主治医が見つかる診療所【高血圧の原因と食事での対策】
主治医が見つかる診療所で放送の高血圧が起こる理由と食べ物による対策
主治医者が見つかる診療所で【突然死を防ぐ血圧の新常識】というタイトルのもと高血圧に関する話題が取り上げられました。
このページでは高血圧のガイドラインや原因と食事での対策について記載するのと合わせて、放送(平成28年1月25日)された内容を最後の方に「主治医が見つかる診療所による予防法」として記載しました。
高血圧は今や3人に1人がなっていると言われ、突然死の原因とも考えられています。
誰もが高血圧になる危険があるので、1人1人が対策の意識を持ちたいものです。
高血圧の数値
高血圧治療ガイドラインによると高血圧と正常値の数値は次の通りとなっています。
高血圧
収縮期血圧 | 拡張期血圧 | ||
Ⅰ度高血圧 | 140~159 | かつ/または | 90~99 |
Ⅱ度高血圧 | 160~179 | かつ/または | 100~109 |
Ⅲ度高血圧 | ≧180 | かつ/または | ≧110 |
収縮期高血圧 | ≧140 | かつ | < 90 |
常域血圧
収縮期血圧 | 拡張期血圧 | ||
至適血圧 | <120 | かつ | <80 |
正常血圧 | 120~129 | かつ/または | 80~84 |
正常高値血圧 | 130~139 | かつ/または | 85~89 |
高血圧の原因
高血圧になる要因として、以下のようなものがあります。
食塩の摂り過ぎ
食塩の摂り過ぎは高血圧に繋がります。
人間の体の中の体液における塩分濃度の割合は決まっています。
従いまして食塩を摂り過ぎると、その割合に合う水分が血液中に必要となり、血管の中の血流量が増えます。
すると血管に圧力がかかり血圧が高くなります。
厚生労働省では1日あたりの食塩の摂取目標を男性8g未満、女性7g未満と定めています。
ストレス
ストレスがかかると自律神経の働きのうちの交感神経が過剰に働きます。
そうなると血管が収縮します。
また交感神経が過剰に働くと血小板が凝集(たくさん集まる)し血液が粘着性の強い状態になります。
収縮した血管に粘着性の強い血液を流そうとするので、血管にかかる圧力が高まり、高血圧となります。
自律神経の働きが乱れると免疫力が下がり風邪をひきやすくなります。
風邪に関しましては次のページを参考にしてください。
過労
疲労が溜まると体は疲労を回復させようと働きます。
血液は体の疲労を取り除く働きを持っています。
体は全身の疲労を取り除く為にたくさんの血液を流そうとするので、鼓動が強くなり血管にかかる圧力が高まります。
その結果、高血圧となります。
肥満
肥満者は普通の人に比べると2~3倍高血圧になる割合が高くなっています。
その理由は複数あります。
食べ物から摂取した栄養分の糖はインスリンというホルモンによって全身に運ばれます。
必要以上に摂られた糖は脂肪として蓄積されます。
肥満の人はたくさんのインスリンを必要とします。
インスリンは交感神経を刺激し、これは血圧上昇に繋がります。
また大量摂取された脂肪は血管の壁に取り込まれ、やがて酸化したりします。
すると動脈硬化に繋がり、動脈硬化が進むと血管が狭くなり、血流が悪くなります。
それを改善しようと心臓が拍動を強め、その結果血圧が上がります。
また肥満になると抹消の血管が圧迫され血流が悪くなります。
このことも血圧上昇の要因になります。
運動不足
運動不足になると栄養過多になります。
余った脂などの栄養分は血液中に流れ込み、徐々に血管内に積み重なっていきます。
すると先に記載したように脂肪がやがて酸化し血管内が硬くなり動脈硬化に繋がります。
その結果血圧が上がります。
加齢
人間の体は加齢とともに徐々に老化していきます。
勿論、血管も老化し、老化するとみずみずしさが失われ硬くなります。
血管が硬くなると血流が悪くなり、そのような中で心臓が全身に血液を送ろうと強く脈打つので、血圧が上がります。
遺伝
遺伝によって確実に子供が高血圧になるという確証はないようですが、高血圧になりやすい遺伝子が受け継がれる可能性は十分考えられるようです。
次のようなデータがあります。
Ⅰ.両親とも高血圧であった場合、子どもが高血圧になる確率は1/2
Ⅱ.親のどちらかが高血圧であった場合、子どもが高血圧になる確率は1/3
Ⅲ.両親の血圧が正常値であった場合、子どもが高血圧になる確率は1/20
親子間では遺伝子の他、生活習慣も似るところがあるので、同じように高血圧になる確率が高くなりやすいところもあるようです。
ただ両親とも高血圧でも5割は高血圧にならないということですので、注意して生活習慣を正していけば、高血圧になりにくいと言えるのではないかと思います。
病気
病気によって高血圧になることもあります。
例えば腎臓は不要になった水分を体の外に排出する役割がありますが、腎臓病になるとこの働きがうまくいかなくなります。
