律神経を整える働きがあります。
⑤栄養バランスの取れた食生活を行なう
⑥タバコ、カフェイン、アルコールを控える
不眠症に効くツボは?
不眠症を解消するツボはいくつかあります。
たとえば、耳の後ろにある出っ張っている骨から指の幅1本分だけ下にあるツボの「安眠」が代表的でしょう。
ここは寝不足や不眠の状態を改善するために使われるツボで、この部分が凝り固まっているという人は要注意です。
不眠症ではないという方でも、その部分を押して痛みやコリが発生している人は睡眠不足の証ですので要注意です。
ツボの位置や押し方については紹介している動画を参考にするとわかりやすいでしょう。
後ろに手をまわすように反対側の手の中指を使って刺激してあげましょう。
この押す動作で痛みを感じた人は睡眠時間を見直しましょう。
それ以外には左右の耳を結んで眉間の中心から頭頂部に結んだ線と交差するツボの百会(ひゃくえ)も効果があると言われております。
ツボの左右に中指を重ねるように1分くらい押してください。
もう一つ上記動画では失眠(しつもみん)という踵の真ん中にあるツボも紹介していますので、参考にしてみて下さい。
不眠症につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
e-ヘルスネット 不眠症 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-001.html
最後に
不眠症とは「寝よう」という意思があるにも関わらず、その意思に反して眠れず、寝不足感のある状態が何日も続く症状をいい①入眠困難②中途覚醒③早朝覚醒④熟眠障害といった4種類があります。
不眠症の原因はストレス、生活リズムの乱れ、運動不足、太陽光不足、食生活の乱れ、嗜好品によるものなどがあります。
不眠症を食べ物や飲み物で治せるか?という点については人によっては治る可能性もありますが、ストレスが強かったり、生活リズムがかなり乱れていたりすると難しいです。
根本的に改善するにはストレスの排除と規則正しい生活を行なう、適度に運動する、適度に日光を浴びる、食生活を正す、タバコ・カフェイン・アルコールを控えるといったことを行なうと良いです。
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