すると余分な水分が血管の中に溜まるので、血管に圧力がかかるようになります。
その他、抗利尿ホルモンは尿の量をコントロールしていますが、ホルモン異常をきたした時に尿の出が悪くなるなり、水分が血管内に溜まり高血圧に繋がるということもあります。
病気に伴い高血圧を招くものを「二次性高血圧」と言い、それ以外の上記のようなケースでの高血圧を「一次性高血圧」あるいは「本態性高血圧」と言います。
高血圧は動脈硬化の要因になります。
動脈硬化につきましては次のページを参考にしてください。
高血圧に伴う病気の危険性
高血圧に伴って起こりうる病気は次のようなものがあります。
① 脳に起こる病気・・・脳梗塞、脳出血、くも膜下出血
② 心臓に起こる病気・・・心筋梗塞、狭心症、心肥大、心不全
③腎臓に起こる病気・・・腎不全、腎臓病
④その他の病気・・・大動脈瘤、大動脈解離、抹消動脈疾患、眼底出血、網膜静脈閉塞症
「狭心症」や「心不全」につきましては次のページを参考にしてください。
高血圧における食事対策
食事対策としては次のようなことに注意しましょう。
塩分を控える
先に記載していますが塩分の摂り過ぎは高血圧を招きますので控えましょう。
塩分を控える上でのポイントは【加工食品を控える】【漬物や干物、塩漬けの魚、佃煮などは控える】【麺類の汁は飲まないようにする】【塩の変わりに酢・うまみ・薬味などを使う】【味噌は減塩みそを使う】【しょうゆは控えめに】などがあります。
食事の量を控える
これも先に記載していますが、肥満は高血圧の大きな原因になります。
従いまして1日の食事回数は2~3回とし、腹7~8分目にしておきましょう。
野菜や果物を積極的に摂り、コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える
たまねぎ、セロリ、パセリ、ニンニク、トマト、ほうれん草などの野菜やバナナ、アボカド、パパイヤなどの果物には血圧を下げる効果のあるものがたくさんあります。
レバーや卵といった食品などはコレステロールが高く控えたいものです。
アルコールを控える
目安としては1日最大ビール中ビン1本程度です。
タバコを控える
タバコに含まれるニコチンには、血圧を上げる作用があります。
タバコの喫煙は動脈硬化にも繋がります。
高血圧のより発症の可能性が高まる脳梗塞に関しては次のページを参考にしてください。
高血圧を下げるサプリメントってあるの?
高血圧の方の食事は上記のように塩分を控え野菜中心の食事にして、運動を適度に取り入れたりするわけですが、補助的にサプリメントを使うのもOKかと思います。
実際に血圧を下げる効果があるサプリメントはかなり売られています。
高血圧を下げるサプリとしても有名なのがDHAやEPAが含まれているものなのですが、どちらも酸化しやすいという性質がありますので可能であれば酸化防止成分が含まれているものがいいでしょう。
高血圧の予防法
予防法は先に記載した食事対策に加えて次のようなことを心掛けましょう。
基本的には高血圧の原因への対策になります。
ストレスを解消する
不安・恐怖、緊張、イライラ、怒り、悲しみ、妬みなど心の状態がいやな感情で支配されている時はストレスがかかっています。
ストレスを取り除くのは容易ではないかいもしれませんが、出来る限り日々明るく楽しい気持ちで過ごせるよう心掛けます。
心の状態に意識を向け、いやな感情が湧き出てきた時は、気持ちを切り替えるよう心掛けましょう。
そして自分に振りかかっているマイナスの出来事でも前向きに捉えたり、物事を楽観的に考えたり、几帳面になり過ぎないようにしたり、自分や他人に厳しくなり過ぎないよう努めたりといったことが大切です。
またアロマオイルを焚いたり、好きな音楽を聴いたりと、自分の好きなことに没頭するのも効果的です。
精神的な病気に「うつ病」や「統合失調症」があります。
これらの症状に関しましては次のページを参考にしてください。
頑張り過ぎない
頑張りすぎて過労にならないよう注意します。
時にはやむを得ず忙しくなってしまうこともあるでしょうが、長く続くのは考えものです。
過労になる無理よりも多少無理をしてでも適度に体を休める状況を作りましょう。
もしかしたら、休める状況を作ることが自分自身の課題であり、その課題を乗り越えることが自分の成長に繋がるのかもしれません。
適度な運動を行なう
運動は血管内皮の機能を良くし、降圧効果が得られ、高血圧の改善におすすめとなっています。
不要な脂肪が血管内に付着しなくなったり、筋肉や血管が鍛えられたりして、より健康な体作りに繋がります。
また適度な運動はストレス解消にもなり、相乗的な高血圧解消に繋がります。
おすすめの運動はウォーキングです。
体力に応じて30分~1時間くらいが良いかと思います。
適切な食事や適度な運動は加齢による老化を遅らせることができますので、積極的に取り組みたいものです。
効率的な筋力アップ法につきましては次のページを参考にしてください。
高血圧の治療と薬
治療法には生活習慣を見直す非薬物療法と降圧薬といった薬物療法があります。
基本的には非薬物療法が推奨されますが、生活習慣の改善でも高血圧が解消されない場合は降圧薬を使うことになります。
降圧薬にはたくさんの種類があるようですが主なグループとしてカルシウム拮抗薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、利尿薬、β遮断薬、α遮断薬といった6つがあります。
ただ高血圧というのは身体的には全身に血液を流す為など、何か必要がって血圧が上がっているので、降圧薬で血圧を下げることに関しては、反対にデメリットがあることも考えられます。
その辺りは医師に十分確認の上、降圧薬の使用を判断するのが良いかと思います。
生活習慣の乱れで引き起こる症状に糖尿病があります。
糖尿病に関しましては次のページを参考にしてください。
主治医が見つかる診療所による予防法
突然死は血管にまつわることが原因で起こることがほとんど。
血管の疾患による死亡は死因の4分の1になってる。
血管による疾患は高血圧によって引き起こされる。
高血圧は自覚症状のないサイレントキラーなので怖い。
高血圧を10年放置していた方の右足で動脈硬化が起こり、ほとんど血液が流れておらず切断の1歩手前まで行っていたとのこと。
そのくらい高血圧を放置しておくことは怖いこと。
また放置しておくと生活習慣の改善では回復が難しくなり、降圧薬を使わないといけなくなる。
日本人の3人に1人の4,300万人が高血圧と想定される。
そのうち自覚していない人は2,000万人と想定。
このデータからあなたも高血圧である可能性が十分ある。
高血圧かどうかを把握するには定期健診で測っているだけではダメ。
毎日家庭で測ることが重要。
医学会では家庭血圧を重要視するようになっている・・・これが今の新常識。
理由は家庭血圧の方がより正確に測れるから。
血圧計測による高血圧かどうかの判定法
①正常血圧・・・診察室での血圧<140 かつ 家庭での血圧<135
②高血圧・・・・診察室での血圧≧140 かつ 家庭での血圧≧135
③白衣高血圧・・・診察室での血圧≧140 かつ 家庭での血圧<135
④仮面高血圧・・・診察室での血圧<140 かつ 家庭での血圧≧135
白衣高血圧は外来で血圧を測る時、緊張してしまい血圧が上がる。
1番怖いのは仮面高血圧。
毎日家庭で血圧を測っていないと医師も本人も高血圧であることが分からないので、何の対策もなされない。
突然死の可能性が2~3倍高くなる。
仮面高血圧を見つけるポイントは早朝と職場での血圧。
早朝は自律神経の嵐と言われ基準値を超える人が多い。
早朝は血栓ができやすく、また血栓が解けにくいので、最も危険な時間帯。
早朝や職場での血圧は重要であるが、自分でしか測れない。
だから家庭血圧は重要。
岩手県の大迫町(おおはさままち)では住民に血圧計を無料で配布し、毎日の血圧測定を推進。
その結果、血管に関わる病気による死亡率が3分の1に減った。
中にはこの測定によって高血圧だと初めて知り、その影響がないか検査を行ったところ、腎機能が低下しており、人工透析の1歩手前という状況が分かり、対処して改善することができたとのこと。
家庭血圧の測り方も大切・・・①朝と夜に2回ずつ測り、平均値をとる②朝は起床1時間以内に排泄後かつ朝食前に測る③測る前に1~2分安静にしておおく④袖をたくし上げない(腕が圧迫される)薄手の服なら上からカフを巻いても良い⑤管は腕の内側の中心にくるようにする⑥腕とカフの間に指が1~2本入るくらいで巻く⑦測っている時は会話しない、足を組まない
薬に関する注意点・・・自分で血圧を測って低いからといって、薬を減らしたり、高いからといって薬を増やしたりと勝手に自分で判断してはいけない。
必ず医師に記録を報告し相談した上で判断する。
その他、高血圧につきましては次のページも参考にしてください。
最後に
高血圧の原因は食塩の摂り過ぎ、ストレス、過労、肥満、運動不足、加齢、遺伝、病気に伴うものなどがあります。
高血圧になることで、他の病気のリスクが高まるので、高血圧への対策は重要になります。
食事による対策としては、塩分や食事の量を控えたり、脂肪が血管内に付着しないような食生活を送ることが大切です。
予防法としてはバランスの良い食事は勿論、ストレス解消や適度な運動など、高血圧の原因になっている事柄を改善していくしかありません。
治療法としては生活習慣の見直しの他に降圧薬を使った薬物療法があります。
薬で血圧を下げる場合はデメリットも考えられますので、まずは生活習慣をしっかり整えていくことが大切になります。
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